契約者貸付を巡る裁定事案。

生命保険協会が取りまとめた、平成25年10~12月の裁定概要集(PDF)に、契約者貸付を巡る裁定事案がありました。

裁定概要集によりますと、事案の概要と申立人の主張は以下のとおりです。

<事案の概要>
 自分に無断で契約貸付が行われているが、これを受領していないことを理由に、貸付金等の支払等を求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 平成2年12月に、定期付終身保険から定期付終身保険に契約転換した。しかし、平成24年になって、契約転換直前に自分に無断で契約貸付が行われていること、転換後契約の内容についても、当時募集人に要望した内容と異なる内容で契約され、1年後に内容変更されていたことが判明した。、以下の理由により、貸付金とそれに対する利息を支払(主張①)、転換を取り消して転換前契約に戻してほしい(主張②)。

(1)契約貸付請求書の署名捺印は自分のものだが、契約貸付は断ったので記入したことの認識はなく、貸付金受取口座指定欄の筆跡は自分のものではない。また、平成24年まで受け取り預金口座の存在を知らず、平成3年1月に預金引出しの記録があるが、貸付金を受領していない。

(2)提案された転換プランに対してそれと異なる要望を募集人に伝え、署名捺印時の契約申込書には契約内容の記載はなく、白紙であったので、その要望に沿った内容であると誤信して契約転換した。

…この事案は既に和解が成立しています。

個人的には、<申立人の主張>と<裁定の概要>を読む限り、

募集人(故人)は、申立人が契約者貸付は断ったにもかかわらず、申立人が記入した契約者貸付の申請書類を破棄することなく保険会社に提出し、保険会社からの契約者貸付を、申立人に無断で開設した口座に振り込ませて、転換後契約の前納保険料に充当した。

―という、極めて不適切な取り扱いを行っていた疑いがある案件ではないかと思います。

【事案の内容】

以下、裁定事案の内容です(平成25年10~12月受付分裁定概要集・P11~13より転載)。

[事案25-18] 契約者貸付無効請求等
・平成25年11月11日 和解成立

<事案の概要>
 自分に無断で契約貸付が行われているが、これを受領していないことを理由に、貸付金等の支払等を求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 平成2年12月に、定期付終身保険から定期付終身保険に契約転換した。しかし、平成24年になって、契約転換直前に自分に無断で契約貸付が行われていること、転換後契約の内容についても、当時募集人に要望した内容と異なる内容で契約され、1年後に内容変更されていたことが判明した。、以下の理由により、貸付金とそれに対する利息を支払(主張①)、転換を取り消して転換前契約に戻してほしい(主張②)。

(1)契約貸付請求書の署名捺印は自分のものだが、契約貸付は断ったので記入したことの認識はなく、貸付金受取口座指定欄の筆跡は自分のものではない。また、平成24年まで受け取り預金口座の存在を知らず、平成3年1月に預金引出しの記録があるが、貸付金を受領していない。

(2)提案された転換プランに対してそれと異なる要望を募集人に伝え、署名捺印時の契約申込書には契約内容の記載はなく、白紙であったので、その要望に沿った内容であると誤信して契約転換した。

<保険会社の主張>
 以下の理由により、申立人の請求に応じることはできない。

(1)契約貸付請求書には申立人の署名があるので有効な貸付である。

(2)募集者が申立人に無断で貸付金振込先口座を開設したかどうかについては、貸付の有効性には影響せず、また、募集人が既に死亡しており当社の関知するところではない。

(3)申立人が記入・捺印した転換契約申込書には契約内容が明記されているので、申立人に錯誤等はなく、転換契約取消しを認める理由はない。

<裁定の概要>
 裁定審査会では、当事者から提出された申立書、答弁書等の書面および申立人の事情聴取の内容にもとづき審理を行った。審理の結果、以下のとおり、本件は和解により解決を図るのが相当であると判断し、指定(外国)生命保険業務紛争解決機関「業務規程」第34条1項にもとづき、和解案を当事者双方に提示し、その受諾を勧告したところ、同意が得られたので、和解契約書の締結をもって解決した。

1. 申立人の主張①について
 (1)募集人より事情聴取できなかったこともあり、事実関係は明らかではないが、申立人は、「契約貸付請求書」に署名捺印しており、転換後契約の1年分の前納保険料は、貸付金より払込まれていると思われることからすると、本件貸付は有効に成立していると考える余地もないわけではない。

 (2)しかし、契約者貸付も金銭消費貸借(民法587条)の要物契約としての法的性質を有すると考えられることから、金銭の授受が必要といえる。一方、本口座の開設は、申立人自身が行ったとは認められず、募集人を含む第三者が申立人の同意を得て行ったと認めることのできる証拠もないこと、申立人は本口座の存在を知らなかったと述べていること等の事情からすると、本口座を申立人の口座と認めることはできないので、本口座へ貸付金の振り込みがあったことをもって金銭の授受があったと認めることはできない。

 (3)また、本口座より引き出された貸付金が申立人に交付された、あるいは、申立人の同意を得て前納保険料として払い込まれたと認める証拠もないので、やはり金銭の授受があったと認めることはできない。

 (4)よって、本貸付は有効に成立したと認めることはできず、契約貸付が有効に成立していない以上、貸付金とそれに対する利息の請求は認められない。

2. 申立人の主張②について
 (1)契約申込書には、契約内容について分かり易く記載されており、転換後契約の内容について容易に知り得たといえるので、錯誤による無効は認められない。

 なお、申立人は転換後契約について要望に沿った内容であると誤信して契約転換したことや署名捺印時の契約申込書には契約内容の記載はなく白紙であったと主張しているが、そのような事実を認めることができる証拠は見当たらず、また仮に、申立人に要素の錯誤があったとしても、申立人には錯誤に陥ったことについて重大な過失があったといえ、申立人の錯誤無効の主張を認めることはできない。

 (2)もっとも、設計プランには、契約転換時に記載されたと考えられる申立人の手書きで、要望したという内容が記載されており、本転換は申立人の要望が取り入れられていなかった可能性がある。また、契約転換後、1年足らずで、転換後契約の保険金額を減額する変更請求がなされ、契約内容が申立人の要望に近い内容に変更されていることなど、不自然な本口座の開設を伴っていることからすると、そもそも本転換が適切になされていたのか疑問がないわけではない。

3. 和解について
 当審査会の判断は以上のとおりであり、本貸付が有効に成立したとは認められず、また、上記3(2)記載のとおり、契約転換が適切に行われていない可能性もあることを踏まえ、本件は、和解により解決すべきであると判断する。


以上です。

画像
↑、生活道路脇の側溝の淵に佇むクルマバッタモドキ(昨年7月撮影)。

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