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zoom RSS 死亡保険金の支払を巡る裁定事案。

<<   作成日時 : 2011/08/24 19:42   >>

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生命保険協会が取りまとめた、平成23年4〜6月の苦情受付状況(ボイスリポートNo.23)に、死亡保険金の支払いを巡る裁定事案がありました。

リポートによりますと、事案の概要と申立人の主張は以下のとおりです。

<事案の概要>
 既存契約を解約して新しく契約した際に不利益事項についての説明がなかった等と主張して、新契約を無効とし旧契約による死亡保険金の支払いを求め申し立てがあったもの。

<申立人の主張>
 夫(契約者兼被保険者)は、平成21年5月にそれまで加入していた保険を解約して新たにドル建て終身保険に加入し、その直後の同年7月に自殺した。

 そこで死亡保険金を相手会社に請求したところ、自殺免責期間中の自殺として不支払いとなったが、新契約への加入時に下記のとおり問題があり、不支払いには納得できない。新しい契約を無効として、解約した前の契約に基づいて死亡保険金を支払って欲しい。

(1)強制的に契約させられて、前の契約を解約させられた。

(2)前契約の解約および新契約時に不利益となる事柄について説明をされなかった。説明されていたら、解約せず解約返戻金を受け取らなかった。

(3)夫はパニック障害で病院に通院し薬を服用していて、判断力・思考力がなくなっていたところ、募集人が申込書を書かないと帰らないという態度で家に居座り強制的に契約乗換えをさせられた。

(4)新契約の際に何の説明もなく、告知の時には告知の書類を持ってきて説明しないまま署名・捺印してと渡された。

…この事案は既に裁定が終了しています。

今回の事案は「お気の毒です」としか言い様がないと思います。結果論ですが、旧契約をそのまま継続していれば、死亡保険金は支払われたものと思われます。

さて、今回の事案で1つ気になる点があります。それは

健康状態の告知をどうやってクリアしたの?

ということです。

なぜそのような疑問を持ったかと申しますと、事案の内容を読む限り、自殺した申立人の夫が契約したのは、通常の告知を要するドル建て終身保険だったようですが、そうなると、病名を告知した段階で謝絶になる可能性が極めて高いからです。

ん〜どういうことなのでしょうか?

【事案の内容】

以下、裁定事案の内容です(ボイスリポートNo.23・P49〜51より転載)。

[事案22-96] 契約無効・解約無効請求
・平成23年6月29日 裁定終了

<事案の概要>
 既存契約を解約して新しく契約した際に不利益事項についての説明がなかった等と主張して、新契約を無効とし旧契約による死亡保険金の支払いを求め申し立てがあったもの。

<申立人の主張>
 夫(契約者兼被保険者)は、平成21年5月にそれまで加入していた保険を解約して新たにドル建て終身保険に加入し、その直後の同年7月に自殺した。

 そこで死亡保険金を相手会社に請求したところ、自殺免責期間中の自殺として不支払いとなったが、新契約への加入時に下記のとおり問題があり、不支払いには納得できない。新しい契約を無効として、解約した前の契約に基づいて死亡保険金を支払って欲しい。

(1)強制的に契約させられて、前の契約を解約させられた。

(2)前契約の解約および新契約時に不利益となる事柄について説明をされなかった。説明されていたら、解約せず解約返戻金を受け取らなかった。

(3)夫はパニック障害で病院に通院し薬を服用していて、判断力・思考力がなくなっていたところ、募集人が申込書を書かないと帰らないという態度で家に居座り強制的に契約乗換えをさせられた。

(4)新契約の際に何の説明もなく、告知の時には告知の書類を持ってきて説明しないまま署名・捺印してと渡された。

<保険会社の主張>
 下記理由により、申立人の請求に応ずることはできない。

(1)前契約の解約および申立契約締結の手続は、契約者の意思に基づいてなされたものであり、有効である。

(2)前契約の解約および新契約の手続き時に、解約する契約と新たに申し込む契約はそれぞれ別の契約であるとの説明を行った上で、不利益事項を記載した「ご契約のしおり 約款」を交付しており、不利益事項の説明を書面にて行っている。

(3)告知は被保険者が義務を負っている事項であり、告知時の説明が尽くされていないことを理由として、前契約の解約および新契約の無効を主張することはできない。

<裁定の概要>
 裁定審査会では、申立人の主張を消費者契約法第4条2項(不利益事実の不告知)に基づく取り消し、民法第95 条(錯誤)による無効、消費者契約法4条3項1号(不退去)に基づく取り消し、および民法1条(信義則)ないし90条(公序良俗)違反による無効の主張であると解し、申立書、答弁書等の書面および申立人、募集人からの事情聴取の内容にもとづき審理した。

 審理の結果、下記のとおり、契約を無効ないし取り消しうるものとする理由がなく、申立内容は認めることはできないことから、指定(外国)生命保険業務紛争解決機関「業務規程」第37条にもとづき、裁定書をもってその理由を明らかにして裁定手続きを終了した。

(1)消費者契約法第4 条2項に基づく取消しについて
 通常、保険に加入する際に、3年以内に自殺をすることを前提として加入する者はいないと考えられ、自殺免責に関する約款規定は、消費者の契約を締結するか否かの判断に通常影響を及ぼすべきものとは考えられない。よって、募集人が自殺免責に関する事実を契約者に告げなかったとしても、消費者契約法第4条2項には該当せず、同法に基づく取り消しを行うことはできない。

(2)錯誤(民法95条)に基づく無効について
 通常、保険に加入する際に、自殺をしたら保険金が支払われるか否かを問題にして加入するとは考えられず、申立人の夫に錯誤があったとは考えられない。

(3)消費者契約法4条3項1号に基づく取消し、民法1条ないし90条に基づく無効について
 申立人の事情聴取によっても、申立人の夫が、契約時、薬の効力により判断力・思考力が低下している状態であったとの事実は認められない。また、強制的に申立契約に加入させられたとの事実や、募集人に退去を申し入れても帰宅しなかったとの事実は認められず、1〜2時間の滞在は、契約の説明時間や必要書面の作成時間を考えると格別長時間とは考えられない。よって、申立契約の募集行為が、信義則や公序良俗に反する主張および消費者契約法第4条3項1号に違反するとの主張は認められない。


以上です。

画像
↑、庭先の万年草にやってきたハナアブです(5月下旬に撮影)。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
お邪魔します。
ん〜、謎が残る内容ですね。通常であれば、そもそも契約できる筈がないのに。
自分だったら、後々厄介な事になりそうな相手には話をしませんが。
裁定とは別に、追跡が必要かもしれませんね。
サスペンスかも・・・
ステルビオ
2011/08/24 21:34
ステルビオさん、こんばんは。
一番コメントありがとうございます
そうなんですよね。普通であれば謝絶となるはずです。告知をクリアするには、被保険者か募集人のどちらかが告知で不正をしなくてはなりません。

ん〜…サスペンスですね。
現役保険営業マン
2011/08/24 22:02
こんにちは。

本当に不思議な、そしてお気の毒な事案と言わざせるを得ないですね。詳しい内容は分からないですが。

このシリーズは毎回勉強になります。
ありがとうございます。
佐藤
URL
2011/08/26 15:46
佐藤さん、こんばんは。
コメントありがとうございます
佐藤さんもそう思われますか。本当に不思議なんですよね。通常は告知の段階で謝絶になる案件なんですが…謎が残りますね。

ありがとうございます。そうおっしゃっていただくと取り上げる甲斐があります。
現役保険営業マン
2011/08/26 18:17

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