金融庁動く!! 単行法としての保険法の規定内容を踏まえた、監督指針改正案を公表。

2月26日、金融庁は昨年6月に公布された、単行法としての保険法の規定内容を踏まえた、保険会社向けの総合的な監督指針等の一部改正案を公表*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。
  • 報道発表資料 保険会社向けの総合的な監督指針等の一部改正(案)の公表について
  • 「保険会社向けの総合的な監督指針」一部改正(新旧対照表)

    …上記報道発表資料、および、監督指針一部改正の新旧対照表にもありますが、今度の指針改正(案)には保険契約者・被保険者の保護、保険会社の業務の健全かつ適切な運営の確保の観点から

    ①平成20年6月に公布された保険法において、告知義務が自発的申告義務から質問応答義務となったことの趣旨を踏まえ、保険契約者等に求める告知事項は、保険契約者等が告知すべき具体的内容を明確に理解し告知できるものとなっているか。例えば、「その他、健康状態や病歴など告知すべき事項はないか。」といったような告知すべき具体的内容を保険契約者等の判断に委ねるようなものとなっていないか。

    ② 告知書の様式は、保険契約者等に分かりやすく、必要事項を明確にしたものとなっているか。

    ③保険契約締結の申し込みがあったにも関わらず、締結しないこととする場合は、可能な限り合理的な理由を説明するなど、顧客の理解が得られるよう努めているか。

    ④保険媒介者による告知妨害又は不告知教唆があった場合は、保険会社は保険契約を解除できないことを約款に明確に規定しているか。

    ただし、当該規定については、保険媒介者による告知妨害又は不告知教唆がなかったとしても保険契約者又は被保険者が告知事項について事実の告知をせず、又は不実の告知をしたと認められるときは適用されないことに留意する。


    といった告知制度や引受に関する改正や、以下に挙げる企業を保険契約者・従業員を保険の対象者(被保険者)とする、いわゆる事業保険についての改正などが盛り込まれています。

    【Ⅱ-3-3-4 他人の生命の保険契約について】
     他人の生命の保険契約について、商法第674条第1項(第683条第1項において準用する第664条の規定により準用される場合及び第677条第2項(第683条第1項において準用する第664条の規定により準用される場合を含む。)の規定により準用される場合を含む。)に規定する他人の生命の保険契約(同項ただし書の契約を除く。以下、「他人の生命の保険契約」という。)の契約締結に関して、保険会社の監督にあたっての留意点は、被保険者等の保護及び保険会社の業務の健全かつ適切な運営の確保の観点から、以下のとおりとする。

     (1)目的・趣旨
     ①企業(個人事業主を含む。以下同じ。)が保険契約者及び保険金受取人になり、従業員等を被保険者とする個人保険契約(以下、「事業保険」という。)については、以下のア.又はイ.の目的・趣旨に沿った業務運営が行われているか。

     ア.遺族及び従業員の生活補償のための企業の就業規則、労働協約その他これに準ずる規則(以下、「遺族補償規定等」という。)により定められた弔慰金・死亡退職金等(以下、「弔慰金等」という。)の支払い財源確保

     イ.従業員等の死亡に伴い企業が負担する代替雇用者採用・育成費用、事業継承・一時的な信用不安に備える資金等の財源確保

     (注) 被保険者となるべき者の同意の取得に際しては、例えば、被保険者に対して加入申込書の写しや契約の内容を記載した書面の交付を行うことによって、保険会社が被保険者に保険金受取人や保険金の額等の契約の内容を確実に認識できるような措置を講じているか。

     さらに、被保険者に対して交付する契約の内容を記載した書面等に、被保険者が家族に当該保険への加入を説明することを促す文言を記載するなど、保険会社は被保険者本人がその家族等、必要と考える者に対し情報提供を容易に行い得る措置を講ずること。


     ②全員加入団体定期保険(全員加入団体を対象とする団体定期保険をいう。以下同じ。)の契約は、当該保険の目的・趣旨が遺族及び従業員の生活補償にあることを明確にし、弔慰金等の支払い財源を保障する部分を「主契約」、従業員死亡に伴い企業が負担する代替雇用者採用・育成費用等の諸費用(企業の経済的損失)を保障する部分を「特約」として区分するなど、当該保険契約の目的・趣旨に沿った業務運営が行われているか。

     (注)被保険者となるべき者の同意の取得に際しては、例えば、以下の方法によって被保険者が保険金受取人や保険金の額等の契約の内容を確実に認識できるような措置を講ずること。

     (ア)被保険者に対して契約の内容を記載した書面の交付などを保険会社から行う。

     (イ)被保険者がどのように契約の内容を認識できるようになっているかを保険会社が保険契約者から確認する。確認の結果は、検証可能な具体的な記録として残す。


     (2) (略)

     (3)保険金額の定め方

     ① 事業保険における保険金額の設定については、保険契約の目的・趣旨を踏まえ、保険金額の引受基準等、モラルリスクの排除の観点から措置が適切に運用されているか。

     なお、従業員等の死亡に伴い企業が負担する代替雇用者採用・育成費用、事業継承・一時的な信用不安に備える資金等の財源確保を保険契約の目的・趣旨に含める場合の保険金額は、過大とならないよう保険契約締結時において、年収、勤続年数、職位や企業の年商や規模などの基準により設定した上限により適切に運営されているか。

     また、従業員に係る保険金額の設定については、下記②にも留意しつつ適切に運営されているか。

     ②
    全員加入団体定期保険の保険金額の設定については、主契約部分は遺族補償規定等に基づく支給金額を上限とし、特約部分は主契約の保険金額を上限(ただし、2,000万円上限)とするなど、この保険の目的・趣旨(上記(1))に沿った利用が行われるよう措置が講じられているか。

     (4)遺族補償規定等にリンクした保険金支払いの確保
     ①事業保険であって遺族補償規定等に基づき被保険者である従業員に対し、保険金の全部又はその相当部分が、弔慰金等の支払いに充当することが確認されている場合においては、業務の健全かつ適切な運営を確保する観点から、保険金請求時に保険契約者から、ア.被保険者又は労働基準法施行規則第42条等に定める遺族補償を受けるべき者(以下、「受給者」という。)の保険金請求内容の了知を確認する書類の取り付け(なお、この了知を確認する書類には保険金受取人や保険金の額等の契約の内容が記載されているか。)、あるいは、イ.被保険者又は受給者が金銭を受領したことが分かる書類、被保険者又は受給者への支払記録等の取り付け、など、被保険者又は受給者に対する情報提供、保険契約の目的に沿って保険金が弔慰金等の福利厚生に活用されることの確認の措置が講じられているか。
     
     ②全員加入団体定期保険における保険金の支払いにあっては、主契約部分については、全額従業員の遺族に支払うこととし、企業が一旦受取りその上で遺族に支払う場合は、遺族の了知を確認のうえ支払うこととしているか。なお、この了知を確認する書類には保険金受取人や保険金の額等の契約の内容が記載されているか。

     ③全員加入団体定期保険において、「ヒューマン・ヴァリュー特約」分の保険金支払いは、弔慰金等の受給者の了知を確認のうえ支払うこととしているか。なお、この了知を確認する書類には保険金受取人や保険金の額等の契約の内容が記載されているか。

    …「契約概要」「注意喚起情報」の、事前交付と説明が盛り込まれた監督指針の改正(案)を見たとき、「随分と踏み込んだ内容となっているなぁ」と思いましたが、今回公表された改正案はそれをはるかに凌ぐ、根本的な改正を行う内容であると感じています。

    …これまでは、保険募集人に告知受領権がないため、仮に告知妨害等があっても、保険会社は「告知義務違反による契約解除」ができたのですが、監督指針の改正が行われると解除ができなくなります。

    このことが保険会社と募集人の関係に影響があるのかどうか…気になります。

    【監督指針の一部改正(案)の概要】

    以下、監督指針の一部改正(案)の概要です(上記、報道発表資料より抜粋・転載)。

    【保険会社向けの総合的な監督指針等の一部改正(案)の公表について】
     金融庁では、「保険会社向けの総合的な監督指針」および「少額短期保険業者向けの監督指針」の一部改正(案)を別紙のとおり取りまとめましたので、公表します。

     保険の概要は以下のとおりです。

    1.保険法関係
     平成20年6月に商法上の保険契約に関する規定の見直しを行い、単行法としての保険法が公布されました。保険法においては、表記の現代語化のほか、保険契約者保護のための規定の整備等が行われており、当該保険法の規定内容等を踏まえ、監督指針について以下の改正等を行います。

     ①告知制度
     ・告知書の様式は、保険契約者等に分かりやすく、必要事項を明確にしたものとなっているか。

     ・保険媒介者による告知妨害等があった場合は、保険会社は保険契約を解除できないことを約款に明確に規定しているか。等

     ②保険給付の履行期
     ・損害調査手続等の保険給付手続等に必要となる合理的な期間を踏まえて、一定の期限内に支払うとする基本的な履行期を約款に定めているか。なお、その際、現行約款に規定している基本的な履行期(例えば、生命保険契約5日、損害保険契約等30日)を不当に遅滞するものとなっていないか。

     ・基本的な履行期の例外とする期限を定めるときは、保険類型ごとに必要となる確認事項(医療機関等への確認等)が明確に定められているか。等

     ③重大事由解除
     ・重大事由による解除の規定においては、解除権が濫用されることのないよう、保険契約者等の故意による保険給付事由の発生等以外の事項を定めようとする場合は、当該内容に比肩するような重大な事由であることが明確にされているか。等

    2.その他
     保険会社の業務継続体制の構築、四半期開示等における開示の充実、保険会社の業務範囲の明確化、少額短期保険業関係等について、所要の改正を行います。

    3.改正時期
     改正の日より適用されます。

     具体的な内容については、別紙1及び別紙2を御参照ください。


    以上です。

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