現役保険営業マンの「生命保険徒然日記」

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zoom RSS 保険募集に係る規制を再編成へ。ワーキング・グループが報告書(案)にまとめる。

<<   作成日時 : 2013/05/23 19:27   >>

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はじめに。今回UPする記事はかなりの長文となります。携帯からご覧の方はくじけそうになるかもしれません。

5月17日に、保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループが取りまとめた、「新しい保険商品・サービスおよび募集ルールのあり方について(案)」(PDF)には、生命保険と損害保険の募集における規制を再編する方針が盛り込まれています。

具体的には

@「意向把握義務」と「情報提供義務」の導入。

A法律上、「意向把握義務」を一般義務規定として規定する。

B募集文書の簡素化。

C禁止行為(法第300条第1項第1号)の見直し。

D乗合募集代理店に係る規制。


―などです。

なんだかまた新たな義務を導入する方針を盛り込みましたか…個人的には、現行の「意向確認書兼適合性確認書」を“適切に”使用すれば、十分なのではないかと思っていますが、こうしたルール作りに携わっている委員からみると、そうではないようですね^^;

現行の「意向確認書兼適合性確認書」が既に一部で形骸化していることが、募集ルール再編の一因となったようですが、個人的にはこれまでのルールの重要性が消費者サイドに浸透しておらず、「募集サイドに遵守させる」だけの状態となっていることが、形骸化した原因ではないかと考えています。

募集サイドをさらに縛り上げるのではなく、消費者サイドがルールの重要性を理解することを促して形骸化を解消すべきではないかと考えています。

【報告書(案)の記載内容】
以下、生命保険と損害保険募集に係る規制再編に関する記載内容です(報告書(案)より抜粋・転載)。

2.保険募集・販売ルールのあり方について

 2-1保険募集に係る規制の再編成について

 現行の保険業法における保険募集に係る規制は、

 @保険会社、保険募集人に対する一定の行為の禁止

 A保険会社にかかる体制整備義務

 から成り立っており、これらの法規制を根拠として契約概要及び注意喚起情報、意向確認書面の使用など、募集手続における各種の具体的義務が定められている。上記@については昭和23年に制定された保険募集の取締に関する法律から受け継がれたものであり、Aについては平成10年の金融システム改革法において導入されたものであるが、保険募集に係る新たな規律付けが必要となった場合であって、@による対応が難しいものについては、Aに基づき、保険会社に保険募集人への管理・指導を義務づけることによって対応してきており、このような基本的な構造自体は平成10年以来変わっていない。

 一方、保険募集の現場においては、銀行窓販やいわゆる来店型ショップ、インターネットによる募集が増加しつつあるなど、募集チャネルが多様化している。また、保険代理店の大型化が進展してきており、保険会社と保険募集人の関係も、大型の乗合代理店と個々の所属保険会社の関係のように、法が従来前提としていた、ある特定の保険会社が保険募集人の業務の全容を把握し、管理・指導を行うというケースに必ずしも当てはまらない場合が増えつつある。

 さらに、銀行や証券の分野においては、保険業法とは異なり、銀行法や金融商品取引法において、一定の行為の禁止や体制整備義務にとどまらず、積極的な情報提供義務(契約締結前書面交付義務等も含む。)が法定されている。

 以上のような点を踏まえれば、保険募集の規制のあり方を、販売チャネルの変化をはじめとする募集実態の変化に対応できるよう、(1)情報提供義務等、保険募集全体に通じる基本的なルールを法律で明確に定めるとともに、(2)保険会社を主な規制対象とする現行法の体系を改め、保険募集人自身も保険会社と並ぶ募集ルールの主要な遵守主体とする法体系へと移行する必要がある。こうした観点から、保険募集規制について以下の見直しを行うことが適当である。

 2-2保険募集の基本的ルールの創設
 国民が自身のニーズにあった保険を選択し、それぞれが備えるべきリスクに的確に対応することができるようにするためには、保険会社・保険募集人が顧客のニーズを的確に把握し、そのニーズにあった保険商品を勧めるとともに、その保険商品の内容等を適切に説明し、顧客が内容について理解・納得をした上で当該保険に加入することが望ましい。これを確保する観点から、保険募集について(1)顧客の意向を把握し、顧客のニーズに合った保険商品を勧め、顧客の意向にあった保険商品であることを確認した上で契約を締結する義務、(2)顧客に提示する保険商品に関する情報提供義務を導入することが適切である。

 2-2-1意向把握義務
 保険については、顧客と販売側の情報の非対称性が大きいことから、その募集に当たっては、募集人が顧客のニーズを把握し、当該ニーズに沿った商品を提案・分かりやすく説明し、顧客自身が自身のニーズに沿っているものであることを認識した上で、保険契約が締結されることをどのように確保するかが重要である。

 この点に関して、現在は、保険会社の体制整備義務に基づいて意向確認書面の使用が定められており、顧客自身が契約締結前の段階で、推奨された保険商品と自らのニーズが合致しているかについて、最終確認の機会が設けられている。しかし、昨今、当該手続については導入時に求められた効果が必ずしも十分には発揮されていない、との指摘がある。

 以上のような点を踏まえれば、保険会社及び保険募集人が保険募集を行う際に、

 「保険会社又は保険募集人は、顧客の意向を把握し、当該意向に沿った商品を提案し、当該商品について当該意向とどのように対応しているかも含めて分かりやすく説明することにより、顧客自身が自らの意向に沿っているものであることを認識した上で保険加入できるようにする必要がある。」との趣旨の義務規定を法律上設けることが適当である。

 その際、顧客の意向把握の具体的手法について画一的なものを強制することとした場合には、多様化している募集形態すべてに適合する手法を設定することの困難さから、結果として意向把握が形式化するおそれがあることや保険募集人及び顧客の双方に対して過度の負担を課すおそれがあることから、顧客ニーズを把握するための具体的な手法については、商品形態や募集形態に応じて、保険会社、保険募集人の創意工夫に委ねることとし、法律上は、上記の考え方を一般的義務規定(プリンシプル)として規定することが適当である。

 一方、当該プリンシプルを満たすための具体的な方法については、取り扱う商品や募集形態を踏まえて選択されるべきこととなるが、達成すべき目標水準を統一する観点から、「全商品・募集形態を通じて満たすべき水準」を監督指針において示すことが適当である。当該水準としては、下記(1)又は(2)で示される水準を満たすことを求めることが適当である。

 (1)保険金額や保険料を含めた当該顧客向けの個別プランを説明する前に、当該顧客の意向を把握する。その上で、当該意向に基づいた個別プランを提案し、当該商品について当該意向とどのように対応しているかも含めて説明する。その後、契約締結前の段階において顧客の最終的な意向を確認し、個別プランを提案・説明する前に把握した顧客の意向と最終的な意向を比較し、両者が相違している場合には、その相違点を確認する。

 (2)保険金額や保険料を含めた個別プランを提案する都度、保険募集人がどのような意向を推定して当該プランを設計したかの説明を行い、個別プランを提案し、当該商品について当該意向とどのように対応しているかも含めて説明する。その後、契約締結前の段階において、顧客の最終的な意向と募集人が推定してきた顧客の意向を比較し、両者が相違していないことを確認する。

 さらに、実務における対応方針を明確化する観点から、主な募集形態について、当該「プリンシプルを満たすための具体的な方法」として意向確認も含めたプロセスの例示を監督指針において、併せて設けることが適当である。

 最後に、上記のような意向把握義務が導入されることにより、募集プロセス全体における顧客の意向把握の実効性が高まることから、意向確認書面については、例えば、申込書との一体化を行うこと等により募集プロセス全体の書面の分量を減らし、@顧客の意向、A当該意向に対応した商品提案理由を記載し、B当該商品が顧客の意向に沿ったものであることの確認をすることで足りるとするなど、募集プロセス全体における文書の簡素化や分かりやすさの向上の観点から、各社の創意工夫を求めることが適当である。

 2-2-2情報提供義務
 保険募集における顧客への商品情報の提供については、法第300条において保険募集に関して保険契約者又は被保険者に対して「保険契約の契約条項のうち重要な事項を告げない行為」が禁止され、当該規定の違反は刑事罰の対象となっている。さらに、上記2-1の通り、当該禁止行為に基づき、監督指針において、「契約概要」及び「注意喚起情報」の交付義務が定められている。

 しかし、「告げない」ことが許されない重要事項の範囲が契約内容に限られていることや、不告知自体が刑事罰の対象となることから、運用が謙抑的なものとならざるを得ず、柔軟な運用が難しい等の指摘がある。さらに、保険業法において積極的な情報提供義務が規定されていないことに関して、一般には、保険よりも顧客が理解しやすいと考えられる預金等について情報提供が義務付けられていることとバランスを欠いている、との指摘もある。

 以上のような点を踏まえれば、保険業法においても保険会社及び保険募集人が保険募集を行う際に、顧客が保険加入の判断を行う際に参考となるべき、商品情報その他の情報の提供を行うことを義務付けることが適当であると考えられる。また、現在は禁止行為(重要事項の不告知)に基づき規定されている契約概要及び注意喚起情報についても、本義務に基づく情報提供を行う場合の標準的方法として位置づけ直すことが適当である。

 2-2-3募集文書の簡素化について
 保険募集の現場においては、「契約概要」や「注意喚起情報」といった法令等に基づき使用が義務づけられている文書に加えて、契約のしおり、約款、パンフレットなど、様々な文書が保険募集に際して使用されている。

 一方、「契約概要」・「注意喚起情報」(以下本項において「契約概要等」という。)については、当初は、一般的な消費者であれば理解しようとする意欲を失わない程度の情報量に限定した最低限の情報提供として、特に説明すべき重要事項を顧客に提供する趣旨で規律が設けられたが、現実には、一般的な消費者にとって理解可能な程度を越えた分量の情報が記載されていたり、募集人によっては、商品説明は契約概要等ではなくパンフレットで行っていたりするなど、情報量が増加するとともに内容が複雑になった結果、契約概要等が当初想定されていた役割を十分には果たせていない、との指摘がある。

 このような状況を踏まえ、当ワーキング・グループにおいては、生命保険・損害保険の両業界に対して、既存の契約概要等の記載項目や実際の募集プロセスにおける位置づけを検証した上で、当初、契約概要等に期待されていた役割が果たせるように、消費者が保険加入に当たって理解することが必要な真に重要な情報を掲載するという本来の目的に立って、記載内容の見直し・簡素化を行うように促した。両業界では、こうしたことも踏まえ、契約概要等の簡素化に向けて自主的な取組みを進めており、当ワーキング・グループにおいても当該検討状況の報告を受けることにより、両業界の自主的取組みとして当ワーキング・グループの問題意識に沿った検討・改善が進められていることが確認できた。簡素で分かりやすい募集文書の作成は、情報提供義務を実質化する観点から極めて重要であることから、こうした取組みの継続を期待し、今後とも分かりやすい募集文書の実現に向けた自主的な取組みを促すことが適当である。また、意向把握、意向確認など、募集プロセスのうち、商品情報提供以外の場面で用いる文書についても、同様の自主的な取組みを促すことが適当である。

 2-2-4行為規制の適用除外に係る考え方について
 現在、保険募集の際に使用が義務づけられている「契約概要」、「注意喚起情報」、「意向確認書面」については、それぞれ商品の特性や募集形態に応じて、適用除外の範囲が設けられている。これは、商品の特性、想定している顧客の属性、契約の形態によっては、そもそも、商品に係る情報提供等の詳細な手続について、法令等で一律に定めるのではなく、当事者間の合意に委ねた方がよい場合や、別個の方法を認めたほうが分かりやすい説明が期待できる場合が存在するためである。

 以上のような点を踏まえ、以下のような基本的考え方に当てはまる具体的なケースについて、法令上、必要に応じて行為規制適用除外とするなどきめ細やかな調整を行うことが適当である。

 (1)情報提供義務の一般原則は適用するものの、情報提供の際に標準的方法によることを求めないもの

 (A)情報提供義務の内容を実質化するもの

 @保険契約の内容に照らして、契約内容の個別性・特殊性が高いことから、一律の要式によるよりも各社の創意・工夫により説明を行った方が顧客にとって分かりやすい説明を行うことができる商品

 A保険料負担が少額に留まるもの
 (一般に保険商品の内容が比較的単純で顧客の理解が容易であり、一律の要式によることを強制することが過度な負担と考えられるため)

 (B)団体における自治による被保険者への情報提供等の補完を認めるもの

 B団体が形式的な保険契約者であるが、被保険者が実質的に保険料を負担している保険における被保険者に対する情報提供義務等のうち、保険契約者と被保険者の間に一定程度の密接な関係があることにより、団体内において保険契約者からの被保険者に対する必要な情報提供が行われることが期待されるもの
 (この場合には、保険契約者から被保険者に情報提供が行われることが期待できるため、保険会社や保険募集人に対して、改めて被保険者に対する情報提供等を義務づける必要はないと考えられるため)

 (2)一般原則も含めて適用除外とするもの(情報提供義務等が全く適用されないもの)

 保険契約者と被保険者が異なる保険であって、被保険者が実質的に保険料を負担しない場合や被保険者の負担が極めて少額の場合など、被保険者に対して情報提供等を求める必要性が乏しいと考えられる以下のもの。

 @被保険者が実質的にも保険料を負担しないもの(被保険者は一方的な受益者であるため)

 A保険期間が極めて短期間で、実質的に被保険者が負担する保険料が極めて少額に留まるもの(負担額が少額であり、個々の被保険者に対してまで情報提供を求める実益に乏しいため)

 B特定のサービスの利用や特定のイベントへの参加など、主たるサービス等に付随して提供されるものであって、当該サービスの利用者やイベントの参加者が自動的に被保険者となり当該サービス等に係る事故等の損害を補填するもの(特定のイベント・サービス等に付随する保険であり、また被保険者の加入に係る意思決定が行われないため、イベント・サービス等とは別に保険について説明を求める必要性が低いと考えられるため)

 (3)既存契約の更新や一部変更の場合(既存契約の契約時に既に説明されている内容については、改めて説明する必要性は低いため)

 なお、これらの考え方に当てはまる具体的なケースについて実務的に検討した結果、保険商品の特性、顧客の属性、適切な説明等が合理的に期待できる募集人以外の者の存在、等の観点からこれらの考え方に照らして、柔軟な対応をする合理性が認められ、かつ、保険募集に係る行為規制の潜脱防止等の観点から問題がないと認められる事例が認識された場合には、適用緩和・除外措置の対象として設定するとともに、これらの考え方を機械的に当てはめた場合に保険契約者等の保護に欠けるおそれのある事例が認識された場合には、適用緩和・除外措置の対象から外すことが適当である。

 2-2-5禁止行為(法第300条第1項第1号)の見直しについて
 上記のとおり、現在は法第300条第1項第1号を根拠として、監督指針において契約概要及び注意喚起情報が規定されている。そのため、同号の「重要な事項」の範囲は、契約概要及び注意喚起情報の内容をすべて包含すると整理されており、かなり広範なものと解釈されている。一方、同号に違反する行為が刑事罰の対象とされていることを踏まえれば、その適用範囲は限定的であるべき、との指摘がある。

 しかし、上記2-2-2の通り、契約概要及び注意喚起情報については、新たに導入される情報提供義務を根拠とするものに位置付け直すこととすれば、同号の「重要な事項」の範囲を広く解釈し、法第300条第1項第1号の適用範囲を広く設ける必要がなくなると考えられる。

 以上のような点を踏まえれば、法第300条第1項第1号のあり方については、例えば、虚偽の説明を行った場合に限定する、又は「重要な事項」については、「保険契約者による保険契約を締結するか否かの判断に重大な影響を及ぼす事項」に限定することなどを通じて、その適用範囲を狭めることが適当である。

 2-3保険募集人の義務
 先述のとおり、募集形態の多様化により、保険会社と保険募集人の関係も多様化しており、保険募集人独自の判断で複数保険会社商品の比較推奨販売を行ったり、募集に関連する業務の一部をアウトソーシングしたりするなど、ある特定の保険会社が保険募集人の全容を把握し、管理・指導を行うという、法が想定していたケースに必ずしも当てはまらない場合が増えつつある。このような状況を踏まえれば、保険会社に加えて、保険募集人についても、募集ルールの遵守をはじめとして、保険募集の適切性を確保するために主体的な取り組みを行うことが求められる。このような観点からは、保険募集人についても、(1)上記2-2の保険募集の基本的ルールを遵守するための体制整備を義務づけ、(2)主体的に複数保険会社の商品の比較推奨販売を行う場合の追加的義務を設けるとともに、(3)自らが行う保険募集に関して外部委託先を使用する場合には、当該外部委託先に対する管理責任を課すことが適切である。

 2-3-1保険募集人の体制整備義務
 現行の保険業法においては、保険会社に対してはいわゆる体制整備義務が課せられている一方、保険募集人はそのような義務付けの対象とはされていない。

 しかし、保険募集人の中には、いわゆる乗合代理店を中心に数百にも及ぶ店舗で保険募集を行うものなど大規模なものが出現していることに加え、上記のように情報提供義務や意向把握義務など保険募集人自身も行為規制の対象とされることから、所属保険会社等による管理・指導に加えて、保険募集人自身もその業務を適切に行うための体制を自ら整備することが必要と考えられる。

 このため、保険会社のみならず、保険募集人に対してもその業務の規模・特性に応じ、保険募集に係る業務を適切に行うための体制を整備することを義務付けることが適当である。

 2-3-2乗合代理店に係る規制について
 乗合代理店は、複数の保険会社から委託を受けて保険募集を行っている者であるが、顧客のニーズ等を踏まえて自らが取り扱う複数保険会社の商品の比較推奨販売を行うなど、保険会社からの管理・指導を前提としつつも、それに加えて自らの判断により独自の募集プロセスを構築しているものもある。そのため、当該募集活動の適切性を確保するためには、保険会社による管理・指導のみならず、乗合代理店自身が自身による体制整備を含めてより主体的に努力する必要がある。

 また、乗合代理店の中には、「公平・中立」を標榜して複数の保険会社の商品の中から、顧客のニーズを踏まえて商品を販売するものもある。一方、法令上は、保険会社から独立した立場で募集行為を行う保険仲立人とは異なり、乗合代理店はあくまでも保険会社から委託を受けて保険募集を行う者として位置付けられており、「公平・中立」な立場で募集を行うことが担保されているわけではない。

 このような複数保険会社商品の比較推奨販売について、今後とも拡大する可能性もあることから、顧客がこのような募集形態の法的性質について誤解することを防止するとともに、複数保険会社商品間の比較推奨の質の確保をすることを通じて、当該販売形態における募集活動の適切性を確保する観点から、以下の見直しを行うことが適当である。

 まず、複数保険会社間の商品比較・推奨販売を行う乗合代理店に対しては、当該商品比較・推奨の適正化を図る観点から、

 @当該乗合代理店が取り扱う商品のうち、比較可能な商品の全容を明示するとともに、

 A特定の商品を提示・推奨する際には、当該推奨理由を分かりやすく説明する

 ことを求めることが適当である。

 さらに、乗合代理店の立場等について顧客の誤認を防止する観点から、

 @乗合代理店は、法律上は保険会社側の代理店であるという自らの立場について明示することを求めるとともに、

 A保険会社の代理店としての立場を誤解させるような表示を行うことを禁止する

 ことが適当である。

 なお、保険募集人一般に対する体制整備義務は乗合代理店に対しても適用されることから、例えば、比較販売を行う乗合代理店については、個別の商品説明を適切に行うことに加えて、適切な商品比較・推奨を行うことについても体制を整備するなど、乗合代理店はそれぞれの規模や業務特性に応じた体制を整備することが求められる。

 また、追加的ルールの導入に伴い、監督の実効性を確保するため、例えば乗合数の多い代理店など一定の要件を満たす代理店には業務に関する報告書の提出を義務づける等、監督当局が乗合代理店の募集形態や販売実績等を把握するための措置を講じることが適当である。

 さらに、フランチャイズ方式を採用している場合には、顧客は当該フランチャイズの名称を使用している代理店からは一定水準のサービスを受けられることを期待するのが通常であることを踏まえれば、当該グループの名称やノウハウの管理・指導を行っている本部代理店(フランチャイザー)は自らの保険募集に係る体制を整備するのみならず、グループ名称の使用許諾やノウハウ提供を行っているその他の代理店(フランチャイジー)に対する教育・管理・指導についても、適切に行うための体制整備を求めることが適当である。

 なお、手数料の開示については、上記のような見直しを通じて、乗合代理店による保険商品の比較販売について、一定の適切な体制が整備・確保されると考えられることから、現時点において、一律にこれを求める必要はないと考えられる。ただし、比較販売手法について問題が存在するおそれがある場合などには、必要に応じて、乗合代理店に支払われる手数料の多寡によって商品の比較・推奨のプロセスが歪められていないかについて、当局の検査・監督によって検証を行うことが重要である。

 また、乗合代理店は一社専属の保険募集人に比べて保険会社による管理・指導が及びにくいことを踏まえ、保険会社によるこうした規律付けを補完する観点から、保険会社が法第283条に基づいて保険募集人が顧客に与えた損害を賠償した場合には、当該保険会社に対して当該保険募集人に対する求償権の行使を義務づけるべきではないか、との指摘があった。これについても、保険募集人一般に対して上記2-1における行為規制や体制整備義務が課せられることにより、保険募集人の法的な責任が明確になることを通じて、保険募集人への規律付けが強化されることを踏まえれば、まずはこれらの行為規制等の効果を見極めることとし、保険会社による求償権行使の義務付けの要否についてはその後に改めて検討することが適当である。

 2-3-3保険募集人の委託先管理責任について
 いわゆる保険ショップをはじめとする保険代理店の大型化に伴い、保険会社のみならず保険募集人がその業務の一部をアウトソーシングする例が増加している。

 一方、保険募集人に対しては業務委託先の管理責任が設けられておらず、業務委託先において問題が生じた場合の当該保険募集人の保険業法上の責任はあいまいなものとなっている。さらに、行政による保険募集人の業務委託先に対する報告徴求や立入検査権限も規定されていないことから、当該業務委託先において問題が発生した場合の実態把握にも限界が存在している。また、保険募集人の業務に問題があるか否かを判断するために、当該募集人が自ら行っている業務のみならず業務委託先の状況も含めた事実関係の把握が必要となる場合にも、業務委託先への報告徴求等の権限がないため、問題の全容解明が困難となる場合があり得る。

 以上のことを踏まえ、保険募集人が保険募集に関連する業務の一部について外部委託を行う場合には、当該委託先の業務運営が適切に行われているかを確認するための体制整備を求めることが適当である。また、保険募集人がこのような業務についてアウトソーシングを行っている場合には、所属保険会社等に対して、当該保険募集人が適切な委託先管理態勢を構築しているかについて、保険募集人に対する指導・管理の一環として把握・指導をすることを求めることが適当である。

 さらに、保険募集人の業務委託先において問題が発生した場合に当局による実態把握等を可能にするため、保険募集人の業務委託先に対しても、保険会社の業務委託先と同様に、当局の報告徴求及び立入検査権限を導入することが適当である。

 2-4募集規制の適用範囲等について
 保険募集の際には、保険契約者が正しい理解に基づく適切な判断ができるよう適正な説明等が行われることが重要であり、適正かつ公正な保険募集を確保するため、法令上、保険募集が行える主体は当局の登録を受けた保険募集人等に限定されている。

 一方、保険募集の現場においては、保険代理店の大型化や募集チャネルの多様化をはじめとする環境の変化の中で、いわゆる比較サイトや紹介行為のように、見込み客の発掘から契約成立に至るまでの広い意味での保険募集プロセス(広義の保険募集プロセス)のうち、必ずしも保険募集の定義に該当することが明らかでない行為について、保険募集人以外の者が行うケースが増加している。この点について、現行の監督指針においては、保険契約の締結の勧誘や勧誘を目的とした商品説明は保険募集に該当すると例示されている。しかし、いわゆる比較サイトや紹介行為等の中には保険商品の説明を行っているものもあるが、当該説明が保険契約の締結の勧誘や勧誘を目的としたものであるかが不明確な場合もあり、現在のメルクマールのみでは、そのような行為が募集に該当するか否かの判断が難しいケースが存在する。

 このように、保険募集を巡る環境の変化に対して、現在の保険業法やその関連ルールは必ずしも対応しきれていないことから、募集規制の及ぶ範囲について再整理を行う必要がある。

 2-4-1募集規制の適用範囲の再整理・明確化について
 広義の保険募集プロセスの一部を保険募集人以外の者が担うことについては、保険契約の締結に至るまでには必ず保険募集人資格を有する者による商品説明が行われるのであれば、必ずしもそのようなケース全てにおいて問題が生じるわけではない。一方、保険募集人資格を有しない者によって過度・不適切な勧誘・推奨や誤った商品説明などの不適切な行為が行われ、保険商品の内容等について顧客に誤った印象や情報が与えられた場合には、保険募集人が事後的に適切な商品説明等を行ったとしても顧客の誤解を解くことが困難であるなど、当該瑕疵の治癒が困難となるおそれがある。このため、保険募集プロセスのうち、保険募集人による顧客アプローチの前段階において行われている行為についても、保険契約者等の保護の観点から、一定のルールに基づいて行われる必要があるものが存在する。

 以上のような点を踏まえ、広義の募集プロセスの一環として行われる行為のうち、保険募集人が募集行為を行う際に顧客による正しい商品理解の妨げになるおそれがある行為など、当該行為に問題があった場合に保険募集人による募集行為を通じた当該瑕疵の治癒が困難となるものについて、募集行為に該当することを明確にする必要がある。この観点から、ある行為が保険業法上の「募集」に該当し、同法上の募集規制を受けるか否かについて、下記のメルクマールに照らして総合的に判断していくことが適当である。

 @保険会社又は保険募集人等からの(保険契約の成約に連動して支払われる等の)報酬を受け取るなど、保険募集人が行う募集行為と一体性・連続性を推測させる事情があり、かつ、

 A具体的な保険商品の推奨・説明を行うもの

 @は、報酬の受領などにより過度・不適切な勧誘・推奨がなされる可能性が高まることを考慮したものであり、Aは、前段階で具体的な説明がなされると保険募集人による保険商品等の説明の理解を困難にするおそれがあることを考慮したものである。

 なお、広義の保険募集プロセスの一部であっても上記のメルクマールに該当しないもの、例えば、保険商品の推奨・説明を行わず契約見込客の情報を募集人に提供するだけの行為や比較サイト等の商品情報提供サービスのうち保険会社等からの情報を転載するにとどまるもの等(以下「募集関連行為」という。)については、直ちに募集規制が適用されるものではない。しかし、募集関連行為を行う第三者(以下「募集関連行為従事者」という。)が不適切な行為を行った場合や募集規制の潜脱行為を行った場合には、顧客に不利益が及ぶこととなることから、保険会社や保険募集人が募集関連行為を第三者に行わせる場合には、当該保険会社や保険募集人は当該募集関連行為従事者が不適切な行為を行わないよう、適切な管理態勢を整備することが求められる。

 2-4-2その他
 法人の損害保険代理店においては、当局に対して届出を行った使用人については保険募集に従事させることができることとされている。当該使用人について、以前は、当該代理店と雇用関係を有する者に限られていたが、平成12年の規制緩和要望を受けて基準が見直された結果、代理店との雇用関係は使用人たる要件から削除されたところである。

 その結果、代理店は本来その使用人が行う募集業務について、教育・指導・管理を行うことを当然に求められるにも関わらず、代理店と第三者の間に形式的に委託契約等の関係があることをもって当該第三者を使用人として届け出を行い、適切な教育・指導・管理を行うことなく当該第三者に募集業務を行わせている可能性がある、との指摘がある。

 このような状況を踏まえれば、使用人との間の契約関係の名目に関わらず、保険募集人が自らの使用人と位置づけて募集業務を行わせることが認められるのは、法令等に基づき使用人としてふさわしい教育・指導・管理等を受けている者のみであることを明確にすることが適当である。


以上です。

画像
↑、ハルジオンにやってきたハナアブ(先月撮影)。

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