現役保険営業マンの「生命保険徒然日記」

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zoom RSS 障害給付金の支払いを巡る裁定事案。

<<   作成日時 : 2011/12/20 23:45   >>

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生命保険協会が取りまとめた、平成23年7〜9月の苦情受付状況(ボイスリポートNo.24)に、障害給付金の支払いを巡る裁定事案がありました。

リポートによりますと、事案の概要と申立人の主張は以下のとおりです。

<事案の概要>
 傷害特約に基づく障害給付金を請求したが、保険会社から支払われないことを不服として、申立てがあったもの。

<申立人の主張>
 妻が脳梗塞で高度傷害状態となり支払請求をした。保険証券には、高度傷害状態のときは、主契約保険金と傷害特約の金額が支払われる旨が記載されているが、主契約の高度傷害保険金は支払われたが、保険証券の記載は誤記であり、約款の定めとは異なっているなどとして、傷害特約の保険金が支払われない。保険証券に記載されたとおりの支払いを請求する。

…この事案は既に裁定が終了しています。

傷害により障害状態になったものの、支払うべきケースに該当しないとの決定がなされたことに不服を申し立てたケースなどは見かけますが、約款に記載された誤りのとおりに支払ってほしい、という申立てを見たのは初めてです。

こう申しますと冷たい人間と思われるかもしれませんが、保険金や給付金は「約款に定められたとおりに支払う」ものです。

申立人の主張は、残念ながら傷害特約から給付金を支払うべきケースには当てはまりません。そのため、保険会社は給付金を支払うことはできないのです。

【事案の内容】

以下、裁定事案の内容です(ボイスリポートNo.24・P38〜40より転載)。

[事案22-160] 障害給付金請求
・平成23年7月27日 裁定終了

<事案の概要>
 傷害特約に基づく障害給付金を請求したが、保険会社から支払われないことを不服として、申立てがあったもの。

<申立人の主張>
 妻が脳梗塞で高度傷害状態となり支払請求をした。保険証券には、高度傷害状態のときは、主契約保険金と傷害特約の金額が支払われる旨が記載されているが、主契約の高度傷害保険金は支払われたが、保険証券の記載は誤記であり、約款の定めとは異なっているなどとして、傷害特約の保険金が支払われない。保険証券に記載されたとおりの支払いを請求する。

<保険会社の主張>
 保険証券の記載は明らかな誤記であることは認めるが、約款に反する取扱いはできない。被保険者の状態は、障害特約約款の支払事由には該当しないので、支払いには応じられない。

<裁定の概要>
 裁定審査会では、申立人および保険会社から提出された書面にもとづき審理した結果、下記のとおり、本件申立内容を認める理由はないことから、指定(外国)生命保険業務紛争解決機関「業務規程」第37条にもとづき、裁定書をもってその理由を明らかにして裁定手続きを終了した。

1.前提事実
 (1)申立人の亡妻は、保険会社Aとの間で、平成8年に申立契約を締結した。

 (2)保険会社Aが亡妻に交付した保険証券の「保障内容」の欄には、『(1)主契約保険金100万円 (2)傷害特約100 万円 (注)不慮の事故又は高度傷害のときは、[(1)+(2)]の金額をお支払いします。』と記載されている。

 (3)保険会社Aの保険契約は、平成13年に、相手方保険会社Bに移転した。

 (4)亡妻は、平成18年に、疾病を原因として、申立契約の約款所定の高度障害状態に該当するに至り、平成19年に、保険会社Bは亡妻に、申立契約の主契約に基づき高度障害保険金100万円を支払った。

 (5)亡妻は、平成19年に死亡した。申立人は相続人の一人となった。

2.傷害特約の約款の規定
 申立人は、傷害特約により支払われる障害給付金を請求するものだが、約款では、障害給付金は「被保険者がその被保険者の責任開始期以後に発生した不慮の事故による傷害を直接の原因として、その事故の日からその日を含めて180日以内で、かつ、この特約の保険期間中に別表2に定める給付割合表に定めるいずれかの身体障害の状態に該当したとき」に支払われると規定されている。亡妻の高度障害状態は、疾病を原因とするものであり、不慮の事故による傷害を原因とする場合に該当せず、約款が規定する障害給付金の支払事由に該当しない。

3.本件の争点
 保険証券の記載内容が約款と異なる場合に、保険証券の記載内容に従った権利が認められるかが本件の争点となる。保険契約は、いわゆる附合契約【注】で、約款の記載に従って契約内容が定められる。本件においても、約款の記載が前記内容である以上、本件保険証券の記載は誤記と認められ、保険証券の記載に従った申立人の請求は認められないと言わざるを得ない。

4.申立人の主張について
 (1)保険証券は「証拠証券」であり、契約を巡る争いが生じた場合には、有力な証拠になると主張する。

 この主張については、争いがないと思われるが、相手方保険会社において保険証券に記載された内容が真実に反することを立証した場合には、保険証券の記載に従った内容を認めることはできず、本件では、約款の記載と明らかに異なるので、本件保険証券に記載された内容が真実に反することの立証がなされたものと認められる。

 (2)生命保険契約は契約であるから、申込と承諾によって成立し、実際には保険契約者は申込書を交付して申し込み、保険会社は保険証券を発送して承諾すると主張する。

 しかし、申込は、約款の記載に従った内容で行われており、約款と異なる内容の保険証券の交付がされたからといって、申込内容と異なる保険契約が成立することはない。

5.以上が当審査会の判断だが、消費者にとって、保険契約のよりどころは保険証券であるので、申立人において、証券に記載された内容の保障を求めることはよく理解でき、また、消費者に誤解を生じさせる証券を交付することは、あってはならない。

 しかし、本件では、証券に記載された内容の保障を求めることは、法律的にはできない。消費者に誤解を生じさせる証券を交付したことの責任を考えるにしても、本件では、証券を交付したのは相手方保険会社Bではなく、保険会社Aであり、この点について、相手方保険会社Bの責任を問うこともできないと言わざるを得ない。

 【注】附合契約とは、大量かつ定型的取引において、契約当事者の一方が予め定めた契約条項(普通契約約款)を、相手方が包括的に承認することによって成立する契約のことです。相手方は約款の各条項の内容を具体的に知らなくても約款に拘束されると解されています。


以上です。

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↑、1枚目は水田の稲の葉で眠るヒメジャノメ。2枚目は道路わきの草むらから姿を現したクルマバッタモドキの成虫です(7月下旬に撮影)。

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