ゆうちょ銀行・郵便局会社が、変額年金保険の販売へ―29日より開始。

5月25日の日本経済新聞に、ゆうちょ銀行と郵便局会社の動向についての記事がありました。

記事によりますと、〈日本郵政グループのゆうちょ銀行と郵便局会社が、5月29日から変額年金保険の販売を始める。投資信託に続く本格的な資産運用商品の取り扱いとなる。…〉とのことです。

…ゆうちょ銀・郵便局会社が扱う変額年金は全部で4種類、引受先保険会社は住友生命保険、アイエヌジー生命保険、三井住友海上メットライフ生命保険、アリコジャパンの4社です。

記事によると、各保険商品の特徴や注意点は次の通りです

①住友生命保険とアイエヌジー生命保険の商品は、保険料を一括で払い込んでから最低10年の据え置き(運用)期間があり、年金が受け取れるのは原則、最短でも10年後。アイエヌジーの商品は運用実績が良い場合、受取金額が保険料払込額の110%、120%、130%と切り上がる。

三井住友海上メットライフ生命保険の商品は「早期受け取り型」。保険料を一括で払い込んでから1年後には年金支払いが始まり、一生涯受け取れる。年間の年金受取額は保険料払込額の3%で、運用実績が良いと上積みされる。

アリコジャパンの商品は据え置き期間中も保険料を定期的に積み立てていくタイプ。

②ゆうちょ銀は「リスクを抑えつつ運用して、資産を増やしたい顧客に向いている」(変額年金保険室)と説明する。ただ、ファイナンシャルプランナー(FP)の野田真さんは「投資商品としては運用コストが高く、保険機能も十分ではないといった変額年金保険の問題点は他行の商品と変わらない」と指摘する。

まずコストの問題。運用期間中はずっと保険関係費と資産運用関係費がかかる。合計で毎年3%程度かかる商品もある。仮に運用利回りが年5%となっても、運用コストが足を引っ張り、積立金額は2%程度しか増えない。

住友生命の商品以外は契約時に初期費用として3~5%が差し引かれ、払込保険料がすべて運用に回らない。その分、発射台が低くなるので、積立金額を増やしにくい。

4商品ともに運用に当たって、国内外の株式、債券への資産配分割合が1パターンしかないのも特徴だ。他行では複数の運用パターンから選べる場合もある。ゆうちょ銀は顧客の分かりやすさを優先した。「類似商品と比べて株式の組み入れ比率が高めなので、比較的高い運用利回りを期待できる」(FPの野田さん)点は評価できそうだ。

もう1つの注意点は中途解約時に負担がかかることだ。アイエヌジー生命の商品を除き、8~10年未満で解約すると積立金額から最大6%(住友生命の場合)が差し引かれる。中途解約では最低保証も外れるので、運用実績によっては大幅な元本割れとなりかねない。購入に当たっては、相当の期間使う予定がない資金を充てるべきだろう。


…これはゆうちょ銀や郵便局会社に限ったことではないのですが、ここ数年間、窓口販売に投入された変額年金は、「本当に保険商品なのか?」と疑問に感じております

最低限支払う保険料が一括払いで100万円というのは当たり前、運用期間は決して長いとはいえないものが登場する―といったことを見る限り、管理人は

変額年金保険はもはや保険商品ではなく、販売を行う金融機関の手数料稼ぎの商品、退職金などを資産運用をさせるための商品、金融商品に変質してしまっている

としか思えません。

…本来、変額個人年金保険は、中長期にわたって資産運用の実績を反映させることによって、インフレに対応し、生存保障の実質的価値を維持するための保険商品だったはず。

しかし、02年の銀行窓販解禁を機に、徐々に金融商品や資産運用商品、相続対策商品という本来の意図とは全く別の方向に捻じ曲げられてきたように思います。

インフレに対応する機能を持った生存保障を提供する、という本来の目的から大きく逸脱した、名ばかりの保険商品の提供を続けると、そのうち手痛いしっぺ返しを食らうのではないか…管理人は非常に心配しております。

【記事の内容】

以下、記事の内容です。

【ゆうちょ銀、運用商品を拡充。変額年金、すべて全額保障―「分かりやすさ重視」・29日から販売、中途解約時は元本割れも。投信は品ぞろえ不十分】
 日本郵政グループのゆうちょ銀行と郵便局会社が、5月29日から変額年金保険の販売を始める。投資信託に続く本格的な資産運用商品の取り扱いとなる。他の金融機関と比べて商品性はどう違うのか。利用者からみてどんな利点や注意点があるのかまとめた。

 変額年金保険は多くの場合、一括で保険料を払い込み、保険会社の特別勘定で投資信託により運用、将来年金や一時金の形で受け取る商品。運用実績に応じて将来の受取額は変わる。ゆうちょ銀では4種類とも「最低保証付き」といわれるタイプで、中途解約をしないなどの条件を満たせば、払い込んだ保険料が全額保障される。

 ◇機能、他行と同じ
 住友生命保険とアイエヌジー生命保険の商品は、保険料を一括で払い込んでから最低10年の据え置き(運用)期間があり、年金が受け取れるのは原則、最短でも10年後。アイエヌジーの商品は運用実績が良い場合、受取金額が保険料払込額の110%、120%、130%と切り上がる。

 三井住友海上メットライフ生命保険の商品は「早期受け取り型」。保険料を一括で払い込んでから1年後には年金支払いが始まり、一生涯受け取れる。年間の年金受取額は保険料払込額の3%で、運用実績が良いと上積みされる。

 アリコジャパンの商品は据え置き期間中も保険料を定期的に積み立てていくタイプ。

 ゆうちょ銀は「リスクを抑えつつ運用して、資産を増やしたい顧客に向いている」(変額年金保険室)と説明する。ただ、ファイナンシャルプランナー(FP)の野田真さんは「投資商品としては運用コストが高く、保険機能も十分ではないといった変額年金保険の問題点は他行の商品と変わらない」と指摘する。

 まずコストの問題。運用期間中はずっと保険関係費と資産運用関係費がかかる。合計で毎年3%程度かかる商品もある。仮に運用利回りが年5%となっても、運用コストが足を引っ張り、積立金額は2%程度しか増えない。

 住友生命の商品以外は契約時に初期費用として3~5%が差し引かれ、払込保険料がすべて運用に回らない。その分、発射台が低くなるので、積立金額を増やしにくい。

 4商品ともに運用に当たって、国内外の株式、債券への資産配分割合が1パターンしかないのも特徴だ。他行では複数の運用パターンから選べる場合もある。ゆうちょ銀は顧客の分かりやすさを優先した。「類似商品と比べて株式の組み入れ比率が高めなので、比較的高い運用利回りを期待できる」(FPの野田さん)点は評価できそうだ。

 もう1つの注意点は中途解約時に負担がかかることだ。アイエヌジー生命の商品を除き、8~10年未満で解約すると積立金額から最大6%(住友生命の場合)が差し引かれる。中途解約では最低保証も外れるので、運用実績によっては大幅な元本割れとなりかねない。購入に当たっては、相当の期間使う予定がない資金を充てるべきだろう。

 ◇多い「おまかせ型」
 分かりやすさを重視しているのは、ゆうちょ銀の投信も同じだ。取扱商品は9ファンドと少ない。大半が市場平均並みの運用成果をめざす「パッシブ」タイプで、市場平均を上回る成果をめざす「アクティブ」タイプは国内株式の3ファンド(大和ストックインデックス225ファンド以外)だけだ。

 米金融危機に伴う相場下落を背景に、過去1年の運用成績は厳しい。ただ、モーニングスターによると、東証株価指数(TOPIX)の過去1年の下落率は20.13%なので、ゆうちょ銀の国内株式ファンドの運用成績がとりたたて悪いわけではない。

 コスト面ではどうか。運用期間中ずっとかかる信託報酬については「野村世界6資産分散投信は、店頭で扱うバランス型ファンドとしては割安」(FPの竹川美奈子さん)と評価する向きもある。

 その一方で、購入時に払う販売手数料については「国内株式インデックスファンドはネット証券で買えば手数料がかからないこともある」(モーニングスター調査分析部の加藤信之さん)。ゆうちょ銀は投信のネット販売も導入しているが、販売手数料は窓口で買うのと変わらない。

 品ぞろえは十分とはいえない。海外株式、海外債券、REITはそれぞれ1本ずつ。海外株式、海外債券はともに先進国と新興国がセットになっている。FPの竹川さんは「おまかせ型の投信が多い。自分で投信を組み合わせて運用しよう考えても、商品がそろわない」と指摘する。

 ゆうちょ銀は「投資初心者にはバランス型が買いやすい。今後はネット専用商品など品ぞろえを増やしたい」(投資信託室)と話す。

 ゆうちょ銀が運用商品の拡充を急ぐのは、これまで収益源となっていた貯金残高の減少に歯止めがかからないことも一因。定期貯金の金利優遇キャンペーンを随時実施するとともに、貯金の預入限度額(1人当たり1000万円)の撤廃を求めるなど、残高減少を食い止めるための対策を打ち出している。

 将来は運用商品の販売で収益を稼ぐ必要があるが、前途は厳しい。日経生活モニターに関心があるゆうちょ銀の商品(複数回答)を聞いたところ、貯金が39%、国債が23%に対し、投信は10%、変額年金保険は6%。「関心ない」が33%だった。


…以上です。

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この記事へのコメント

2008年05月27日 21:57
いよいよ変額保険投入ですね。どんな状況になるのか要観測です。確かに変額保険の当初の開発目的は、インフレリスクへの対応だと思います。ただしこの点だけ捉えれば、他の現行商品でも果たせる役割ですから、変額保険の目的が変質したとしても、充分な説明責任が果たされて、契約者が充分に理解できるなら、変化もOKだと私は思います。その前提要件が機能するかどうかは??ですけど(笑)射幸性が強い生命保険商品においてはある意味商品のもつ特徴ですから。
現役保険営業マン
2008年05月27日 22:27
gooddayさん、こんばんは。
一番コメントありがとうございます。
…販売実績は、「適合性の原則」「金融商品取引法の遵守」「契約意向確認」という三重の「契約者保護ルール」によりなかなか伸びないとにらんでおります。
…なるほど、そういう見方もありですね。ただし、ご指摘の前提用件が機能しているかといえば現状を鑑みるとほとんど機能していませんから、既に契約している人とトラブルになる危険を孕んでいると思います。

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