現役保険営業マンの「生命保険徒然日記」

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zoom RSS 生命保険の現物給付に反対する声。

<<   作成日時 : 2013/05/15 23:41   >>

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何度か当Blogで取り上げてまいりました生命保険の現物給付に関する、少し興味深い資料を偶然発見しました。

その資料とは、札幌市医師会がHP上にUPしている

  • 医政メモQ&A4月号:現物給付型民間保険について(PDF)

    ―です。

    …結論から申しますと、札幌市医師会は現物給付型の保険商品に対して、明確にそして強い口調で反対しています。

    現物給付型の保険商品については、法律で認められていないことに加えて、保険会社に対する監督・規制という観点から「適切な保険料、責任準備金等の算出が困難である」などの課題があるため、議論はされているものの、容認する方針には至っていないのが現状です。

    それがここまで強い反対を受けているとは…正直に申しましてかなり驚きました。

    【札幌市医師会の見解】

    以下、現物給付型保険商品に対する札幌市医師会の見解です(上記医政メモQ&Aより転載)。

    ―現物給付型民間保険について―

     平成24年6月から金融庁の金融審議会において、「保険商品・サービス提供等の在り方に関するワーキング・グループ」の会合が開かれ、「現物給付型民間保険」の認可に関する議論が行われている。

    Q:現物給付型民間保険とは?
    A:
    民間保険は保険金(定額給付金)を契約者に支払うが、この現金支給に代えて、あらかじめ定められた医療サービス(現物)を契約者に提供するものが、現物給付型民間保険である、現行の法律上は、民間保険契約では金銭給付しか認められず、保険金の代わりにサービスや物品を直接提供する「現物給付」を原則禁じていて、現物給付が可能となるためには、保険法と保険業法の2段階の改正が必要となる。また、現物給付型保険は、保険会社が委託した医療機関との契約が必須であり、契約を締結した医療機関のみでのサービス提供となる。そして保険会社は、提供された医療サービスの対価を医療機関に支払うという仕組みである。

    Q:「保険商品・サービス提供等の在り方に関するワーキング・グループ」設置の背景と目的は?
    A:
    :平成20年の保険法改正時には、現物給付型保険について検討がなされ、最終的に保険法、保険業法ともに生命保険契約及び定額給付方式の傷害・疾病保険契約における現物給付は規定しないとされた経緯がある。そして平成24年8月に成立した「社会保障制度改革推進法」においては、全ての国民が加入する医療保険の原則化(=例外も容認)と、給付範囲の適正化(=削減)が記され、保険給付の対象範囲縮小を明記して、国の責任を大きく後退させている。現在行われている金融審議会では、契約者の同意があれば、保険金を医療機関に保険会社から支払うこと(保険金直接支払サービス)は可能との論点を示し、保険業法の解釈のみで現物支給を解禁しようとする危険な動きが見て取れる。民間の保険会社は、現物給付型保険が現在飽和状態にある国内市場の成長につながると期待し、ワーキング・グループ内には民間保険会社の幹部もいて、現物給付型保険は医療・介護分野への参入に道を開くためのものにほかならない。

    Q:規制緩和で新たに登場すると想定される現物給付型民間保険とは?
    A:
    介護が必要な状態になった契約者に対する「有料介護付き老人ホームへの入居を約束する保険」「公的保険ではまかないきれない介護サービスを提供する保険」や、「契約者の死亡時に葬儀を催す保険」「親が死亡した子供が保育所へ優先的に入れる保険」などが想定されている。現在の保険業法のもとでは、保険会社が直接、現物を提供することは認められず、子会社や提携企業がサービスなどを提供することになる。また、消費者保護の観点から現物給付にするか保険金の受け取りにするかは利用者が選べるようになることが検討されている。これは契約時点では魅力的であったサービスが、いざサービスが必要な状態になった時に魅力的かどうかは不確定であるし、新たにもっと良いサービスが誕生している可能性もあるからである。

    Q:現在、保険業法で現物給付型保険を認めない理由は?
    A:
    現物給付を認めないのは、「将来の価格変動リスク(特にインフレリスク)」と「現物給付されるサービスの質の確保」の問題があるからである。インフレリスクとは、将来インフレが起きて治療費などが高騰したとしても、利用者としては医療サービスを現物給付してもらえば構わないので、物価の上昇を意識しなくても済むが、一方で保険会社がインフレに対応できず、サービス提供費用が膨らみ倒産となるリスクである。

     現物給付されるサービスの質の確保の問題としては、保険契約者などの保護の観点からは、@現物給付の将来の適切な履行・質の保証に対する懸念があり、契約者の保護に欠けるおそれがあること。A金銭給付と現物給付の選択制でない場合には、保険会社・保険契約者等がともに価格変動リスクにさらされること。そして選択制とした場合、契約者は価格下落リスクの負担を免れるが、更なるオプション料が保険料に上乗せされる可能性があり、こうした、長期契約におけるオプション料は算出が困難であり、高額なものとなりかねないことがある。さらに保険会社に対する監督・規制という観点からは、B現物には将来の価格変動があり、適切な保険料、責任準備金等の算定が困難であること、C将来の現物価格変動時の負担を、保険会社と保険契約者等がどう負担するかについて規律すべきか、契約に委ねるべきかという問題がある。またD現物給付の履行確保を図るための監督手法についての検討が必要となることなどがある。

    Q:現物給付型民間保険が及ぼす国民皆保険制度への影響は?
    A:
    公的保険と民間保険が医療現場で共存することにより、公的保険と民間保険の優劣の比較が行われ、価格や内容競争に否応なくさらされることになる。また民間保険で現物給付が行われるようになれば、利潤追求のために加入者審査での契約者の選別を行い、さらに医療機関と保険会社の提携関係が必要になる。その結果、着実に病院の「格付けや囲い込み」がなされ、保険給付制限や拒否、さらに治療の不許可が起こり、管理医療につながる可能性がきわめて高いと考えられる。また、混合診療の保険外診療部分にも対応することにより、国民皆保険制度を有名無実化し、実質的な混合診療が導入され、さらに、国民が受けられる医療の格差が拡大すること
    になる。このように現物給付型民間保険は日本の医療を根底から覆す大問題となる。

    Q:現在、現物給付型の民間保険はあるのか?
    A:
    医療費連動型で患者自己負担分の実額の補填、および保険外併用療養費、すなわち、混合診療部分を補填する保険商品が民間保険会社から販売されている。明治安田生命の「明日のミカタ」は、入院費の自己負担額が保険金として契約者に支払われ、先進医療保障特約により、混合診療部分の先進医療費が先進医療給付金として支払われる。また、ライフネットの「じぶんへの保険プラス」は、公的な医療保険制度の自己負担分をカバーする保険で、先進医療を受けた際にも技術料と同額の給付金を受け取ることができる。

    Q:保険金直接支払サービスとは?
    A:
    生命保険会社は、保険給付が金銭給付に限定されていても提供が可能な仕組みとして、「直接支払スキーム」なるものを開発した。これは、保険金の支払先を契約者から医療サービス提供事業者に変更し、受取人の指示に基づいて、保険会社から医療機関に対して直接、保険金が支払われる仕組みである。金融審議会では、当面、保険金直接支払サービスを認める方向であり、法的には保険業法の改定ではなく運用方針の見直しで対応するとの考えで、今年の夏頃までに議論をまとめる意向である。しかし、実質運用上は、現物給付と変わらない仕組みである。

    Q:現物給付型民間保険についての札幌市医師会の考え方は?
    A:
    日本がTPPに交渉参加し、保険市場における規制緩和を要求される可能性は高く、外資系民間保険会社の市場が一気に拡大することが危惧されている。札幌市医師会は、現物給付型民間保険は市場原理主義的政策であり、これが解禁されれば、国民皆保険の根幹揺るがす大問題となると考え、現物給付型保険導入を阻止する必要があると考えている。


    以上です。

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    ↑、菜の花の葉で眠るモンシロチョウ(先月撮影)。

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    コメント(2件)

    内 容 ニックネーム/日時
    こんにちは。

    ごぶさたしております、またコメさせていただきます。

    生命保険の「現物給付」「直接支払い」については、保団連さんもHPなどで繰り返し反対を訴えてますよね・・・。

    私もTPPの件も含めて、注視しています。
    高田
    2013/05/16 14:09
    高田さん、お久しぶりです。
    情報提供ありがとうございます。早速検索してみました。

    その談話はPDF形式でプリントアウトできるようになっていますね。ありがたいことです。

    保険金の直接支払いも課題があるものの、利便性の向上ということからみていいことではないかと思っていますが、話はそう単純ではないですね。
    現役保険営業マン
    2013/05/16 19:20

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