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help RSS がんの最新治療A―内視鏡的粘膜下層剥離術

<<   作成日時 : 2010/07/12 22:17   >>

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7月9日の日本経済新聞・夕刊に、内視鏡手術の1つ、内視鏡的粘膜下層剥離術についての記事がありました。

記事によりますと

< …早期の胃がんや食道がんではここ数年急速に普及する手術法だ。東大病院光学医療診療部の藤城光弘部長は「患者の負担は軽く、がんを根治できる可能性も高い」と説明する。

 早期の胃がんの場合、患者の口から内視鏡を挿入し患部の真下に薬剤を注入、患部だけを胃壁から浮かび上がらせて電気メスではぎ取る。

 治療対象となるのは、がんが粘膜か粘膜のすぐ下の層の中にとどまっている段階だ。内視鏡検査でがんの表面のひだの模様や血管の形などから「がんの深さ(進行度)や広がりを予測する」(藤城部長)。2〜10センチメートル程度の大きながんでも一度にはぎ取れる。

 病変部の一括切除で、そのまま顕微鏡で検査でき、リンパ管などにがんが侵入していないかどうか、粘膜の中にとどまっているかなどを直接調べられる。侵入がわかれば、腹部に穴を開ける腹腔(ふくくう)鏡手術などをする。

 大腸がんでも一部の医療機関でESDが浸透してきた。特に有効なのは腸の表面に沿って平べったく広範囲に発育するがんだ。年間120件以上と国内最多の大腸がんのESDを実施している国立がん研究センター中央病院の斎藤豊・消化管内視鏡科グループ長は「大きながんでも早期なら一度に切除でき、再発リスクを減らせる」と話す。

 病巣を分割して切除する従来法では、目に見えないがんが腸に残る恐れが否定できなかった。分割切除した患者の5〜20%で再発する。早期に発見できればもう一度、内視鏡手術を受け切除できるが、患者の負担は増す。「ESDで一度に取り切れる利点は大きい」(斎藤グループ長)

 ESDの治療費は胃がんと食道がんでは保険適用されているが、大腸がんではまだだ。国立がん研究センターや東大病院などは先進医療として実施、約20万円かかる手術費用は自己負担になる。>


とのことです。

…粘膜および粘膜のすぐ下の層に腫瘍がとどまっている早期の段階であれば、腫瘍部分が大きくても一度に切除できるため、取り残しや再発のリスクが低いというのは素晴しいですね。

ただ、この手術法は難易度が高く、医師に高い技量が求められるようです。どこの病院でも受けられるとは限らないかもしれませんね。

また、記事にはESDとは別の内視鏡手術である、経菅腔的内視鏡手術(NOTES)が取り上げられていました。

この手術は口、膣、肛門など人体の開口部から軟性内視鏡を挿入し、内蔵の壁を切り開いて腹腔内に到達して治療するという方法で、「夢の低侵襲手術」といわれているそうです。

記事にもありますが、この手術はまだ臨床段階だそうです。

【記事の内容】

以下、記事の内容です。

【がんの最新治療を追うA―内視鏡で病巣を一括切除。早期段階で効果、傷・痛みなく】
 がんの手術では術後の傷口の痛みや、内臓の癒着といった合併症に苦しむ人が多い。こうした問題を回避するため、開腹せずにすむ内視鏡手術の適用が着実に広がってきた。

 「手術後の痛みや違和感をまったく感じない。3日後には食事もできた」。埼玉県鴻巣市に住む中島潔さん(仮名、77)は、昨年12月、東京大学病院で胃がんの切除手術を受けたときの様子を振り返る。

 ◇入院1週間足らず
 手術といっても開腹や腹部に穴を開けることなく、口から入れた内視鏡の先端についた針やナイフで早期のがんを切除した。入院期間は1週間足らずで、すぐに元の生活に戻れた。

 中島さんが受けたのは内視鏡的粘膜下層剥離(はくり)術(ESD)」。早期の胃がんや食道がんではここ数年急速に普及する手術法だ。主治医の東大病院光学医療診療部の藤城光弘部長は「患者の負担は軽く、がんを根治できる可能性も高い」と説明する。

 早期の胃がんの場合、患者の口から内視鏡を挿入し患部の真下に薬剤を注入、患部だけを胃壁から浮かび上がらせて電気メスではぎ取る。

 治療対象となるのは、がんが粘膜か粘膜のすぐ下の層の中にとどまっている段階だ。内視鏡検査でがんの表面のひだの模様や血管の形などから「がんの深さ(進行度)や広がりを予測する」(藤城部長)。2〜10センチメートル程度の大きながんでも一度にはぎ取れる。

 病変部の一括切除で、そのまま顕微鏡で検査でき、リンパ管などにがんが侵入していないかどうか、粘膜の中にとどまっているかなどを直接調べられる。侵入がわかれば、腹部に穴を開ける腹腔(ふくくう)鏡手術などをする。

 ◇再発危険減らせる
 大腸がんでも一部の医療機関でESDが浸透してきた。特に有効なのは腸の表面に沿って平べったく広範囲に発育するがんだ。年間120件以上と国内最多の大腸がんのESDを実施している国立がん研究センター中央病院の斎藤豊・消化管内視鏡科グループ長は「大きながんでも早期なら一度に切除でき、再発リスクを減らせる」と話す。

 病巣を分割して切除する従来法では、目に見えないがんが腸に残る恐れが否定できなかった。分割切除した患者の5〜20%で再発する。早期に発見できればもう一度、内視鏡手術を受け切除できるが、患者の負担は増す。「ESDで一度に取り切れる利点は大きい」(斎藤グループ長)

 ESDの治療費は胃がんと食道がんでは保険適用されているが、大腸がんではまだだ。国立がん研究センターや東大病院などは先進医療として実施、約20万円かかる手術費用は自己負担になる。

 内視鏡で、腹部ではなく内臓の壁に小さな穴を開けて体内のがんを切除する「経菅腔(けいかんくう)的内視鏡手術」の試みも始まった。

 大阪府東大阪市に住む上野万里子さん(仮名、48)は、2009年6月大阪大学病院で5センチメートルになった胃の粘膜の下にあり外側に突き出た腫瘍(しゅよう)の切除手術を受けた。膣(ちつ)を経由し、膣の壁を切って内視鏡を腹部に入れて腫瘍ごと胃の一部を切り取るというもの。手術は約3時間かかったが、「おなかの痛みも全くなかった。何よりも嬉しいのが、皮膚に大きな傷をつくらなくて済んだこと」と話す。

 執刀した消化器外科の中島清一助教によると、皮膚には痛みを感じる神経が多いが、内臓の壁にはまばらで痛みを感じにくい。この新しい手術法だと「患者は術後の痛みや傷で苦しむこともなく、回復も早い」(中島教授)。まだ、臨床研究の段階だが、今後、消化器系の様々ながんを、おなかを切らずに手術できる日がくる可能性がみえてきた。

▽内視鏡的粘膜下層剥離術
 1999年、国立がんセター(当時)の小野裕之医師(現静岡県立静岡がんセンター内視鏡科部長)らが、専用の電気メスを開発して世界で初めて実施した。80年代に登場した内視鏡的粘膜切除術では取り残す恐れがある大きめのがんを一度に切除できる手法として開発が進んだ。

 内視鏡から出る1本の手術器具だけで患部を切除するため「リンゴの皮を片手でむくような難しさ」といわれる。手技の難しさなどを理由に欧米ではほとんど実施されていない。ただ近年、患者への負担が少ない治療法として食道がんなどで注目を集めており、国立がん研究センター中央病院の手術には年間100人程度の海外の医師が見学に訪れる。


以上です。

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