米ドル建終身保険の契約を巡る裁定事案。

生命保険協会が取りまとめた、平成26年10~12月受付分の裁定概要集に(PDF)に、米ドル建終身保険の契約を巡る裁定事案がありました。

裁定概要集によりますと、事案の概要と申立人の主張は以下のとおりです。

<事案の概要>
 契約時の募集人による説明が不十分であることを理由に、契約の取消し又は無効、及び既払込保険料の返還を求めて申立てがあったもの。

<申立人の主張>
 平成24年3月に契約した米国ドル建終身保険は、最初、ライフプランニングに関する無料セミナーに参加し、その後、FPの個別コンサルティングが受けられる有料セミナーに参加したところ、生命保険の提案があって契約(契約時35歳)したもの。その際、「2~3年で払済保険に変更すれば、60数歳の時点では元本割れをしない」と説明され、他方、1年で払済保険に変更した場合、130数歳まで元本割れするのだが、そのことの説明がなく、契約内容(リスク等)を十分に理解しないまま契約したものであるので、契約を取消し(主張1)または無効(主張②)とし、既払込保険料を返還してほしい。

…この事案は既に和解が成立しています。

<裁定の概要>を読む限り、FPが行った募集行為は論外ですね(契約者が保有する資産に対して、支払い保険料が過大である。適合性確認では事実を正確に記載すべきなのに、事実と異なることを記載し、保険会社に報告していた)。

適切な募集を徹底するために、募集上のルールが策定されているにもかかわらず、こうした不適切な募集行為がなくならないのは本当に残念です。

【事案の内容】

以下、裁定事案の内容です(平成26年10~12月受付分裁定概要集・P2~3より転載)。

[事案25-201] 契約無効・既払込保険料返還請求
・平成26年12月26日 和解成立

<事案の概要>
 契約時の募集人による説明が不十分であることを理由に、契約の取消し又は無効、及び既払込保険料の返還を求めて申立てがあったもの。

<申立人の主張>
 平成24年3月に契約した米国ドル建終身保険は、最初、ライフプランニングに関する無料セミナーに参加し、その後、FPの個別コンサルティングが受けられる有料セミナーに参加したところ、生命保険の提案があって契約(契約時35歳)したもの。その際、「2~3年で払済保険に変更すれば、60数歳の時点では元本割れをしない」と説明され、他方、1年で払済保険に変更した場合、130数歳まで元本割れするのだが、そのことの説明がなく、契約内容(リスク等)を十分に理解しないまま契約したものであるので、契約を取消し(主張1)または無効(主張②)とし、既払込保険料を返還してほしい。

<保険会社の主張>
 以下の理由により、申立人の請求に応じることはできない。

(1)設計書および契約締結前交付書面の契約概要・注意喚起情報により重要事項等を説明しており、特段の不適切な取扱いは存在しない。

(2)保険契約は契約満了までの継続を前提として販売しており、1年目で払済保険に変更した場合の説明がなかったことだけをもって、説明不足による契約無効とはならない。

<裁定の概要>
 裁定審査会では、当事者から提出された申立書、答弁書等の書面および申立人、募集人の事情聴取の内容にもとづき審理を行った。審理の結果、以下のとおり、本件は和解により解決を図るのが相当であると判断し、指定(外国)生命保険業務紛争解決機関「業務規程」第34条1項にもとづき、和解案を当事者双方に提示し、その受諾を勧告したところ、同意が得られたので、和解契約書の締結をもって解決した。

1.主張①について
 消費者契約法4条2項本文(不利益事実の不告知)にもとづく取消しを求めるものと考えられるが、同法4条では、「重要事項」とは、「当該消費者契約の目的となるものの質、用途その他の内容または当該消費者契約の目的となるものの対価その他の取引条件であって、消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきものをいう」と規定されている。米国ドル建終身保険の解約返戻金額も、明らかではないが、これに該当するものとして以下検討する。

 「2~3年で払済保険に変更すれば、60数歳になったら元本割れはない」と告げること(A)は、「重要事項または当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げること」にあたり、他方、「1年で払済保険に変更した場合には、解約返戻金額が既払込保険料額(元本)を上回る年齢は計算上130数歳となる」との事実(B)は、一応「当該消費者の不利益となる事実」と言えそうだが、一般平均的な消費者は、通常、AによりBが存在しないであろうとは考えないと思われるので、Bは、当該告知により当該事実が存在しないと消費者が通常考えるべき当該消費者の不利益となる事実には該当しないと考えられる。また、募集人の故意性は認められず、主張①は認められない。

2.主張②について
 民法95 条本文(要素の錯誤)にもとづき無効を求めるものと考えられ、錯誤の内容は、「1年で払済保険に変更しても、2~3年で払済保険に変更した場合と解約返戻金の額は大きく変わらないと誤解していたこと」と考えられるが、この誤解は、「動機の錯誤」であるが、契約の際、申立人が当該動機を募集人に対して表示していたと認めることはできない。仮に動機が黙示的に表示されていたとしても、要素の錯誤とは考えられず、主張②は認められない。

3.和解について
 しかしながら、以下の理由により、本件は募集行為に不適切な点があったので、和解による解決が相当であると判断する。

(1)募集人が契約時に作成した取扱報告書によると、申立人は当時無職であり、貯蓄額(約120万円)から保険料(年間約68万円)を支払い続けることは困難であったと思われる。

 さらに、「適合性確認」として、年換算保険料が契約者年収の20%以内であることを確認することが社内取扱い上、必要であるが、契約者年収に加算される扶養者(申立人の父親)年収について、父親の職業とともに全く異なる記載がされていたことが窺われ、適切に適合性の確認が行われたか大いに疑問である。

(2)募集人は「契約締結前交付書面」を、申立人が申込書作成後に交付しているが、同書面は、文字どおり、契約締結前に交付すべきものである。


以上です。

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↑、オオイヌノフグリにやってきたハナアブ。上から、ホソヒラタアブ・メス、オオハナアブ、ホソヒラタアブ・オス、フタホシヒラタアブ(先月撮影)。

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