現役保険営業マンの「生命保険徒然日記」

アクセスカウンタ

zoom RSS 学資保険の改定と新規業務を目指す郵政にとって、金融庁の存在は誤算となるのか?

<<   作成日時 : 2012/11/21 22:09   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

11月19日の日本経済新聞・朝刊が、現在、郵政民営化委員会において審議中であるかんぽ生命の学資保険と、ゆうちょ銀行の新規事業について次のように報じました。

【郵政の新規事業に壁】
 日本郵政の新規業務をめぐり、金融庁が慎重な姿勢を強めている。政府の郵政民営化委員会は当初、15日にかんぽ生命に新たな学資保険を認める方針だった。だが、金融庁の慎重論を受け、結論を22日に持ち越した。郵政傘下の保険会社や銀行の新規業務を最終的に認可する権限は金融庁と総務省にある。金融機関としての郵政の不備を問題視しており、郵政にとっては大きな壁となりそうだ。

 「見通しが甘かったことは反省している」。民営化委の西室泰三委員長は15日、こう心情を吐露した。西室氏は郵政の新規業務を認めるのに前向きだった。だが、かんぽ生命の不祥事を十分に把握しておらず、この点を「甘かった」と悔いたようだ。

 かんぽ生命は13日に保険金の支払い漏れを公表した。2007年10月の民営化後に、約10万件の契約で保険金が本来よりも少なく支払われていた。

 金融庁はかんぽ生命の支払い漏れを春先の立ち入り検査でつかみ、2回の報告命令を出していた。同庁幹部が9日にかんぽ生命の首脳を呼び、15日より前のタイミングで結果公表を暗に求めたとされる。かんぽ生命が支払い漏れで行政処分を受ければ、新規事業の認可はさらに遠のく。

 郵政傘下のゆうちょ銀行も住宅ローンや法人融資などの新規業務を検討している。金融庁は「部門ごとの収益目標のはじき方が丼勘定で銀行の体をなしていない」などとして、この認可にも慎重だ。業容拡大を狙う郵政にとって、監督官庁の金融庁の存在が大きな誤算になりそうだ。

【管理人の感想】
金融庁が定期的にHPにUPする「記者会見の概要」や、郵政民営化委員会の過去の「議事要旨」を見た限り、今回の記事は記者、もしくは日経の脳内変換が行われているためか、食い違っているなぁと感じました。

1.保険金の支払い漏れを金融庁は把握していた?
日経は、金融庁が春先の立ち入り検査で、支払い漏れ(今月13日に報道された保険金の請求案内及び予想される追加支払い)を掴んでいた、というような報道をしています。

しかし、郵政民営化委員会が16日にHP上にUPした、第90回郵政民営化委員会・配布資料の1つ、「保険金請求案内等に関するお客様対応の実施について」(かんぽ生命・PDF)には、

【保険金の請求案内等に関するお客様対応】
(1)請求案内について

 ■請求案内とは、ご請求いただいた保険金以外に、ご請求時にお客さまからいただいた書類(診断書等)の記載内容から、別の保険金がお支払いできる可能性を窺える記載がある場合に、お客さまにご案内する取り組み

(2)11月13日報道発表の概要
 ■本年7月以降、他社生保の取組み等を参考にしつつ、これまでの請求案内の範囲を拡充するなどの取組みを実施

 ―死亡診断書から死亡前の入院の可能性を窺える記載があるものの対象範囲の拡充 (死亡保険金のご請求書類から、入院保険金の請求案内を行うもの)

 ―入院事情書に添付された病院の領収書から手術を受けている可能性を窺える記載があるものを対象に追加 (入院保険金のご請求書類から、手術保険金の請求案内を行うもの) ほか

 ■過去にご請求いただいたお客さまについて、現在のご案内水準に照らしてより丁寧に請求案内すべき事案があるか検証

 ―民営化(平成19年10月)以降5年間にご請求いただいた事案(約1700万件)を検証

 ―予想される追加支払は、約10万件程度(検証対象の0.6%程度)、約100億円と想定 (お客様の請求のご意向等によるもの)

 ■検証作業後順次、お客さまへの案内を実施
 ―平成24年12月から案内を送付し、平成24年度以内を目処に可能な限り迅速に実施

―とあります(上記配布資料より抜粋・転載)。

また、金融庁のHPにUPされた中塚内閣府特命担当大臣の記者会見の概要(平成24年11月16日)によりますと、金融庁が保険業法第128条(報告または資料の提出)に基づき、報告を求めたのは9月で、10月にかんぽ生命から第1回の報告が提出されています。

日経の記事は、配布資料の記載事実及び大臣の発言とずいぶん食い違っていますね。

2.金融庁は本当に「部門ごとの収益目標のはじき方が丼勘定で銀行の体をなしていない」と指摘したのか?
ゆうちょ銀行が申請している新規業務について、日経は金融庁が「部門ごとの収益目標のはじき方が丼勘定で銀行の体をなしていない」と指摘したかのような報道をしています。

これが11月15日に行われた、郵政民営化委員会(第90回)議事におけるものなのか、それとも10月12日に行われた第86回議事におけるものかは不明です。

しかし、第86回議事要旨(PDF)のP4〜6に記載されている、【審査状況の説明の概要】(金融庁)にはそのような指摘はありません。

※11/22追記:本日郵政民営化委員会のHPにUPされた、第90回の議事要旨(PDF)にもそのような指摘はありませんでした。したがって、日経が創作した疑いが非常に強いですね。

学資保険の改定も含めて、金融庁は以下のように述べています。

< ・新規業務については、郵政民営化法上の認可手続と銀行法に基づく承認又は保険業法上の認可という2種類の手続きを経る必要。このうち、郵政民営化法上の認可手続としては、金融2社と他の金融機関等との適正な競争関係、利用者への役務の適切な提供を阻害するおそれがない場合に認可することとされている。このうち、利用者への役務の適切な提供は、銀行法・保険業法による承認・認可と共通する視点に基づくものとなっており、審査にあたっては、一般の民間金融機関等から申請があった場合と同じ目線で審査をしている。

 ・民営化法上の審査について考慮する項目として、金融2社の株式の保有割合等が競争関係上問題となるのは、規模の巨大さと相まって、万一の場合の国の関与に対する市場や利用者の期待が有利性やゆがみをもたらし、ひいては金融システム全体に悪影響を与えかねないことによる。従って、新規業務は株式保有割合の削減度合に応じて認めて行くことが適当であり、その前提として株式売却スケジュールを確認する必要。

 ・また、新規業務が中長期的なビジネスモデルの中で適切に位置付けられ、確実に運営されていく必要があるため、その前提として、新規業務とビジネスモデルとの整合性がとれているのか確認していく。これは、他の金融機関等と新規業務を議論する際にも、必ず踏まれる手順である。

 ・株式処分スケジュールと中長期的なビジネスモデルの考え方を日本郵政と金融2社に求めているが、まだ回答を得られていない。そうはいっても、申請は出ているため、ひとまず具体的な審査を進めつつ、これらについても並行して議論を続けることとしている。

 ・収益管理については、ゆうちょ銀行の場合、これまで集めた貯金を満期保有国債で運用するというポートフォリオでの資産・収益管理を基本としている。今回の貸付け業務を開始するに当たり、巨額のポートフォリオと一体で収益を管理することとなると、新規事業の収益分析を的確に行えないほか、貸付けの費用が正確に認識できず、販売価格が原価をカバーしない低レベルに設定されるといった経済合理性のない判断が行われかねない。

 ・かんぽ生命の学資保険については現在の4種類の商品を20種類に衣替えし、一時払いや保険料率を引き下げ、未加入者の獲得や既加入者への重ね売りにつなげたいとしているため、その販売計画を確認している。かんぽ生命の説明では他社のシェアを奪うものではなく、学資保険そのものの未加入者を掘り起こすことですべての販売増を吸収するとするなど、粗い前提であり、適正な競争関係についての判断材料が提供された状況にはない。


 ・利用者への役務の適切な提供の観点から、業務の基本となる金融2社のシステム整備についての検証を行う。全ての金融機関にとって、システムは業務の運営や顧客との関係の基盤となる最も重要なインフラであり、また、システムがダウンした場合に、利用者等に与える影響は極めて大きい。金融2社は、全国2万4千の郵便局等とつながる巨大なシステムを運営しており、新規業務をシステム化する際には、既存システムとの接続等、システム全体の安定性をチェックする必要。

 ・こうした中、ゆうちょ銀行は貸付業務は初めてであり、今までのシステムに貸付業務のシステムを接続することになるが、新規システム自体の構築や他の内外のシステムとの接続に問題がないか確認していく。かんぽ生命についても約9年ぶりの基本契約の改定になるため、現在のシステム管理が適切に行われているか、現行システムと新商品のシステムが問題なく接続できるか等を確認する。

 ・審査・与信管理について、住宅ローンの場合、当面、従来どおりスルガ銀行と共同で設立した会社で審査を行うこととしているが、当社の業務はスルガ銀行の社員がメインで行っており、今後はどのように対応するのか、また一定の期間経過後にデフォルト率のピークを迎えるという住宅ローンのデフォルト率等の特徴を勘案したリスク管理ができているか確認する。カードローン、目的別ローンについては、小口かつ極めて多様な債務者の資金需要を対象とし、また、無担保の場合も多いと考えられるが、販売方針について「住宅ローン販売時に、いざというときのお守り代わりとして販売する。」といった漠然とした説明しか行われていない。シンジケートローンについては、今までは他行がアレンジした貸付けに、ゆうちょ銀行はお金を出すだけであったが、相対で貸す場合、潜在顧客への営業から始まり、信用力の審査、コンサルティング機能の提供、与信管理、経営悪化時の経営指導・追加支援及び債権回収、更には再生支援等、非常に手間のかかる業務である。大企業であってもリスクは存在しており、中小企業向けは、更に難しく、いずれにせよ相応の体制整備は必要である。スコアリングモデルの活用も検討しているが、それだけで法人貸付けの審査を行っている銀行は他には無く、問題認識の共有を図っている。

 ・経営管理については、さきほど申し上げたとおり、国が100%間接保有している現状から、どのようなスケジュールで民間の保有する通常の株式会社に変わり、株式市場によるガバナンスを受けるのか、また、経営として中長期的なビジネスモデルをどのように考えているかが、ガバナンスの根幹に関わる重要な問題である。

 ・財務の健全性については、住宅ローンは3年後に黒字化するという計画であるが、市場全体の縮小傾向を織り込んでいないほか、営業効率を大幅に引き上げる等の楽観的な前提である。また、法人向け貸付けも、通常の金融機関ならば行う各貸付金毎の収益管理は行わないほか、これまでの参加型シンジケートローンの金額を減らすことなく、直貸しで5年後に約同額を積み上げるとの前提であり、また、新規業務全体のコストの積算を求めているが、これらが示されていないなど、より踏み込んで議論する必要。かんぽ生命の学資保険についても他社のシェアに一切影響がないという相当粗い前提であるが、財務の健全性や業務の適切性の議論の前提であり、合理的な販売計画を詰めなければならない。
 
 ・業務の適切性について、利用者への役務の適切な提供の項で述べたことと概ね重複するが、保険金支払い管理態勢については、他の保険会社において多額の不払いが発生し、社会問題となったことを踏まえ、今回の商品改定が新たな支払漏れ等を多数発生させることとならないよう、よくチェックしなければならない。

 ・法令遵守態勢、顧客説明等は、これまで申し上げた論点が明らかになったところで、今後議論していく。

 ・冒頭申し上げたとおり、一般の金融機関等から申請があった場合と同様の目線で審査を行うこととなるが、これは銀行法上の銀行であるゆうちょ銀行、保険業法上の生命保険会社であるかんぽ生命に対する監督責任を負う金融庁の責務であると考えている。郵政民営化法、銀行法、保険業法に定められたそれぞれの要件に照らし、一定の時間をかけて、しっかりと審査を行い、認可するか否かを判断してまいりたい。>


※上記議事要旨より転載。


画像


画像
↑、先月庭先で撮影したヒメアカタテハです。

1枚目は眠っているところを、2枚目は雨宿りをしているところを撮影しました。

↓11月21日22:00現在で5位…横ばい状態です。皆様のワンクリックをお待ちしております。
人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

↓現在12位…横ばい状態です。皆様のワンクリックをお待ちしております。
マネポケ金融投資ブログランキング!
マネポケ金融投資ブログランキングへ

↓11月21日22:00現在で3位…横ばい状態です。皆様のワンクリックをお待ちしております。
にほんブログ村 保険へ
にほんブログ村 その他生活ブログ 保険へ
にほんブログ村 その他生活ブログ 保険へ 人気ブログランキングへ
ブログサークル
ブログにフォーカスしたコミュニティーサービス(SNS)。同じ趣味の仲間とつながろう!
web拍手 by FC2

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文

管理人への保険相談はこちらをご利用ください

学資保険の改定と新規業務を目指す郵政にとって、金融庁の存在は誤算となるのか? 現役保険営業マンの「生命保険徒然日記」/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる