現役保険営業マンの「生命保険徒然日記」

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zoom RSS 特定疾病保険金の支払いを巡る裁定事案。

<<   作成日時 : 2012/06/21 19:59   >>

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生命保険協会が取りまとめた、平成24年1〜3月の苦情受付状況(ボイスリポートNo.26)に、特定疾病保険金の支払いを巡る裁定事案がありました。

リポートによりますと、事案の概要と申立人の主張は以下のとおりです。

<事案の概要>
 乳がんについての不担保規定に基づく、特定疾病保険金等の不支払いおよび保険料払込免除の非適用について納得できないとして申立てがあったもの。

<申立人の主張>
 平成21年7月を責任開始として契約した申立契約に基づき、特定疾病保険金等の支払い及び保険料払込の免除をしてほしい。

(1)主位的請求
 平成21年10月に受診したA病院で左乳房に主要が発見され、平成21年12月にはB病院で、「浸潤生乳管癌、硬癌」と診断確定され、翌年1月に左乳房部分切除術を受けた。この腫瘍(腫瘍1)は、申立契約の責任開始日から90日経過後に診断確定されたものであり、支払事由に該当する。約款の90日不担保規定が適用されるには、90日以内の「罹患」のみならず、90日以内の「診断確定」が必要であり、この腫瘍が、仮に責任開始期以後90日以内に罹患したものであったとしても、免責事由に該当しない。

(2)予備的請求
 手術の際に、多発浸潤癌が発見され、平成22年1月に「浸潤性乳管癌、硬癌」と診断確定された腫瘍(腫瘍2)があり、これは、責任開始期以後90日経過後に、新たに乳房の悪性新生物に罹患した場合にあたり、支払事由等に該当する。

…この事案は既に裁定不調として裁定手続きが終了しています(申立人が和解案を受諾しなかったため)。

今回の事案は、約款に設けられている不担保規定の文理解釈が1つの焦点となっています。<裁定の概要>によりますと、

「特定疾病保険金の支払事由に該当した場合でも、この特約の責任開始期の属する日からその日を含めて90日以内に乳房の悪性新生物…に罹患し、医師により診断確定されたときは、特定疾病保険金を支払いません」

と規定されている支払の免責事由(お支払できないケース)は、句読点の位置から文理解釈すれば「90日以内」という文言は、「罹患」にのみかかり、「診断確定」にはかからないそうです。

つまり、今回の事案は不担保規定が適用されるため、申立人は特定疾病保険金を受け取ることができないというわけです。

では、もし約款の不担保規定の「、」が「罹患し」の後ろになかったらどうなっていたのでしょうか?句読点の位置から文理解釈すれば「90日以内」という文言は「診断確定」にかかることになり、申立人の主張が通ることになるのでしょうか?

某生保の約款に設けられている不担保規定には「、」が「罹患し」の後ろにないので、とても気になります。

【事案の内容】

以下、裁定事案の内容です(ボイスリポートNo.26・P8〜10より転載)。

[事案22-99] 特定疾病保険金支払請求
・平成24年3月23日 裁定不調

<事案の概要>
 乳がんについての不担保規定に基づく、特定疾病保険金等の不支払いおよび保険料払込免除の非適用について納得できないとして申立てがあったもの。

<申立人の主張>
 平成21年7月を責任開始として契約した申立契約に基づき、特定疾病保険金等の支払い及び保険料払込の免除をしてほしい。

(1)主位的請求
 平成21年10月に受診したA病院で左乳房に主要が発見され、平成21年12月にはB病院で、「浸潤生乳管癌、硬癌」と診断確定され、翌年1月に左乳房部分切除術を受けた。この腫瘍(腫瘍1)は、申立契約の責任開始日から90日経過後に診断確定されたものであり、支払事由に該当する。約款の90日不担保規定が適用されるには、90日以内の「罹患」のみならず、90日以内の「診断確定」が必要であり、この腫瘍が、仮に責任開始期以後90日以内に罹患したものであったとしても、免責事由に該当しない。

(2)予備的請求
 手術の際に、多発浸潤癌が発見され、平成22年1月に「浸潤性乳管癌、硬癌」と診断確定された腫瘍(腫瘍2)があり、これは、責任開始期以後90日経過後に、新たに乳房の悪性新生物に罹患した場合にあたり、支払事由等に該当する。

<保険会社の主張>
 以下の理由から、申立人の請求には応ずることはできない。

(1)主位的請求に対して
 腫瘍1は、遅くともA病院でその存在が確認された時点で罹患していたものであるから、責任開始期以後90日以内に罹患したものであり、支払対象にならない。また、約款の90日不担保規定は、90日以内に罹患したものであれば、診断確定が90日経過後であっても適用される。

(2)予備的請求に対して
 腫瘍2は、腫瘍1が伸展・浸潤した結果生じたものであるから、両者は同一の癌であり、新たに悪性新生物に罹患した場合にあたらない。

<裁定の概要>
 裁定審査会では当事者から提出された書類等に基づき審理した。審理の結果、以下のとおり、90日不担保規定の合理性は認められ、約款を文理解釈すれば、「90日以内に」という文言は「罹患」にのみかかり、「診断確定」にはかからず、申立人の請求は認められない。一方、一般の消費者は、「90日以内に」の文言を「診断確定」にまでかけて読んでしまい、誤解を抱く余地がないとはいえないことから、本件は、和解により解決するのが相当であると判断し、和解案の受諾勧告を行ったが、申立人から和解案を受諾しないとの回答があったため、指定(外国)生命保険業務紛争解決機関「業務規程」第38条2項にもとづき裁定不調として裁定手続を終了した。

1.特定疾病保険金について
 (1)主位的請求について
 ア.約款には、特定疾病保険金の支払事由について、「被保険者が責任開始期以後、保険期間中に、生まれて初めて悪性新生物に罹患し、医師により病理組織学的所見(生検)によって診断確定されたとき」と規定し、また、乳房の悪性新生物については、支払の免責事由として、「特定疾病保険金の支払事由に該当した場合でも、この特約の責任開始期の属する日からその日を含めて90日以内に乳房の悪性新生物…に罹患し、医師により診断確定されたときは、特定疾病保険金を支払いません」と規定している(以下「90 日不担保規定」という)。

 イ.特定疾病保険金の支払対象となる事故は、悪性新生物の罹患であるといえ、罹患の事実を、病理組織学的所見による診断確定により判断することとしている。これに対し、90日不担保規定は、乳房を患部とする悪性新生物の場合、保険金取得目的での保険契約の締結の危険を排除する趣旨で設けられたものと解され、保険金の支払対象となる事故か否かは、罹患という客観的状態を基準に判断すべきであり、診断確定の時期は問題にならないと解すべきといえる。このことは、同規定の文言について、句読点の位置から文理解釈すれば、「90日以内に」という文言は「罹患」にのみかかり、「診断確定」にかからないことからも窺える。(裁判例においても同様の判断がなされている。)

 ウ.申立人は、遅くとも、申立契約の責任開始期から90日以内である平成21年10月時点で、すでに腫瘍1に罹患していたと認められるので、90日不担保規定の適用により、保険会社は特定疾病保険金の支払義務は負わないといえる。

 エ.申立人の他の主張について検討する。
 @申立人は、受診日以前に、悪性新生物に罹患していたとの証拠はないと主張する。しかし、罹患とは悪性新生物の発生をもって足り、罹患の有無は事後的、客観的に判断される。そして、受診日においてA病院の医師が作成した紹介状には、「左乳房腫瘍」と記載されていることから、腫瘍が存在していたことが認められる。その後、B病院での検査の結果、悪性新生物と判断されており、受診日以前に悪性新生物に罹患していたと認めるのが相当といえる。

 A生命保険協会の「保険金等の支払いを適切に行うための対応に関するガイドライン」によると、90日不担保規定と類似する契約前発病不担保条項の適用に際し、被保険者の内心の意思を取り込むことを認めているとし、本件においては、申立契約前に、申立人に乳癌に対する自覚または認識がなかったとして、保険金の支払いが認められるべきであると主張する。

 しかし、上記ガイドラインは、90日不担保規定を想定したものではなく、本件において適用はない。

 (2)予備的請求について
 ア.約款によれば、「ただし、その後(乳房の悪性新生物については責任開始期の属する日からその日を含めて90 日経過後)、保険期間中に、被保険者が新たに悪性新生物に罹患し、医師により診断確定されたときは、特定疾病保険金を支払います」と規定しており、90日不担保規定の適用がある場合であっても、その後新たに悪性新生物に罹患した場合には、支払われる旨が規定されている。

 イ.申立人が手術を受けた病院の医師は、腫瘍1と腫瘍2が同一の病変であると回答しているが、本件証拠によれば、腫瘍1と腫瘍2の発生場所は同一部位であること、腫瘍1と腫瘍2は、いずれも「浸潤性導管癌 硬癌」で、組織型が一致していることが認められ、これらの事実は、医師の回答に則している。従って、腫瘍2は腫瘍1が乳腺に沿って伸展、浸潤した結果生じたものと認めるのが相当といえる。

2.保険料払込免除について
 本件の争点に限れば、保険料払込免除が認められるのは、特定疾病保険金の支払いが認められる時であるので、本件においては、保険料払込免除は認められない。


以上です。

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↑先月撮影した蝶です。

1枚目はアオスジアゲハ。川岸の湿った場所で水を飲んでいます。2枚目はモンシロチョウ。3枚目はモンキチョウ―です。

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