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help RSS 一時払い変額終身保険の契約を巡る裁定事案。

<<   作成日時 : 2010/01/13 23:24   >>

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生命保険協会が取りまとめた「平成21年7〜9月の苦情受付状況(ボイス・リポートNo.16)」に、一時払い変額終身保険の契約を巡る裁定事案がありました。

リポートによりますと、事案の概要と申立人の主張は以下のとおりです。

<事案の概要>
 銀行員から勧められ保険料一時払の変額保険(終身型)に加入したが、思っていた契約内容と違うので、契約を取り消して払い込んだ保険料を返して欲しい。

<申立人の主張>
 銀行員から定期預金より有利であると勧められ、平成18年12月に保険料一時払(一時払保険料1000万円)の変額保険(終身型)に加入したが、下記の理由により、保険契約を取り消し、払込保険料を返還して欲しい。

(1)10年満期の保険と思い、10年経てば一時払保険料1000万円が戻ると考えていたが、契約は終身保険タイプの変額保険(基本保険金額1000万円)で、10年経過した時点で一時払保険料が戻るものではなかった。同契約や10年満期で、その時点で一時払保険料1000万円が戻ると誤信して契約したものであり、当該保険契約は民法95条の錯誤により無効である。

(2)従来から取引があり、自分の生活環境・家族構成を知る当該銀行が自分にとってベストの商品であると勧められ、それをそのまま信用して契約したが、自分が死亡しないと確実に元本が戻らず、自分が生きている間に生きたお金として使えない保険商品は、子供のいない妻と2人暮らしの自分にとってベストの商品とは言えない。この保険の内容であれば、他の商品を紹介すべきであり、企業利益優先の姿勢等に不信感を覚える。

…この事案は既に裁定が終了しています。

あくまで個人的な所見ですが、今回の事案は

@申立人の主張を読む限り、変額保険(終身型)が本来の役割である「死亡・高度障害保障の提供」ではなく、同保険に内蔵されている「運用機能」というサブの機能にスポットライトが当てられ、資産運用の手段として提示された疑いがある

A募集に当たった担当者(募集人)は「金融商品取引法」に定められた書類を交付・説明したと思われるが、それは「募集人が説明責任を果たした」「募集代理店と募集人が法令を順守した」という証拠となったものの、最も重要な「トラブル防止」とはなり得なかった


事案である、と思います。

【事案の内容】

以下、裁定事案の内容です(ボイス・リポートNo.16・P24〜25より転載)。

[事案20-56] 契約無効確認・既払込保険料返還請求
・平成21年1月16日 裁定申立受理

・平成21年8月27日 裁定終了

<事案の概要>
 銀行員から勧められ保険料一時払の変額保険(終身型)に加入したが、思っていた契約内容と違うので、契約を取り消して払い込んだ保険料を返して欲しい。

<申立人の主張>
 銀行員から定期預金より有利であると勧められ、平成18年12月に保険料一時払(一時払保険料1000万円)の変額保険(終身型)に加入したが、下記の理由により、保険契約を取り消し、払込保険料を返還して欲しい。

(1)10年満期の保険と思い、10年経てば一時払保険料1000万円が戻ると考えていたが、契約は終身保険タイプの変額保険(基本保険金額1000万円)で、10年経過した時点で一時払保険料が戻るものではなかった。同契約や10年満期で、その時点で一時払保険料1000万円が戻ると誤信して契約したものであり、当該保険契約は民法95条の錯誤により無効である。

(2)従来から取引があり、自分の生活環境・家族構成を知る当該銀行が自分にとってベストの商品であると勧められ、それをそのまま信用して契約したが、自分が死亡しないと確実に元本が戻らず、自分が生きている間に生きたお金として使えない保険商品は、子供のいない妻と2人暮らしの自分にとってベストの商品とは言えない。この保険の内容であれば、他の商品を紹介すべきであり、企業利益優先の姿勢等に不信感を覚える。

<保険会社の主張>
 申立契約は、下記のとおり、申立人の知識、経験、財産状況または保険契約締結の目的に照らして適合性に反するものではなく、募集人が誤説明・重要事項の不説明等を行い、誤導した事実も認められず、また、申立人が商品内容を誤解されていることを客観的に認識できる状況が認められない。また、申立契約は、申立人において一般的に見てメリットを看取し得るものであり、申立人の客観的ニーズにも合致しえる商品と思料する。よって、申立人の契約取消し、保険料返還の請求に応ずることはできない。

(1)契約締結に至る保険募集の過程において、募集人は、申立契約が10年満期であるとの誤った説明は行っておらず、また、募集人が商品説明に用いた商品パンフレットにも、終身保障であることが明記され、かつ家族に資産を「のこす」ことを主眼とした説明がなされている。また、申立人からは商品内容について誤解されていることを、募集人が認識しうる具体的な言動は示されていない。

(2)当該銀行および募集人は、申立人の資産、家族構成等の情報を申立人より取得しており、申立人に子がいないことは知っていた。一方で、申立人には配偶者がおり、配偶者に資産を残すことは、申立人と同様の年齢、家族構成等の状況にある者の一般的ニーズとして存在することから、申立人に対しても配偶者への資産承継が可能な申立契約を提案した。この配偶者への資産承継という申立契約の特徴については理解いただいていたと認識している。

(3)過去に株式、投資信託といったリスク性商品への投資経験もある申立人に対し、申立契約のリスクについてパンフレットを用いて説明している。申立人からは、過去の運用実績について質問がなされており、申立人はリスクについて理解していたと認識している。

<裁定の概要>
 裁定審査会では、申立人および保険会社提出の書類等にもとづき検討するとともに、申立人および代理店銀行募集人(銀行員)から事情聴取を行い審理した結果、下記理由により、申立人の主張を認めることは出来ず、生命保険相談所規程第44条により,裁定手続きを終了した。

(1)保険契約の締結にあたり説明に使用されたパンレットには、保険の仕組みが大きく図示され、終身保険であることが明示されており、どこにも10年満期を推測させる記載はない。確かに同書類には、10年以上経過した場合には解約に際し、解約控除率が0%になるとの記載はあり、申立人は同記載をもって保険期間は10年であると認識したと言うが、同記載は明確に解約控除率に関する記載であり、これをもって10年満期であると認識することは通常ありえない。

 その他、両当事者の事情聴取の結果においても、本件契約を10年満期の保険であると、申立人が契約当時に誤信したと推測させる事実は存在しない。

(2)本件保険は、確かに被保険者が生存中に金員を取得するには解約の方法を取らざるをえず、その場合には解約控除及び投資利益の変動によるリスクが存在するが、一方、遺産の保全という意味においては、死亡保険金の最低金額の保証、投資利益が存在する可能性及び税金の計算方法等によるメリットがある。従って、明らかに申立人に不適切な保険契約とは言えない。

 また、いかなる保険契約を締結するかは、契約者に最終的な選択の権限と責任があり、契約者の明示した条件に合致しない保険を合致するように装ったり、明らかな虚偽や不適切な説明をしたと認められる事実がない限り、契約者の主観的な要望に合致しなかったからといって、保険契約を無効とする法律上の根拠はなく、本件においても、本件保険契約の効力を左右する法律上の理由は見出し難い。


以上です。

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