クレディ・アグリコル、まずは窓販に経営資源を集中。

1月10日の日経金融新聞に、昨年、保険の銀行窓販市場に参入してきたクレディ・アグリコル生命を傘下に持つ、フランス大手金融グループのクレディ・アグリコル副頭取ジャン・フレデリック・ドゥ・ルース氏のインタビュー記事がありました。

記事によりますと

〈 仏大手金融グループ、クレディ・アグリコルのジャン・フレデリック・ドゥ・ルース副頭取は日本経済新聞とのインタビューで「日本事業の収益を今後4年で3倍にする」と語り、日本で投資信託や保険商品の銀行窓販を拡大する方針を示した。個人向け金融(リテール)への参入は「当面考えていない」とし、金融商品を日本の銀行を通じて販売する事業モデルに経営資源を集中する。…〉

とのことです。

…記事を見る限り、同グループがかなりの自信を持っているように感じます。おそらく、銀行窓販という仕組みが生まれた国の金融機関として、長年積み上げてきたノウハウなどがその背景にあるものと思われます。

また、同グループの一員であるクレディ・アグリコル生命保険は、昨年発売された「週刊東洋経済・生保損保特集」にも取り上げられており、社長のリチャード・サットン氏は窓販市場の潜在的成長力を高く評価しており、変額年金による窓販市場への参入にかなりの自信を持っていました。

今後は、オランダのエイゴンもソニー生命と合弁で変額年金の銀行窓販市場に参入してきます。

団塊世代の退職金という個人資産をめぐる保険会社間の競争はますます白熱することになると思われます。

ただ、その一方で非常に気になることがあります。それは、

①投資性が強い保険商品や投信などの金融商品に対し、関心は高いが成熟度が低い一般消費者へ柔軟に情報を開示する制度づくり。

②一般消費者が自己責任で情報を入手し、リスクを含む保険や金融商品の特徴を把握するための制度づくり(例えば、金融教育制度)。

③契約や購買、運用における情報格差の解消をするための仕組みづくり。

といったことが完全に立ち遅れている状態を解消するどころか、こともあろうに「金融商品取引法施行」「保険会社向けの総合的な監督指針の改正」といったことによる緊縛プレイ強化を行い、情報開示を形骸化させ、情報格差問題を悪化させるなどさらに歪んだ金融自由化となりつつあることです。


【記事の内容】

以下、記事の内容です。

【仏クレディ・アグリコル、銀行窓販日本で拡大―「4年で収益3倍へ」】
 仏大手金融グループ、クレディ・アグリコルのジャン・フレデリック・ドゥ・ルース副頭取は日本経済新聞とのインタビューで「日本事業の収益を今後4年で3倍にする」と語り、日本で投資信託や保険商品の銀行窓販を拡大する方針を示した。個人向け金融(リテール)への参入は「当面考えていない」とし、金融商品を日本の銀行を通じて販売する事業モデルに経営資源を集中する。主なやり取りは以下の通り。

 ―日本事業の位置付けはどうか。
 「経済成長の高いアジアは重要な戦略地域だ。なかでも日本は一番重要な市場だと考えている。日本では1938年から約70年間、事業を展開している。昨年6月には生命保険会社を開業させた」

 「グループ全体で650人の人員は2008年中に700人に増えるだろう。日本での経常収益は07年に210億円になり、4年前に比べて3倍に増えた。次の4年もM&A(合併・買収)がなくとも3倍以上の成長が見込める」

 「昨年11月にりそなグループ向けに初めて変額個人年金保険を共同開発し、今年は地方銀行への商品供給も始める。保険商品の充実や環境関連投信など世界的に強みがある分野に力を入れ、日本でのシェアを拡大したい」

 ―日本の金融機関のM&Aやリテール事業への参入を考えているか。
 「現段階でM&Aは考えていない。リテール事業もビジネスチャンスがないと考えている。リテールの成功にはその国の文化に深く根ざしていることが必要だ」

 「今は提携する日本の銀行を通して金融商品を販売することに注力する。事業を展開する国のビジネス環境の知識を深め、提携先と一緒に利益を生み出していくことが大事だ」

 ―日本の金融界の現状をどうみるか。
 「メガバンクの経営統合が進んだのに比べ、地域金融機関は依然として数が多い。世界のすべての銀行が収益性、会社としての硬直性を改善しないといけない局面にある。銀行の再編は世界中で今後も加速するだろう」

 ―傘下の投資銀、カリヨンからみずほフィナンシャルグループが合成債務担保証券(CDO)の組成部隊を引き抜いたことを巡る訴訟で和解した。
 「和解金は新しい人材を獲得することに充てたいと考えている」

 ―米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に起因する金融市場の混乱が続いている。
 「欧米市場が深刻な危機を脱出したかはまだ分からない。流動性の低下、米国の不動産・労働市場の動向などの影響を十分に見定める必要がある。政府系ファンドが世界の有力銀行に資本参加したことは、世界の金融は誰がコントロールしているかを示す象徴的な出来事だ」 (聞き手は橋本慎一)

 ▽クレディ・アグリコルグループの日本での事業
 法人向け金融、投資銀行、資産運用、生命保険を手掛ける。法人取引を担当する傘下のカリヨン銀行は資金調達や資金決済、プロジェクトファイナンスや買収ファイナンスなどを、カリヨン証券は株式や債券、調査業務を展開する。

 資産運用のクレディ・アグリコル・アセットマネジメントは約140の投資信託を一般投資家向けに組成し、大手銀行や地域金融機関などを通して販売している。

 クレディ・アグリコル生命保険は2007年6月に開業し、11月からりそなグループを通じて変額年金保険を販売。今後は提携先の金融機関や商品内容を拡充する計画だ。


以上です。

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この記事へのコメント

2008年01月12日 11:36
⇒関心は高いが成熟度が低い一般消費者へ柔軟に情報を開示する制度づくり。>>これがもっとも大事だと常々思っています。残念ながら多くの日本人はこれに該当します。正に金融機関は、イナゴの大群です(笑)さて、今、採用に躍起です。私のお客様で、某外資系プライベートバンクに勤める方も、件の生保会社に転職するそうです。銀行代理店相手の業務だそうです。もうこうなると保険会社ではありませんね・・
現役保険営業マン
2008年01月12日 14:44
gooddayさん、こんにちは。
一番コメントありがとうございます。
…そうですよね。まさに最も大事なことだと思っておりますが、現状は…。
…そんなことがあったのですか。生保も銀行も人材確保に必死なようですね。これはひがみも入っておりますが、銀行窓販という仕組みを過大評価していないかと疑問に感じることがあります。

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