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生命保険協会が取りまとめた、平成22年4〜6月の苦情受付状況(ボイス・リポートNo.19)に、告知義務違反による契約解除と給付金の支払い拒否を巡る裁定事案がありました。 リポートによりますと、事案の概要と申立人の主張は以下のとおりです。 <事案の概要> 募集人による不告知教唆があったとして、契約解除の取消しと入院給付金の不支払を不服として申立てがあったもの。 <申立人の主張> 平成20年5月末、A病院内科を受診しCTにて左副腎腫瘍を指摘され、7月初旬に同病院泌尿器科を受診、7月下旬に5日間同病院内科へ入院して、精査の結果、左副腎腫瘍(クッシング症候群)と診断された。(本件入院について入院給付金を請求し受領済)。 その後、9月中旬に同病院泌尿器科に入院し、腹腔鏡下左副腎摘除術を受け、約1週間で退院した。翌10月、入院・手術証明書(診断書)を提出し入院給付金の請求(2回目)を行ったところ、保険会社より、告知義務違反により医療保険(平成20年4月契約)と終身保険(平成20年2月契約)の一方的な契約解除および入院給付金不支払いについて通知を受けた。 しかし、加入時の告知に当たり、保険会社も認めるとおり、営業担当者に帝王切開について不告知教唆があり、保険会社側に落ち度があるため、一方的な契約解除は無効であり、入院給付金を支払うべきである。 …この事案は既に裁定が終了しています。 これはあくまで個人的な見解ですが、今回の事案は 保険会社の契約解除および給付金の支払い拒否という判断は、不当であるとはいえないものの、申立人が行った事実の不告知に、営業担当者の不告知教唆の影響がなかったとは言い切れない事案ではないか と思っています。 【事案の内容】 以下、裁定事案の内容です(ボイス・リポートNo.19・P26〜28より転載) [事案1-60] 契約解除取消・入院給付金請求 平成22年5月26日 裁定終了 <事案の概要> 募集人による不告知教唆があったとして、契約解除の取消しと入院給付金の不支払を不服として申立てがあったもの。 <申立人の主張> 平成20年5月末、A病院内科を受診しCTにて左副腎腫瘍を指摘され、7月初旬に同病院泌尿器科を受診、7月下旬に5日間同病院内科へ入院して、精査の結果、左副腎腫瘍(クッシング症候群)と診断された。(本件入院について入院給付金を請求し受領済)。 その後、9月中旬に同病院泌尿器科に入院し、腹腔鏡下左副腎摘除術を受け、約1週間で退院した。翌10月、入院・手術証明書(診断書)を提出し入院給付金の請求(2回目)を行ったところ、保険会社より、告知義務違反により医療保険(平成20年4月契約)と終身保険(平成20年2月契約)の一方的な契約解除および入院給付金不支払いについて通知を受けた。 しかし、加入時の告知に当たり、保険会社も認めるとおり、営業担当者に帝王切開について不告知教唆があり、保険会社側に落ち度があるため、一方的な契約解除は無効であり、入院給付金を支払うべきである。 <保険会社の主張> 当社の決定(医療保険及び終身保険の契約解除及び入院給付金不支払い)は、下記理由により有効であり、申立人の請求に応ずることは出来ない。 (1)平成 20年10月に申立人からなされた「左副腎腫瘍(クッシング症候群)」を原因とする入院給付金請求に対し事実確認を行ったところ、告知前の健康診断(平成19年7月及び20年1月)、において、申立人は高血圧を指摘されていることが判明した。さらに、高血圧に合併することの多い「尿蛋白」の指摘もあったので、持続的な高血圧と考えら れる。 (2)医学的に「左副腎腫瘍(クッシング症候群)」は、多くの場合に高血圧を伴うと言われており、本請求の原因である「左副腎腫瘍(クッシング症候群)」と健康診断の指摘(高血圧・尿蛋白)には、密接な因果関係がある。 (3)契約解除及び入院給付金不払は、告知されていない「高血圧」及び「尿蛋白」によるものであり、不適切な告知取得をした帝王切開は、当社の決定に何ら影響を及ぼしていない。 (4)入院給付金の請求があった疾病「左副腎腫瘍(クッシング症候群)」は告知されていない「高血圧」及び「尿蛋白」と密接な因果関係があるが、不適切な告知取得をした帝王切開との因果関係はない。 (5)営業担当者が申立人に対して、帝王切開に関する告知取得についての不適正な発言は行ったものの、営業担当者は、申立人から当社の決定の理由である「高血圧」及び「尿蛋白」については一切聞かされておらず、かつこれらについて不告知を教唆した事実も認められない。 <裁定の概要> 裁定審査会では、申立人および保険会社提出の書類等に基づき検討した結果、下記のとおり、申立人の主張を認めることは出来ず、生命保険相談所規程第44条により、裁定書にその理由を明らかにして裁定手続きを終了した。 1.告知義務違反による申立契約解除が、有効であるか否かについて (1)申立人は、告知日(平成20年2月)の約7ヶ月前である19年7月に行われた健康診断で、「境界域高血圧 経過観察、尿蛋白(+)要再検査」と指摘され、告知日の約1ヶ月前である20年1月の健康診断でも「高血圧 要受診、尿蛋白 要再検査」との指摘を受けており、告知書における当該質問項目に対し、申立人は、その回答は、本来「指摘なし」ではなく、「指摘あり」を丸で囲むべきであった。 (2)高血圧及び尿蛋白に関する事実は、被保険者の健康状態を示す重要な指標であって、告知義務違反の対象となる重要な事実と言える。そして、申立人が、2回目に健康診断での検査を受けたのが告知日の約1ヶ月余り前であって、その半年前にも指摘を受けていることから、健康診断で高血圧と尿蛋白の異常を指摘されたことは、告知書作成時に、申立人において、通常認識していたと考えられる。もし、そうでなかったとしても、少し考えれば容易に思い出すことが可能な事実であり、告知書にこの事実を記載しなかったことは、少なくとも申立人において「重大な過失」(注)があったとの判断を免れない。 (注)重大な過失とは、通常人に要求される程度の相当な注意をしないでも、わずかな注意をすればたやすく結果を予見することができた場合であるのに漫然と見過ごしたような著しい注意欠如があることを言う。 (3)告知義務違反があった場合であっても、募集人において、告知妨害や不告知や不実告知を勧めた事実があるときは、衡平の観点から、保険会社の解除権の行使は、信義則上許されないと解すべきだが、募集人の行為が結果的に告知義務違反に寄与していないのであれば、解除により保険金請求権が消滅したとしても衡平を失しないと解されるので、保険会社に告知義務違反による解除を認めても差し支えないと考えられる。本件の申立人の主張及び一件記録を検討しても、少なくとも、申立人が告知書の回答をするにあたり、帝王切開に関する不告知教唆が、申立人の回答内容に影響を与えているとの事実は認められない。よって、帝王切開に関する不告知教唆と申立人の告知義務違反との間に因果関係は認められず、帝王切開に関する不告知教唆は、保険会社の告知義務違反による解除を妨げる事情とはなり得ないと解すべきである。 2.入院給付金について (1)本件において、申立人の発病した左副腎腫瘍(クッシング症候群)と、申立人が告知しなかった事実(高血圧、尿蛋白)との間に相当因果関係がないと証明されるかの点が問題となるが、この点につき、生命保険協会「保険金等の支払いを適切に行うための対応に関するガイドライン」の中で、「因果関係の有無の判断基準については、保険事故と不告知の事実との間に因果関係が全くないことを必要とし、その間の因果関係を認める余地があるのであれば因果関係がないとはいえないとする理解が判例では定着しており、実務もこれにしたがって運用することが妥当である。」と規定している。 (2)医学文献等によれば、「高血圧」は、左副腎腫瘍(クッシング症候群)の症状であるコルチゾール過剰によって発生したものであり、「尿蛋白」は、高血圧による糸球体障害の原因により出現したものである可能性があると推認できる。よって、左副腎腫瘍(クッシング症候群)と告知義務違反の対象である高血圧・尿蛋白との間には、因果関係を認めうる余地があり、保険会社の入院給付金の支払拒絶は不当ではない。 以上です。 人気ランキングは、8月31日0:00現在で13位…下がって しまいました。皆様のワンクリックをお待ちしております。![]() 人気ブログランキングへ ![]() マネポケランキングは、現在49位…下がって しまいました。皆様のワンクリックをお待ちしております。![]() マネポケ金融投資ブログランキング! |
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