がんの最新治療⑥:「肝臓がんに対する、ラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法」

前回*の続きです。12月19日の日本経済新聞・夕刊に、がんの最新治療についての記事がありました。

*前回の記事はこちらです。
  • がんの最新治療⑤:「頭頸部腫瘍等に対する、サイバーナイフ治療」

    今回取り上げられていたのは、肝臓がんに対するラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法です。

    記事によりますと、〈ラジオ波治療の対象となるのが「がんの数が原則は3個までで、ひとつのがんの大きさが3センチ以内」(東大病院の小俣政男教授)。この基準を満たさなくても、個別ケースで判断して実施する機関が多い。〉とのことです。

    …ラジオ波焼灼療法とは、ラジオ放送の中波帯と同じ電磁で、そのうち比較的周波数の低いものを活用し、患部に刺した電極針から電磁波を流し、患部を100度前後に加熱することで、がん細胞を凝固・壊死させる治療法です。

    なお、肺がんや腎がん、骨軟部腫瘍の治療にもこのラジオ波焼灼療法を臨床応用している医療機関もあります。詳しくはこちら

    【記事の内容】

    以下、記事の内容です。

    【がん最新治療を知る⑥:ラジオ波で焼いて肝臓がん治す。回数制限なく入院も短期】
     肝臓がんを切らずに、熱で焼く「ラジオ波治療」が普及してきた。3センチ以下のがんだと、手術とほぼ同等の効果があることも分かってきた。腹部に針を刺すだけなので何回も治療でき、1週間程度の入院で済む。ただ、施設ごとの「力量の差」も問題になりつつある。

     「再発はつらいが、がんが見つかっても確実に焼くことができる。すぐに仕事に復帰できるところも良い」。12月上旬、東京大学付属病院で5回目のラジオ波治療を受けた江枝昌さん(75)はこう話す。中国でスーツケース製造会社を経営するが、治療後4日目には病院の許可を得て一時外出、得意先を回った。

     江さんの肝臓がんはB型肝炎ウイルスの感染が原因。治療しても別の位置に再発する恐れがあり、3~4ヵ月ごとCT(コンピューター断層撮影装置)検査を受け、がんが見つかるたびラジオ波治療を受ける。肝機能が安定しており、治療回数に制限はない。

     エコーと呼ぶ超音波画像で肝臓を映し出しながら、長さ約20センチの針を腹部に差し込む。電気針は高周波発生装置に接続されており、針先に電気が流れると、ラジオに使われる周波数の電波であるラジオ波で熱が発生、がんを焼く。

     がんの大きさなどにもよるが焼灼(しょうしゃく)時間はがん1個当たり10~15分。局所麻酔を使い、肝臓には神経があるので痛み止めを点滴しながら治療することが多い。数日後、CTでがんが残っていないか確認、1週間程度で退院できる。

     ラジオ波治療の対象となるのが「がんの数が原則は3個までで、ひとつのがんの大きさが3センチ以内」(東大病院の小俣政男教授)。この基準を満たさなくても個別ケースで判断して実施する医療機関が多い。がんが肝臓から少し離れた位置にある場合や、大腸がんの手術後に見つかった転移性肝がんでも、外科手術が難しい症例で有効だということがわかってきた。

     極端に肝機能が悪い人や黄疸(おうだん)が出ている人、腹水がたまっている人、がんが5~10個と多い人などに適用はできない。

     ラジオ波治療の効果を外科手術と比べた場合、どちらが生存率が高いのだろうか。小俣教授は「国際的に認められている正確なデータはないが、大きな差はないだろう」と話す。

     2006年、香港の病院で外科の切除手術とラジオ波治療を受けた90人ずつの患者の5年後生存率を比較した結果が報告され、外科切除が54%、ラジオ波が56%と有意差がなかった。

     肝臓がんの治療ガイドラインでは、外科的切除とラジオ波治療では同等とされている。


     東大病院では1997年にラジオ波治療を開始、06年は約750件(前年比50%増)実施した。肝臓がんは50~70歳代の患者が中心で、仕事をしている人も多い。全身麻酔を使う外科手術よりも負担が少なく選ぶ患者が増えている。

     実施医療機関も急増している。04年から保険適用になったことで、現在、約1400施設にのぼるとみられる。

     だが治療施設が増えると技術格差も目立つようになった。針の熱でがんを焼くだけでなく、腸に穴が開いてしまう医療事故も起きている。治療を受ける場合のリスクとして頭に入れておきたい。


    以上です。

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