がん薬物療法専門医、必要な人数には程遠く。

12月6日の日本経済新聞に、がん薬物療法専門医についての記事がありました。

記事によりますと、

< 抗がん剤の投与、放射線治療などを専門に行う内科医「がん専門医」の存在が重要さを増してきた。がんの治療薬が発達し、患者にとって「通院しながら治療する」という選択肢が増えたことが背景にある。文部科学省も5年間のプロジェクトで専門医の養成を後押しするが、必要とされる人数にはほど遠い。継続的な養成のための取り組みが必要とする専門家もいる。>

とのことです。

…がん薬物療法専門医は、これからのがん治療において必要不可欠な存在であることは間違いないと思います。

より適切な治療を受けたいと思う患者さんのために、一般的な存在となってほしいのですが、今回の記事を読む限りでは、人数の不足、受け皿となる病院の経営問題など、解消には時間がかかる課題を抱えてしまっているようです。

【記事の内容】

以下、記事の内容です。

【求む「がん専門医」 通院普及で供給追いつかず】
 抗がん剤の投与、放射線治療などを専門に行う内科医「がん専門医」の存在が重要さを増してきた。がんの治療薬が発達し、患者にとって「通院しながら治療する」という選択肢が増えたことが背景にある。文部科学省も5年間のプロジェクトで専門医の養成を後押しするが、必要とされる人数にはほど遠い。継続的な養成のための取り組みが必要とする専門家もいる。

 11月下旬、悪性リンパ腫を患う千葉県の女性(64)が、抗がん剤治療のため癌研有明病院(東京・江東)を訪れた。外来治療センター(ATC)は、外来の抗がん剤治療では国内最大規模の60床。患者はカーテンで仕切られたリクライニングシートで、テレビを見たり本を読んだりしながら点滴を受けられる。

 女性は事前血液検査や診察で体調などを確認。その後、ATCで抗がん剤投与を受けた。3時間超の点滴の合間に「痛くないですか?気分は?」などと看護師が声をかける。この日は分子標的薬の「リツキサン」(一般名、リツキシマブ)を投薬。週1回ペースでこの日は8回目だ。3週間に1回は別の抗がん剤を同じ日に投与される。

 ◇文科省も支援開始
 悪性リンパ腫の抗がん剤治療は入院を伴うことも多いが、女性は副作用などを確認した初回を除きすべてATCで受けている。ATCでは医師や17人の看護師らが、アレルギー症状や発熱などの副作用を管理してくれるとあって、女性は「入院生活は何かと不便。通院治療で家にいられるのは天国のよう」と笑う。

 ATCで治療を受ける患者は「1日200人を超すこともある」(畠清彦化学療法科部長)。4割近くを乳がんが占めるが、この女性のような血液がんや大腸がん、子宮がんなどの患者もいる。

 ひとりひとりの患者に正確な薬剤投与や副作用管理などを行なうため、専門知識を持つスタッフが支える。日本臨床腫瘍(しゅよう)学会が認定する「がん薬物療法専門医」は同病院に5人おり、交代で詰める。「医師も看護師も、抗がん剤の副作用など次に起こり得ることをよく承知している」と女性は感心する。

 入院が主流だった抗がん剤治療だが、薬の種類が増え、組み合わせも改良され、副作用対策も進歩。通院治療は一段と広がっている。一方、新しい抗がん剤が次々登場、効果と副作用を熟知した専門医の必要性も高まってきた。

 がん薬物療法専門医は来年度も約100人が新規認定の見通しで着実に増えてはいるが、「2000~4000人とされる理想には遠い」(畠部長)。

 専門医不足解消を目指し、文科省は07年に「がんプロフェッショナル養成プラン」を開始。90以上の大学が18のグループでそれぞれ専門医教育を進め、学会の認定取得要件に合わせた教育プログラムを組む。がんプロの卒業生は条件を満たせば、1年早く認定の受験ができるなど学会側も配慮している。

 山形大、福島県立医科大と共同プランを進める東北大(仙台市)では現在、12人が4年間の博士課程に在籍。あらゆるがんに対応するには多数の抗がん剤や副作用の知識、放射線治療や緩和ケアの知識も必要だ。東北大加齢医学研究所の石岡千加史教授は「専門医育成には時間がかかる。教える側も手が足りない」と指摘する。

 ◇合格率60%止まり
 胃がん、肺がんなど複数の専門領域にまたがるだけに認定の合格率は約60%と高くない。現在の医師養成の仕組みでは外科を選べば外科に専念する。石岡教授は「医師は一度現場に出てしまうと貴重な戦力で、勉強する余裕がない。その点、手取り足取り教えるがんプロはよい制度。いかに入り口で学生をキャッチするかが課題だ」と話す。

 他方、がん専門医が実際に働くための受け皿整備はまだ十分ではないようだ。

 千葉大、埼玉医科大、筑波大、茨城県立医療大の4大学の事業では今年度、薬物療法専門医を目指す「腫瘍内科医コース」に定員を上回る15人を受け入れた。一方、同事業に携わる滝口裕一千葉大准教授は、「経営の厳しい病院では、がん専門医を雇う余裕のないところも多い」と指摘する。単なる数の増加が、専門医による治療を求める患者の希望を満たすわけではない。

 また、専門医資格を得ても、「患者の期待に沿う専門医になるにはより経験を積むこと」と滝口准教授。畠部長も「資格取得は通過点。取得後いかに現場で活躍するかが大事」とくぎを刺す。

 自身も来年、専門医認定の更新が控える石岡教授も「次々開発される抗がん剤の効果や副作用など新しい知識を常に身につけないと」と話す。

 文科省のがんプロは5年間限定。その後、どう専門医を増やすかという課題も残る。東北大の石岡教授は「プラン終了後も継続的に薬物療法専門医を養成するため、すべての大学医学部に講座を設ける必要がある」と指摘している。

【看護師・薬剤師でも…】
 看護師や薬剤師など医師以外の医療従事者である「コメディカル」の学会などでも、がん治療の専門職の認定制度を設けている。

 看護師は「がん看護専門看護師」、薬剤師は「がん専門薬剤師」などの認定制度がある。放射線治療の計画作りなどを担う「医学物理士」の資格もある。

 「治療ミスを防ぎ、副作用対策をしっかり行うには、専門知識を持つ薬剤師の存在は重要」と日本病院薬剤師会副会長の遠藤一司・国立がんセンター東病院薬剤部長は専門職育成の意義を強調。がんプロフェッショナル養成プランではこうした職種も要請対象だ。

 ただ、がんプロで養成が難しい資格もあるようだ。千葉大など4大学の事業では専門看護師、専門薬剤師、医学物理士の養成コースを設置。医師も含む共通科目を設け、「他職種の考え方のベースも分かった」と学生からは好評だ。半面、薬剤師コースはゼロだ。

 申請には、5年以上の実務経験と3ヵ月の研修を受け、がん薬物療法認定薬剤師の資格取得が必要だが、「薬学部では社会人の大学院進学例が少なく、仕事を中断して進学するメリットも感じられないようだ」と滝口准教授。4大学では薬剤師の、より実践的研修コース拡充を検討している。

▽がん薬物療法専門医
 日本臨床腫瘍学会が2006年から認定している資格。累計306人が認定された。複数のがんや放射線の知識、抗がん剤や副作用の知識など幅広い分野の知見が必要で、合格率は約6割。書類審査、筆記試験に加え面接試験もある。抗がん剤などは日々進歩するため、資格取得後も知識を身につけることが必要で、5年に1回更新試験がある。


以上です。

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