ノベルティーも規制対象―今月末施行の金融商品取引法。

9月14日の日本経済新聞・朝刊に、今月末から施行される「金融商品取引法」と、その対応に追われる金融機関についての記事がありました。

記事によりますと、

①販売体制の全面的な見直しが求められ、パンフレットの差し替えや従業員の研修など作業は膨大。不適切な販売があれば行政処分の対象になるため、各金融機関は法施行に間に合わせるよう必死。

②商品名などが書かれたノベルティー商品も規制の対象になる。日興コーディアル証券は商品名が印刷されたボールペンやメモ帳の製作を中止した。金商法では広告と見なされ、リスクなどの説明書きが必要になるため。

③ホームページも広告として扱われるが、改訂作業が間に合わないため一部を削除する動きが出ている。三菱UFJ証券はホームページ上に掲載している投資信託を従来の400本強から当面は130本に削減する。各投信ごとに詳細なリスクや手数料などを表示するのが間に合わないため。

④金融庁は金商法の完全施行を目前に控え、金融機関からの問い合わせに追われている。ただ、どうすれば法違反にならないかなど、法解釈にかかわる例が多く、ひっきりなしにかかってくる電話に困惑気味。


―とのことです。

…今回の金融商品取引法は、生命保険会社にも大きな影響があります。なぜなら、外貨建ての保険商品も同法の規制対象だからです。

それにしても、リスクの説明や手数料の開示はともかく、商品名を印刷したボールペンやメモ帳まで広告と見なし規制対象にするとは、いくらなんでもやりすぎではないかと思います。

確かに、不適切な営業を防止することは消費者保護の一環として当然です。そのため、ある程度販売サイドをルールで規制する必要はあるでしょう。

しかし、ノベルティまでも広告と見なすようなルールで販売サイドを規制することが消費者保護といえるのでしょうか?管理人はそうは思いません。

販売サイドの規制だけではなく、契約や購入の有無にかかわらず、消費者が自己責任で、金融商品にどのようなリスクがあるのかを知る仕組みも同時につくることが、消費者保護である

―と思います。

また、金融庁は、金融機関から法令解釈の問い合わせが殺到していることに対し、「すべて行政の指示を仰ぐのではなく、法の趣旨を踏まえ自ら考えて行動できないのか」と、戸惑いを隠せないそうですが、どの口がそのようなことを言わせるのでしょうかね?

度重なる事後規制を行ったのはどこの誰でしょうか?

処分庁・緊縛庁といった名称が似合うほど、強引な法令解釈を行い、コンプライアンスの剣を振りかざして、生損保や各金融機関に行政処分を連発してきたのは誰でしょうか?

厳格な法解釈をして業務をしていなければ行政処分を連発する―そんな消費者保護の名を借りた裁量行政をしてきたことが、生損保や各金融機関の「法令遵守至上主義」の元凶なのに…。

本当の意味での業界の活性化や、消費者保護につながる仕組みづくりの行政が全くできなかった金融庁に、生損保や各金融機関を批判する資格はない


―と考えております。

【記事の内容】

以下、記事の内容です。

【金商法・投資家保護へ月末施行―金融機関、対応おおわらわ。パンフ刷新、社員研修…販売見直し総力戦】
 投資家保護の徹底を目指す金融商品取引法が9月末に完全施行されるのを控え、銀行や証券会社などの準備が大詰めを迎えている。販売体制の全面的な見直しが求められ、パンフレットの差し替えや従業員の研修など作業は膨大。不適切な販売があれば行政処分の対象になるため、各金融機関は法施行に間に合わせるよう必死だ。上場企業や金融庁も対応に追われている。

 金商法は投資信託や外貨預金など元本割れの恐れがあるリスク性商品について、利点だけを強調する広告を禁止。損失が生じるリスクや手数料などについてはっきりと正確に表示するよう求めている。大手金融機関では商品説明のパンフレットなどを全面的に刷新するところが多い。

 みずほ銀行は約300種類の広告宣伝物を一斉に交換する。例えば投信の場合、1つの商品でもチラシ、パンフレット、目論見書などの複数の資料があるため、新たに印刷した資料は数百万部に上る。印刷が完了するのは9月20日ごろ。全国の支店に発送し、28日の営業終了後に行員総出で交換作業に当たるという。

 三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行も数百種類の販売資料や伝票類を新たに作成した。

 ◇ノベルティーも対象
 商品名が書かれたノベルティー商品も規制の対象になる。日興コーディアル証券は商品名が印刷されたボールペンやメモ帳などの製作を中止した。金商法では広告と見なされ、リスクなどの説明書きが必要になるためだ。

 ノベルティー商品の在庫は顧客に配布するなどして「9月中に使い切る」(日興)。現状では、ほかの金商法対応に追われているため、ノベルティー商品の扱いを今後どうするかは未定という。

 ホームページも広告として扱われるが、改訂作業が間に合わないため一部を削除する動きが出ている。三菱UFJ証券はホームページ上に掲載している投資信託を従来の400本強から当面は130本に削減する。各投信ごとに詳細なリスクや手数料などを表示するのが間に合わないためだ。「限られた時間の中で1つ1つに対応するのは物理的に無理」(担当者)

 ◇チェック間に合わず
 さらに大手行を悩ませているのがネット上に掲載している過去の発表資料だ。投信など新商品の発売を知らせる発表資料が金商法に対応しておらず、そのまま掲載し続ければ法に触れる恐れがある。ある大手行は「膨大な発表資料をすべてチェックする時間がなく、ホームページから削除するしかない」と話す。

 窓口での販売方法も大きく変わるため、各金融機関は法施行ぎりぎりまで従業員への研修を進める。みずほ銀行は全店の支店長や課長らを東京に呼んで集合研修を実施中。りそな銀行は投資信託の販売の流れをドラマ仕立てにしたビデオを全店に配布。担当者は「販売方法が大きく変わるのであらゆる手段で現場に徹底したい」と話す。

【法解釈、問い合わせ殺到―金融庁は困惑、経過措置も設定】
 金融庁は金商法の完全施行を目前に控え、金融機関からの問い合わせに追われている。ただ、どうすれば法違反にならないかなど、法解釈にかかわる例が多く、ひっきりなしにかかってくる電話に困惑気味だ。

 「顧客セミナーの日程を案内する資料は広告に含まれるか」「投資信託の基準価格の一覧データを顧客に送る際も、リスクの説明を明記する必要があるか」「商品を販売する時に配る資料の冒頭に、何を書かなければいけないか」―。

 政省令を発表した7月末以降、金融庁への問い合わせのほとんどは具体的かつ、細かなルールに関するものだ。これまで多くの処分を受けてきた金融機関には、法違反になるのを避けるために入念に準備を進めたいという意識が強い。それなのに、「法解釈を金融庁に問い合わせても、回答できる人間がいないといって何日も待たされたりする」(銀行関係者)という。

 これに対して金融庁は「すべて行政に指示を仰ぐのではなく、法の趣旨を踏まえ自ら考えて行動できないのか」(首脳)と戸惑いも隠せない。

 金融庁は一部規制を免除し金商法施行前に作ったビラを、施行後3ヵ月間は使えるようにするなどの経過措置を設定。金融機関が円滑に金商法に対応できるように配慮も示している。


以上です…ふうε=(-.-;)。

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この記事へのコメント

2007年09月15日 07:09
激しく同意です。馬鹿馬鹿しくて話になりませんね。ボールペンに書かれた商品名を見て金融商品を買ったが、騙された!なんていうのは言いがかりに近いですよね。お伺いを立てる金融機関も情けないけど、そういう姿勢に向かわせる自身のやり方も金融庁は考え直す必要がありますね。ところでHPやブログで商品解説するのも法に抵触するということになりますが、
我々販売者は充分に注意を図る必要がありますが、アフェリティー収入狙いで保険解説をバンバンしている一般人の場合はどうなるのでしょうね?彼らに罪はないのか?などなど考えてしまいます。
2007年09月15日 12:01
超同意です!
gooddayさんの意見にもありますが、これじゃ本当のプロの人たちが消費者に情報提供できませんよ。
情報格差を広げて何が消費者保護なものか!と感じます。

>、「すべて行政の指示を仰ぐのではなく、法の趣旨を踏まえ自ら考えて行動できないのか」と、戸惑いを隠せないそうですが
照会業務をやっていればこんなことは当然よくあることです。
というか、法律作った人間が回答に困っててどうするでしょうね。
現役保険営業マン
2007年09月15日 12:32
gooddayさん、こんにちは。
一番コメントありがとうございます。
…記事を見て目が点になりましたよ□…(・・;)。もうこれは言いがかりですね。金融庁がヤクザの真似事をしてどうするのでしょうか?
…おっしゃるとおりです。できることなら金融庁に行政処分をしたいですよ。
>アフェリティー収入狙いで保険解説をバンバンしている一般人の場合はどうなるのでしょうね?彼らに罪はないのか?などなど考えてしまいます。
>>確かに、そのことは常々気になっておりました。今後の動向を見続ける必要がありますね。
現役保険営業マン
2007年09月15日 12:41
うるめさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
…おっしゃるとおりです。本当のプロが柔軟に情報提供することができません。これは情報統制といっても過言ではないかと存じます。
消費者保護とはとても言えませんよ。
…確かに。これだけ規制×100の法律を適用するのですから、照会が殺到するの当然ですよね。それに照会に困るようならもっと実態に即した法律をつくるか、あるいはつくらなければいいと思うのですが…。
2007年09月15日 18:26
こんにちは。
何が法改正の本当の目的か、全く見失っている感じです( ̄‐ ̄;)
ノベルティ規制で誰を守ろうとしているのか、法改正にも時間や費用がかかっているはず。無意味な法改正をするより、もっと重要な法律があるはずな気がします。
現役保険営業マン
2007年09月15日 18:54
とことこママさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
…おっしゃるとおりです。本当の目的を見失っているとしか思えません。金融庁が消費者保護をすることは不可能である、ということがはっきりしたのではないでしょうか?
2007年09月15日 22:18
こんばんは。

はぁ。。
もう馬鹿らしくてため息しか出ませんね。

本当の意味での業界の活性化や、消費者保護につながる仕組みづくりの行政が全くできなかった金融庁に、生損保や各金融機関を批判する資格はない

完全同意です。
マスターベイション、お役所仕事の特長ですね。個人的には今後、各省庁にもメスが入って公務員改革をしていく必要が出てくると思っています。より業界を活性化させるような金融庁になってくれることを期待します。。
現役保険営業マン
2007年09月16日 00:28
佐藤さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
…ここまで凄まじい法律だと、怒りを通り越して脱力してしまいますよ。
どう考えても、現場を知らないとしか思えません。
まずは現場を見る・知ることが改革の第一歩かもしれませんね。

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