金融庁動く!!監督指針改正と地域金融機関の特例再整備。
またもやシリーズ再開*です。
*前回の記事はこちら。
金融庁動く!!―金融商品取引法と生命保険②
11月7日の日本経済新聞・朝刊に、生保商品の窓販全面解禁に伴い、金融庁が保険会社向けの監督指針を改正したことと、地域金融機関向けの特例を再整備したことについての記事がありました。
記事によりますと、
①監督指針の改正は主に三点。まず、銀行が保険販売後のアフターサービスのために十分な人員を確保しているかなどを点検。また、預金や融資残高などの非公開情報を顧客の事前の同意を得ないまま、保険販売に利用していないかをチェックする。
保険販売に精通する法制順守責任者の設置も求める。銀行や販売を委託する保険会社はこれらの点をきちんと守っているのか、検査や日常の監督を通じて把握していく方針。
②地域金融機関を対象とした特例も全面解禁にあわせ再整備した。銀行は従業員に対し、原則として保険商品を販売できないが、1日あたりの入院給付金が5000円、手術の際の給付金が20万円以下の商品などは販売できるようにする。
とのことです。
・管理人の所見
1.保険会社向けの総合的な監督指針の改正について
監督指針の改正案が公表されていることを知った管理人は、早速、ダウンロードして目を通しました。
改正案の中でもっとも気になったのは、顧客の預金状況などといった、いわゆる「非公開金融情報・非公開保険情報の取り扱い」についてです。
金融庁は、事前に顧客の同意を得なければ保険契約の締結の代理又は媒介ができないようにするための必要な措置の具体例として、
〈例えば、非公開金融情報を利用しようとする場合には事前に同意をとらなければ商品説明を行えない、さらに書面による同意がなければ契約申し込み・締結を行えないような事務手続きを整備することが考えられる。〉
と述べておりますが、業務効率を優先する銀行において、そのような業務効率の低下を招くルールは順守されないのではないか、あるいはルールが整備されてもすぐに形骸化するのではないかと疑っております。
2.再整備された地域金融機関の特例について
日経の記事を読む限り、信用金庫や信用組合などが、融資先企業の従業員から契約できる保険金額の上限を再整備したようだったので、金融庁のHPから公表資料をダウンロードして、目を通しました。
…が管理人は呆れてしまいました。その理由は公表資料の1つ、「保険業法施行規則」及び「金融庁告示」の文面が難解だからです。
融資先企業の従業員が契約可能な保険金額の上限を規定しているのですが…理解するのに難解*な法的規制特有の文面で書かれているのです。
*どのくらい難解かと申しますと、アルベルト族の言葉を、アルベルト語辞典なしで理解しようとするくらい難解です(ヲイ!!)
保険業法施行規則・改正案の1~2ページの文言及び、金融庁告示の文言を解釈する限り、
①死亡保障保険は1000万円が上限。
②がん保険は、診断給付金100万円、入院給付金日額1万円、手術給付金40万円(最高倍率での支払額)が上限。
③医療保険は、入院給付金日額5000円、手術給付金20万円(最高倍率での支払額)が上限。
④介護保険は、介護給付金月額5万円(年額60万円)が上限
ということのようです。
…管理人は、第三分野の、特に医療保険やがん保険の給付金上限額の「適切な解釈」を巡り、地域金融機関から問い合わせが殺到する*のではないかと考えております。
*管理人注、そのような現象を「メダパニ+バイキルト症候群」といいます(嘘)。
【記事の内容】
以下、記事の内容です。
【保険窓販解禁・銀行の販売責任明記―監督指針を金融庁改正。法令順守徹底促す】
金融庁は6日、銀行窓口での保険商品の販売が12月22日に全面解禁されるのに合わせ、保険会社向けの監督指針を改正すると発表した。販売代理店となる銀行が保険販売後も責任を持って顧客に対応しているか検証する方針を明記。銀行の法令順守徹底を促し、全面解禁を円滑に進める狙いだ。
監督指針の改正は主に三点。まず、銀行が保険販売後のアフターサービスのために十分な人員を確保しているかなどを点検。また、預金や融資残高などの非公開情報を顧客の事前の同意を得ないまま、保険販売に利用していないかをチェックする。
保険販売に精通する法令順守責任者の設置も求める。銀行や販売を委託する保険会社がこれらの点をきちんと守っているか、検査や日常の監督を通じて把握していく方針だ。
さらに、地域金融機関を対象とした特例も全面解禁に合わせ再整備した。銀行は従業員50人以下の融資先の従業員に対し、原則として保険商品を販売できないが、1日あたりの入院給付金が5000円、手術の際の給付金が20万円以下の商品などは販売できるようにする。
【保険会社向けの総合的な監督指針・改正案】
以下、金融庁が公表した監督指針・改正案の内容です。
・Ⅱ-3-3-9-1:銀行等に対する保険募集の委託・管理
・新設
(3)保険契約締結後に行うことが必要となる業務(注)について、銀行等と保険会社との間の委託契約等において、その業務分担が明確に定められ、顧客に明示されているか。
(注)例えば、契約内容に関する紹介への対応、顧客からの苦情・相談への対応、保険金等の支払手続きに関する照会等を含む各種手続き方法に関する案内等といった業務をいう。
(4)保険会社においては、保険契約締結後の業務の健全かつ適切な運営を確保するために、例えば、銀行等が契約の締結の代理又は媒介を行った契約量に応じた当該業務を行うための十分な要員の確保に努める等、必要な態勢を構築しているか。
(5)銀行等においては、保険契約締結後の業務の健全かつ適切な運営を確保するために、例えば、委託契約等に基づき銀行等が行う保険契約締結後の業務の性質及び量に応じた当該業務を行うための十分な要員の確保に努める等、必要な態勢を構築しているか。
・Ⅱ-3-3-9-2:非公開金融情報・非公開保険情報の取扱い
(1)生命保険募集人、損害保険代理店又は保険仲立人である銀行等が、非公開金融情報(規則第212条第2項第1号イに規定する非公開金融情報をいう。以下同じ)を保険募集に係る業務に利用する場合には、例えば、以下の方法のような適切な方法により事前に顧客の同意を得なければ保険契約の締結の代理又は媒介ができないようにするための必要な措置(注)を講じているか。
(注)例えば、非公開金融情報を利用しようとする場合には事前に同意をとらなければ商品説明を行なえない、さらに書面による同意がなければ契約申込・締結を行えないような事務手続きを整備することが考えられる。
・Ⅱ-3-3-9-3:銀行等の保険募集指針
保険募集の公正を確保するために銀行等が定める保険募集指針には、以下の事項が定められているか。
また、保険募集指針の内容について、顧客に周知するため、保険募集指針の書面による交付又は説明、店頭掲示、インターネットホームページの活用等の必要な措置が講じられているか。
(4)銀行等における苦情・相談の受付先及び銀行等と保険会社の間の委託契約等に基づき保険契約締結後に銀行等が行う業務内容を顧客に明示するとともに、募集を行った保険契約に係る顧客からの、例えば、委託契約等に則して、保険金等の支払手続きに関する照会等を含む苦情・相談に適切に対応する等契約締結後においても必要に応じて適切な顧客対応を行うこと。
・Ⅱ-3-3-9-7:銀行等の保険募集に係る法令遵守責任者等(新設)
銀行等は、規則第212条第2項第3号に規定する保険募集に係る法令等の遵守を確保する業務が確実に実施されるよう、同号に規定する法令等の遵守を確保する業務にかかる責任者(当該責任者を指揮し保険募集に係る法令等の遵守を確保する業務を統括管理する統括責任者を含む)について、保険募集に関する法令や保険契約の関する知識等を有する人材を配置しているか。
・Ⅱ-3-3-9-8:銀行等の保険募集に係る内部監査(新設)
銀行等は、保険募集に係る業務の健全かつ適切な運営を確保する観点から、当該銀行等の内部監査が確実に実施されるよう、当該部門に保険募集に関する法令や保険契約に関する知識等を有する人材を配置しているか。
・Ⅱ-3-3-9-9:公正取引委員会ガイドライン関係(新設)
銀行等は、「金融機関の業態区分の緩和及び業務範囲の拡大に伴う不公正な取引方法について」(平成16年12月1日 公正取引委員会)における「第2部第2.2銀行等の保険募集業務に係る不公正な取引方法」に十分留意した業務運営を行っているか。
【地域金融機関特例の再整備の内容】
最後に、地域金融機関の再整備の内容についてご案内します(出典:金融庁公表資料の「改正の概要」、「保険業法施行規則・改正案」、「金融庁告示」)。
【改正の概要】
1.改正の趣旨
(1)保険業法施行規則の一部改正及びこれに伴う金融庁告示について
保険業法施行規則等の一部を改正する内閣府令(平成17年内閣府令第84号)等の施行等により、本年12月22日から、いわゆる第三分野保険について、保険契約者一人当たりの保険金その他の給付金の額の合計を1000万円に限ることが地域金融機関特例及び協同組織金融機関特例の要件に加わることとなっている。
銀行等による保険販売の全面解禁の円滑な実施を図る観点から、これを見直し、上限を定める保険及びその上限額を金融庁長官が定めるよう保険業法施行規則を改正し、新たに金融庁告示を制定する。
(2)銀行法施行規則等の一部改正について
現行制度上、銀行等の子会社が金融関連業務として行う保険募集(保険専門関連業務として行うものを除く。)については、その対象保険商品に銀行本体等と同様の制限が課せられている。
本年12月22日をもって、銀行等本体において販売可能な保険商品に制限がなくなることに伴い、銀行等の子会社についても、同様に制限を撤廃する措置を講ずる。
また、銀行法施行規則のほか、長期信用銀行法施行規則、信用金庫法施行規則、協同組合による金融事業に関する法律施行規則及び労働金庫法施行規則について、同様の改正を行う。
2.施行時期
保険業法施行規則等の一部を改正する内閣府令(平成17年内閣府令第84号)及び保険業法施行規則等の一部を改正する内閣府令(平成18年内閣府令第9号)の施行と同時に、本年12月22日から施行する。
【保険業法施行規則(平成8年大蔵省令第5号)・改正案】*同業法施行規則より抜粋
(銀行等が生命保険募集人として保険募集を行うことのできる場合)
第212条
4 この条において特例地域金融機関とは、その営業地域が特定の都道府県に限られているものとして金融庁長官が定める金融機関であって、当該金融機関又はその役員若しくは使用人が、当該金融機関の融資先従業員等(当該金融機関が事業を行う個人又は法人若しくはその代表者に対し当該事業に必要な資金の貸付を行っている場合における当該個人若しくは法人が常時使用する従業員又は当該法人の役員(代表者を除く。)をいう。次条第4項、第212条の4第4項及び第212条の5第4項において同じ。)を保険契約者として第1項第4号又は第6号に掲げる保険契約(これに相当する内容の保険特約を含む。次項において同じ。)の締結の代理又は媒介を行う場合において、次の各号に掲げる保険については、それぞれ当該各号の区分に応じ、当該保険契約者一人当たりの保険金のその他の額(第74条第1号イ及び第3号に掲げる保険契約(第83条第1号ロ及びニに掲げるものを除く。)又は第153条第1号イ及び第3号に掲げる保険契約に該当する保険契約のうち、保険会社が一定の額の保険金その他の給付金の支払いの保証をするものにあっては、当該保証をする額とし、当該支払いの保証をしないものにあっては、当該保険契約に基づき払い込まれる保険料の総額とする。次項、次条第4項及び第5項、第212条の4第4項並びに第212条の5第4項及び第5項において同じ。)の合計が当該各号に定める金額までを限り、保険募集を行う旨の定めを第2項第2号に規定する指針に記載しているものをいう。
1.人の生存又は死亡に関し、一定額の保険金を支払うことを約し、保険料を収受する保険(傷害を受けたことを直接の原因とする人の死亡のみに係るものを除く。)…1000万円
2.次に掲げる事由に関し、一定額の保険金を支払うこと又はこれらによって生ずることのある当該人の損害をてん補することを約し、保険料を収受する保険のうち金融庁長官が定めるもの 金融庁長官が定める金額
イ.人が疾病にかかったこと。
ロ.疾病にかかったことを原因とする人の状態(重度の障害に該当する状態を除く。)
ハ.第4条各号に掲げる事由
二.イからハまでに掲げるものに関し、治療(治療に類する行為として第5条で定めるものを含む。)を受けたこと。
5 生命保険募集人である協同組織金融機関は、当該協同組織金融機関又はその役員若しくは使用人が、第3項1号イからハまでに掲げるものに該当する当該協同組織金融機関の会員又は組合員を保険契約者として第1項第4号又は第6号に掲げる保険契約の締結の代理又は媒介を行う場合において、前項各号に掲げる保険については、それぞれ当該各号の区分に応じ、当該保険契約者一人当たりの保険金その他の給付金の額の合計が当該各号に定める金額までを限り、保険契約募集を行う旨の定めを第2項第2号に規定する指針に記載しなければならない。
以下略。
【金融庁告示】*内容は抜粋です。
保険業法施行規則第212条第4項第2号に規定する金融庁長官が定める保険は、次の表の中欄に掲げるとおりとし、同号に規定する金融庁長官が定める金額は、同表の中欄に掲げる保険の区分に応じ、同表の下欄に掲げる金額とする。
1項・保険
医師により人が疾病にかかったと診断されたこと(4の項において「疾病診断」という。)又は人が保険約款所定の介護を要する状態になったこと(4の項において「要介護」という。)を保険事故とする保険(4の項に掲げるもの及び当該保険に係る保険金その他の給付金(以下この項において「診断給付金」という。)の支払いにより、当該人の死亡を保険事故とする保険その他の給付金(以下この項において「死亡給付金」という。)の額の全額が減額されることとされているもの(死亡給付金の額が診断等給付金の額を下回らないものに限る。)を除く。)
1項・金額
当該事故のうちの一の保険事故の発生につき100万円(診断等給付金であってその支払いにより死亡給付金の全額が減額されることとされるものがあるときは、当該死亡給付金の額を控除するものとする。)
2項・保険
人が入院したことを保険事故とする保険
2項・金額
次のイ又はロに掲げる保険の区分に応じ、保険事故に係る入院1日につき当該イ又はロに定める金額。ただし、同一の保険が当該イ及びロに掲げる保険のいずれにも該当するときは、当該イに掲げる保険について支払うことを約した金額と当該ロに掲げる保険について支払うことを約した金額との合計額は、1万円を超えることができない。
イ.保険事故に係る入院が特定の疾病の治療のための入院に限られる保険…1万円
ロ.イ以外の保険…5000円
3項・保険
人が手術(健康保険法(大正11年法律第70号)第63条第2項第3号に規定する評価療養に該当するものを除く。)を受けたことを保険事故とする保険。
3項・金額
次のイ又はロに掲げる保険の区分に応じ、一の保険事故の発生につき当該イ又はロに定める金額。ただし、同一の保険が当該イ及びロに掲げる保険のいずれにも該当するときは、当該イに掲げる保険について支払うことを約した金額と当該ロに掲げる保険について支払うことを約した金額との合計額は、40万円を超えることができない。
イ.保険事故に係る手術が特定の疾病の治療のための手術に限られる保険…40万円
ロ.イ以外の保険…20万円
4項・保険
疾病診断又は要介護を保険事故とし、かつ、当該保険事故が発生した後の保険約款所定の時期における被保険者の生存を保険事故とする保険。
4項・金額
当該保険に係る保険金その他の給付金の期間1月につき合計5万円(1月を超える期間ごとに支払われる保険金その他の給付金にあっては、1月当たりの額に換算するものとする。)
備考
この表において「特定の疾病」とは、悪性新生物、心臓疾患及び脳血管疾患のうち少なくとも一の疾病を含む十を超えない範囲内の数の疾病であって、保険会社(保険業法(平成7年法律第105号)第2条第2項に想定する保険会社をいう。)、外国保険会社等(同条第7項に規定する外国保険会社等をいう。)又は少額短期保険業者(同上第18項に規定する少額短期保険業者をいう。)が保険約款に定めているものとする。
以上です…ふう~ε=(-.-;)。
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①監督指針の改正は主に三点。まず、銀行が保険販売後のアフターサービスのために十分な人員を確保しているかなどを点検。また、預金や融資残高などの非公開情報を顧客の事前の同意を得ないまま、保険販売に利用していないかをチェックする。
保険販売に精通する法制順守責任者の設置も求める。銀行や販売を委託する保険会社はこれらの点をきちんと守っているのか、検査や日常の監督を通じて把握していく方針。
②地域金融機関を対象とした特例も全面解禁にあわせ再整備した。銀行は従業員に対し、原則として保険商品を販売できないが、1日あたりの入院給付金が5000円、手術の際の給付金が20万円以下の商品などは販売できるようにする。
とのことです。
・管理人の所見
1.保険会社向けの総合的な監督指針の改正について
監督指針の改正案が公表されていることを知った管理人は、早速、ダウンロードして目を通しました。
改正案の中でもっとも気になったのは、顧客の預金状況などといった、いわゆる「非公開金融情報・非公開保険情報の取り扱い」についてです。
金融庁は、事前に顧客の同意を得なければ保険契約の締結の代理又は媒介ができないようにするための必要な措置の具体例として、
〈例えば、非公開金融情報を利用しようとする場合には事前に同意をとらなければ商品説明を行えない、さらに書面による同意がなければ契約申し込み・締結を行えないような事務手続きを整備することが考えられる。〉
と述べておりますが、業務効率を優先する銀行において、そのような業務効率の低下を招くルールは順守されないのではないか、あるいはルールが整備されてもすぐに形骸化するのではないかと疑っております。
2.再整備された地域金融機関の特例について
日経の記事を読む限り、信用金庫や信用組合などが、融資先企業の従業員から契約できる保険金額の上限を再整備したようだったので、金融庁のHPから公表資料をダウンロードして、目を通しました。
…が管理人は呆れてしまいました。その理由は公表資料の1つ、「保険業法施行規則」及び「金融庁告示」の文面が難解だからです。
融資先企業の従業員が契約可能な保険金額の上限を規定しているのですが…理解するのに難解*な法的規制特有の文面で書かれているのです。
*どのくらい難解かと申しますと、アルベルト族の言葉を、アルベルト語辞典なしで理解しようとするくらい難解です(ヲイ!!)
保険業法施行規則・改正案の1~2ページの文言及び、金融庁告示の文言を解釈する限り、
①死亡保障保険は1000万円が上限。
②がん保険は、診断給付金100万円、入院給付金日額1万円、手術給付金40万円(最高倍率での支払額)が上限。
③医療保険は、入院給付金日額5000円、手術給付金20万円(最高倍率での支払額)が上限。
④介護保険は、介護給付金月額5万円(年額60万円)が上限
ということのようです。
…管理人は、第三分野の、特に医療保険やがん保険の給付金上限額の「適切な解釈」を巡り、地域金融機関から問い合わせが殺到する*のではないかと考えております。
*管理人注、そのような現象を「メダパニ+バイキルト症候群」といいます(嘘)。
【記事の内容】
以下、記事の内容です。
【保険窓販解禁・銀行の販売責任明記―監督指針を金融庁改正。法令順守徹底促す】
金融庁は6日、銀行窓口での保険商品の販売が12月22日に全面解禁されるのに合わせ、保険会社向けの監督指針を改正すると発表した。販売代理店となる銀行が保険販売後も責任を持って顧客に対応しているか検証する方針を明記。銀行の法令順守徹底を促し、全面解禁を円滑に進める狙いだ。
監督指針の改正は主に三点。まず、銀行が保険販売後のアフターサービスのために十分な人員を確保しているかなどを点検。また、預金や融資残高などの非公開情報を顧客の事前の同意を得ないまま、保険販売に利用していないかをチェックする。
保険販売に精通する法令順守責任者の設置も求める。銀行や販売を委託する保険会社がこれらの点をきちんと守っているか、検査や日常の監督を通じて把握していく方針だ。
さらに、地域金融機関を対象とした特例も全面解禁に合わせ再整備した。銀行は従業員50人以下の融資先の従業員に対し、原則として保険商品を販売できないが、1日あたりの入院給付金が5000円、手術の際の給付金が20万円以下の商品などは販売できるようにする。
【保険会社向けの総合的な監督指針・改正案】
以下、金融庁が公表した監督指針・改正案の内容です。
・Ⅱ-3-3-9-1:銀行等に対する保険募集の委託・管理
・新設
(3)保険契約締結後に行うことが必要となる業務(注)について、銀行等と保険会社との間の委託契約等において、その業務分担が明確に定められ、顧客に明示されているか。
(注)例えば、契約内容に関する紹介への対応、顧客からの苦情・相談への対応、保険金等の支払手続きに関する照会等を含む各種手続き方法に関する案内等といった業務をいう。
(4)保険会社においては、保険契約締結後の業務の健全かつ適切な運営を確保するために、例えば、銀行等が契約の締結の代理又は媒介を行った契約量に応じた当該業務を行うための十分な要員の確保に努める等、必要な態勢を構築しているか。
(5)銀行等においては、保険契約締結後の業務の健全かつ適切な運営を確保するために、例えば、委託契約等に基づき銀行等が行う保険契約締結後の業務の性質及び量に応じた当該業務を行うための十分な要員の確保に努める等、必要な態勢を構築しているか。
・Ⅱ-3-3-9-2:非公開金融情報・非公開保険情報の取扱い
(1)生命保険募集人、損害保険代理店又は保険仲立人である銀行等が、非公開金融情報(規則第212条第2項第1号イに規定する非公開金融情報をいう。以下同じ)を保険募集に係る業務に利用する場合には、例えば、以下の方法のような適切な方法により事前に顧客の同意を得なければ保険契約の締結の代理又は媒介ができないようにするための必要な措置(注)を講じているか。
(注)例えば、非公開金融情報を利用しようとする場合には事前に同意をとらなければ商品説明を行なえない、さらに書面による同意がなければ契約申込・締結を行えないような事務手続きを整備することが考えられる。
・Ⅱ-3-3-9-3:銀行等の保険募集指針
保険募集の公正を確保するために銀行等が定める保険募集指針には、以下の事項が定められているか。
また、保険募集指針の内容について、顧客に周知するため、保険募集指針の書面による交付又は説明、店頭掲示、インターネットホームページの活用等の必要な措置が講じられているか。
(4)銀行等における苦情・相談の受付先及び銀行等と保険会社の間の委託契約等に基づき保険契約締結後に銀行等が行う業務内容を顧客に明示するとともに、募集を行った保険契約に係る顧客からの、例えば、委託契約等に則して、保険金等の支払手続きに関する照会等を含む苦情・相談に適切に対応する等契約締結後においても必要に応じて適切な顧客対応を行うこと。
・Ⅱ-3-3-9-7:銀行等の保険募集に係る法令遵守責任者等(新設)
銀行等は、規則第212条第2項第3号に規定する保険募集に係る法令等の遵守を確保する業務が確実に実施されるよう、同号に規定する法令等の遵守を確保する業務にかかる責任者(当該責任者を指揮し保険募集に係る法令等の遵守を確保する業務を統括管理する統括責任者を含む)について、保険募集に関する法令や保険契約の関する知識等を有する人材を配置しているか。
・Ⅱ-3-3-9-8:銀行等の保険募集に係る内部監査(新設)
銀行等は、保険募集に係る業務の健全かつ適切な運営を確保する観点から、当該銀行等の内部監査が確実に実施されるよう、当該部門に保険募集に関する法令や保険契約に関する知識等を有する人材を配置しているか。
・Ⅱ-3-3-9-9:公正取引委員会ガイドライン関係(新設)
銀行等は、「金融機関の業態区分の緩和及び業務範囲の拡大に伴う不公正な取引方法について」(平成16年12月1日 公正取引委員会)における「第2部第2.2銀行等の保険募集業務に係る不公正な取引方法」に十分留意した業務運営を行っているか。
【地域金融機関特例の再整備の内容】
最後に、地域金融機関の再整備の内容についてご案内します(出典:金融庁公表資料の「改正の概要」、「保険業法施行規則・改正案」、「金融庁告示」)。
【改正の概要】
1.改正の趣旨
(1)保険業法施行規則の一部改正及びこれに伴う金融庁告示について
保険業法施行規則等の一部を改正する内閣府令(平成17年内閣府令第84号)等の施行等により、本年12月22日から、いわゆる第三分野保険について、保険契約者一人当たりの保険金その他の給付金の額の合計を1000万円に限ることが地域金融機関特例及び協同組織金融機関特例の要件に加わることとなっている。
銀行等による保険販売の全面解禁の円滑な実施を図る観点から、これを見直し、上限を定める保険及びその上限額を金融庁長官が定めるよう保険業法施行規則を改正し、新たに金融庁告示を制定する。
(2)銀行法施行規則等の一部改正について
現行制度上、銀行等の子会社が金融関連業務として行う保険募集(保険専門関連業務として行うものを除く。)については、その対象保険商品に銀行本体等と同様の制限が課せられている。
本年12月22日をもって、銀行等本体において販売可能な保険商品に制限がなくなることに伴い、銀行等の子会社についても、同様に制限を撤廃する措置を講ずる。
また、銀行法施行規則のほか、長期信用銀行法施行規則、信用金庫法施行規則、協同組合による金融事業に関する法律施行規則及び労働金庫法施行規則について、同様の改正を行う。
2.施行時期
保険業法施行規則等の一部を改正する内閣府令(平成17年内閣府令第84号)及び保険業法施行規則等の一部を改正する内閣府令(平成18年内閣府令第9号)の施行と同時に、本年12月22日から施行する。
【保険業法施行規則(平成8年大蔵省令第5号)・改正案】*同業法施行規則より抜粋
(銀行等が生命保険募集人として保険募集を行うことのできる場合)
第212条
4 この条において特例地域金融機関とは、その営業地域が特定の都道府県に限られているものとして金融庁長官が定める金融機関であって、当該金融機関又はその役員若しくは使用人が、当該金融機関の融資先従業員等(当該金融機関が事業を行う個人又は法人若しくはその代表者に対し当該事業に必要な資金の貸付を行っている場合における当該個人若しくは法人が常時使用する従業員又は当該法人の役員(代表者を除く。)をいう。次条第4項、第212条の4第4項及び第212条の5第4項において同じ。)を保険契約者として第1項第4号又は第6号に掲げる保険契約(これに相当する内容の保険特約を含む。次項において同じ。)の締結の代理又は媒介を行う場合において、次の各号に掲げる保険については、それぞれ当該各号の区分に応じ、当該保険契約者一人当たりの保険金のその他の額(第74条第1号イ及び第3号に掲げる保険契約(第83条第1号ロ及びニに掲げるものを除く。)又は第153条第1号イ及び第3号に掲げる保険契約に該当する保険契約のうち、保険会社が一定の額の保険金その他の給付金の支払いの保証をするものにあっては、当該保証をする額とし、当該支払いの保証をしないものにあっては、当該保険契約に基づき払い込まれる保険料の総額とする。次項、次条第4項及び第5項、第212条の4第4項並びに第212条の5第4項及び第5項において同じ。)の合計が当該各号に定める金額までを限り、保険募集を行う旨の定めを第2項第2号に規定する指針に記載しているものをいう。
1.人の生存又は死亡に関し、一定額の保険金を支払うことを約し、保険料を収受する保険(傷害を受けたことを直接の原因とする人の死亡のみに係るものを除く。)…1000万円
2.次に掲げる事由に関し、一定額の保険金を支払うこと又はこれらによって生ずることのある当該人の損害をてん補することを約し、保険料を収受する保険のうち金融庁長官が定めるもの 金融庁長官が定める金額
イ.人が疾病にかかったこと。
ロ.疾病にかかったことを原因とする人の状態(重度の障害に該当する状態を除く。)
ハ.第4条各号に掲げる事由
二.イからハまでに掲げるものに関し、治療(治療に類する行為として第5条で定めるものを含む。)を受けたこと。
5 生命保険募集人である協同組織金融機関は、当該協同組織金融機関又はその役員若しくは使用人が、第3項1号イからハまでに掲げるものに該当する当該協同組織金融機関の会員又は組合員を保険契約者として第1項第4号又は第6号に掲げる保険契約の締結の代理又は媒介を行う場合において、前項各号に掲げる保険については、それぞれ当該各号の区分に応じ、当該保険契約者一人当たりの保険金その他の給付金の額の合計が当該各号に定める金額までを限り、保険契約募集を行う旨の定めを第2項第2号に規定する指針に記載しなければならない。
以下略。
【金融庁告示】*内容は抜粋です。
保険業法施行規則第212条第4項第2号に規定する金融庁長官が定める保険は、次の表の中欄に掲げるとおりとし、同号に規定する金融庁長官が定める金額は、同表の中欄に掲げる保険の区分に応じ、同表の下欄に掲げる金額とする。
1項・保険
医師により人が疾病にかかったと診断されたこと(4の項において「疾病診断」という。)又は人が保険約款所定の介護を要する状態になったこと(4の項において「要介護」という。)を保険事故とする保険(4の項に掲げるもの及び当該保険に係る保険金その他の給付金(以下この項において「診断給付金」という。)の支払いにより、当該人の死亡を保険事故とする保険その他の給付金(以下この項において「死亡給付金」という。)の額の全額が減額されることとされているもの(死亡給付金の額が診断等給付金の額を下回らないものに限る。)を除く。)
1項・金額
当該事故のうちの一の保険事故の発生につき100万円(診断等給付金であってその支払いにより死亡給付金の全額が減額されることとされるものがあるときは、当該死亡給付金の額を控除するものとする。)
2項・保険
人が入院したことを保険事故とする保険
2項・金額
次のイ又はロに掲げる保険の区分に応じ、保険事故に係る入院1日につき当該イ又はロに定める金額。ただし、同一の保険が当該イ及びロに掲げる保険のいずれにも該当するときは、当該イに掲げる保険について支払うことを約した金額と当該ロに掲げる保険について支払うことを約した金額との合計額は、1万円を超えることができない。
イ.保険事故に係る入院が特定の疾病の治療のための入院に限られる保険…1万円
ロ.イ以外の保険…5000円
3項・保険
人が手術(健康保険法(大正11年法律第70号)第63条第2項第3号に規定する評価療養に該当するものを除く。)を受けたことを保険事故とする保険。
3項・金額
次のイ又はロに掲げる保険の区分に応じ、一の保険事故の発生につき当該イ又はロに定める金額。ただし、同一の保険が当該イ及びロに掲げる保険のいずれにも該当するときは、当該イに掲げる保険について支払うことを約した金額と当該ロに掲げる保険について支払うことを約した金額との合計額は、40万円を超えることができない。
イ.保険事故に係る手術が特定の疾病の治療のための手術に限られる保険…40万円
ロ.イ以外の保険…20万円
4項・保険
疾病診断又は要介護を保険事故とし、かつ、当該保険事故が発生した後の保険約款所定の時期における被保険者の生存を保険事故とする保険。
4項・金額
当該保険に係る保険金その他の給付金の期間1月につき合計5万円(1月を超える期間ごとに支払われる保険金その他の給付金にあっては、1月当たりの額に換算するものとする。)
備考
この表において「特定の疾病」とは、悪性新生物、心臓疾患及び脳血管疾患のうち少なくとも一の疾病を含む十を超えない範囲内の数の疾病であって、保険会社(保険業法(平成7年法律第105号)第2条第2項に想定する保険会社をいう。)、外国保険会社等(同条第7項に規定する外国保険会社等をいう。)又は少額短期保険業者(同上第18項に規定する少額短期保険業者をいう。)が保険約款に定めているものとする。
以上です…ふう~ε=(-.-;)。
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この記事へのコメント
一番コメントありがとうございます。
…そうですね。顧客の機微情報の取り扱いに関するルールを明文化したことは評価できます。
>…結局のところ、銀行が昔から抱える圧力募集と構成員契約の問題を暗に認めたことなり、この指針が公正を欠いているように思えます。
>>なるほど、確かにそういうことも考えられますね。
>この指針によって、違反した場合、他の販売者・保険者同様に、銀行も格下げや取扱停止、業務停止といった厳しい処置…
>>はい、同感です。そうでなければあまりに不公平です。
>預金や融資残高などの非公開情報を顧客の事前の同意を得ないまま、保険販売に利用していないかをチェックする。
この非公開情報って、行員なら結構簡単に見ることができてしまうんですよね。本当に保険販売に利用してないかのチェックなんて、どうやってできるのかなぁ、って思ってしまいます(^_^;)
とことこママさんと同意見です!
具体的にどのようにチェックする気なのか教えてもらいたいものです。
…確かに。ルールの実効性はかなり怪しいですね。
コメントありがとうございます。
…ともさかさんも、そうお考えですか。
まぁ確かに、業務の一環として閲覧可能な現状を考えると、??となりますね。