陽子線治療装置が注目されているそうです。

6月21日の日本経済新聞・夕刊に、陽子線治療についての記事がありました。

【管理人の補足など】
1.実施先医療機関

陽子線とは、放射線の一種で水素原子核を加速したものです。

陽子線治療は、現在、先進医療に認定されており、日経の記事に登場する兵庫県立粒子線医療センターを含め、以下の医療機関で治療を受けることができます(6/24現在。厚生労働省のHPより転載)。

・国立がん研究センター東病院(千葉県)

・兵庫県立粒子線医療センター(兵庫県)

・静岡県立静岡がんセンター(静岡県)

・筑波大学附属病院(茨城県)

・財団法人 脳神経疾患研究所附属南東北がん陽子線治療センター(福島県)

・財団法人メディポリス医学研究財団 がん粒子線治療研究センター(鹿児島県)

・福井県立病院(福井県)

・名古屋市立西部医療センター(愛知県)


2.治療対象になるがん

陽子線治療はどのがんでも治療できるわけではありません。治療の対象となるのは以下のがんです。

・頭頸部のがん(耳鼻科領域、口腔外科領域)

・頭蓋底のがん(髄膜腫、脊索腫、軟骨肉腫)

・肺がん(腫瘍は1個のみ)

・肝臓がん(腫瘍は1個のみ)

・前立腺がん 

・骨軟部腫瘍(悪性)

・直腸がん術後局所再発がん

・縦隔腫瘍(悪性)

・局所進行膵臓がん 

・腎臓がん


※メディポリスがん粒子線治療研究センターのHPより転載

3.患者の自己負担の総額は約300万円になるケースも。
陽子線治療にかかる費用(先進医療に係る技術料)は240万円~288万3000と高額で、これは患者の全額自己負担になります。

加えて、陽子線治療中に受ける投薬や検査などに対する公的医療保険の自己負担分(3割)があります。そのため、患者の自己負担の総額が約300万円になるケースもあります。

富裕層ならともかく、一般の人がそれだけの費用を賄うのはかなり大変です。

ではどうすれば良いのか?と申しますと、高額な先進医療に係る技術料を賄う手段として、生命保険会社が投入している医療保険やがん保険があげられます。

なぜかと申しますと、生命保険会社が投入している医療保険やがん保険には、陽子線や重粒子線の高額な治療費(先進医療に係る技術料)をカバーするための特約(先進医療特約)があるからです。

4.各医療機関の治療費
6/24現在、各医療機関での陽子線治療費(先進医療に係る技術料)は以下のとおりです(各医療機関のHPより抜粋・転載)。

・国立がん研究センター東病院:288万3000円(原則一括払い)。※患者の事情による分割(3回以内)での支払いの相談も受け付けています。

・兵庫県立粒子線医療センター:288万3000円。

・静岡県立静岡がんセンター:基本料240万円(10回照射まで含む)と照射料10万円(5回分)に分けられています。基本料と照射料の上限額は280万円。

・筑波大学附属病院陽子線医学利用研究センター:248万4000円(一律)。

・財団法人 脳神経疾患研究所附属南東北がん陽子線治療センター:288万3000円。

・財団法人メディポリス医学研究財団 がん粒子線治療研究センター:288万3000円(医療機関が治療計画前に30万円を預かる。初回照射日に残りの258万3000円を支払う)。

・福井県立病院 陽子線がん治療センター:照射回数によって異なる。240万円(~20回)。250万円(21~25回)。260万円(26回以上)。

・名古屋陽子線治療センター:288万3000円(一律)。


5.医療機関による治療費の減免があります。
静岡県立静岡がんセンターは地元県民を、名古屋陽子線治療センターは地元市民を対象に、治療費の減免制度を実施しています。

・静岡県立静岡がんセンター:静岡県民(治療行為前1年以上県内在住者。同一世帯含む。)の方には20万円の減免措置。

・名古屋陽子線治療センター:名古屋市内に1年以上住んでいる方に20万円の減免措置。


※両医療機関のHPより抜粋・転載。

【記事の内容】
以下、記事の内容です。

―日本経済新聞 2013年6月21日夕刊―

【陽子線でがん治療、体の深部狙い撃ち―最小限の副作用、費用は高額】

 最先端のがん治療装置として「陽子線治療装置」が注目されている。放射線治療のひとつで、がん細胞を狙い撃ち、副作用を最小限に抑えるという。日本が強みとする治療法で、政府は海外への輸出も期待していると聞く。どんな治療法なのだろうか。

 がんの治療を受けるAさんは、患部を切り取る手術や抗がん剤を投与する方法ではなく、放射線治療を選んだ。がん細胞に放射線を集めて、死滅させる。放射線ではエックス線がよく知られるが、今回は陽子線を使うという。陽子線とはなんだろう。

◇DNAバラバラに
 陽子線治療装置の納入で多くの実績がある三菱電機の電力システム製作所(神戸市)には、実際と同じ規模の研究用装置がある。三菱電機の津上浩伸・加速器応用システム設計部長は「陽子線とは、水素の原子から電子をはがした『陽子』と呼ぶ粒子のビームです」と説明を始めた。

 装置は大がかりだ。陽子を直径約7メートルの円形装置で回して光速の60%まで加速する。ビーム(陽子線)にした後、患部のがんを狙って照射する。原理上はがん細胞のDNAが陽子線でバラバラになり、死んでしまうという。

 「がん細胞がいなくなるのは良いけど、健康な細胞も壊れてしまうのか。」放射線治療も進歩しているので、むやみに体を傷つけはしない。でも不安に思う人はいる。

 陽子線治療は広く普及している放射線治療のエックス線やガンマ線と違って、体の深いところで最も放射線の威力を発揮できると説明される。

 津上さんは「エックス線やガンマ線は体の表面から数センチメートルの深さで最も放射線量が大きく、体の深くに入るほど減っていく」と話す。

 陽子線は数センチメートルのところではエネルギーが微弱だが、がんがある深さ15センチ辺りで一気にエネルギーを開放する。「ブラッグピーク」と呼ぶ現象だ。樹脂で陽子線の勢いを弱めてから体に当てれば、ピークを15センチより浅いところにずらせる。

 体の表面近くでエネルギーのピークがくると、健康な細胞が傷つく恐れもある。エックス線でより強い放射線をがんに浴びせるには、手前の健康な細胞が受ける放射線量が増す。深くで効果を表す陽子線であればリスクは減る。

 左肺に直径数センチの腫瘍があった患者では、治療を受けた1年5ヵ月後、腫瘍は画像診断で見えなくなった。

 再発を繰り返した肝臓がん患者の場合、7年間で6回の陽子線照射をした例があるという。兵庫県立粒子線医療センター(兵庫県たつの市)の出水祐介医療部長は「エックス線であれば肝臓への被曝(ひばく)の問題から、これだけの繰り返し照射は難しい」という。

 陽子線の仲間には「重粒子線」もある。水素より重い炭素を使い、さらに強力なビームになる。重粒子線治療と呼ばれる。出水部長は臓器ごとに陽子線と重粒子線を使い分ける。陽子線の特長は「曲げやすい」(出水部長)。様々な方向から照射しやすく、体の奥深くにある膵臓(すいぞう)がんでは陽子線が使いやすいという。

 同センターでは治療効果を引き出す狙いもあり、陽子線治療と抗がん剤の「ジェムザール」の併用も試みる。膵臓がんの患者50人の治療成績を分析したところ、1年後の生存率は76.8%、81.7%は再発しなかったという。

 神戸大学の松本逸平准教授によると、手術できない段階まで進行した患者50人にジェムザールを投与しただけの治療成績は1年後の生存率が64%という結果があるという。

 普及しているエックス線も新たに多方向から患部を狙うなどの工夫で治療成績を上げている。松本准教授は「1年では放射線治療も抗がん剤併用の場合とあまり差はない。ただ2~3年でみると(陽子線を含む)放射線治療によって長期生存できている人の報告もある」と説明する。

◇自己負担300万円
 陽子線照射の人体への影響は検討も必要だが、一つの治療法として研究はさらに進むと専門家はみる。治ったと思っても再び命を脅かすことが多い膵臓がんは陽子線治療への期待も高い。手術法や抗がん剤も進歩しており、陽子線治療が加われば「様々な治療法の組み合わせができる」(松本准教授)。

 とはいえ、陽子線治療はさらに治療実績を積み重ねていく必要があるだろう。今はあくまで先進医療であるため、陽子線の照射に伴う300万円近い治療費は自己負担になる。健康保険は効かない。医師と相談した上で、他の治療法と冷静に見比べることも重要だ。


以上です。

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↑、タンポポの種を食べるヤブキリの幼虫(4月撮影)。

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