現役保険営業マンの「生命保険徒然日記」

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zoom RSS 法人向け定期保険で、販売停止や一時販売停止が相次いだ理由。

<<   作成日時 : 2019/03/05 00:21   >>

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先月14日以降、生命保険各社が法人向け定期保険において、新契約の一時停止や停止に相次いで踏み切りました。

3月1日の日本経済新聞朝刊に、そのことに関する記事がありました。

記事によりますと、

< 途中解約を前提に、企業が保険料の全額を損金として税務処理できる節税保険にメスが入った。2017年春の登場以来、節税をあおる売り方が過熱していた中小企業向けの経営者保険は金融庁や国税庁から売り止めを迫られた。背景には契約者の需要の高さに加え、業界の販売優先の姿勢もあった。>

とのことです。

【管理人の感想】
1.付加保険料の実態調査と税務通達変更の検討

日経は、金融庁と国税庁が販売停止を迫ったかのごとく報じていますが、これはかなり誇張又は事実を曲解していると思います。

以前の記事でも申しましたが、先月14日以降、生命保険各社は「災害保障型定期保険」の新契約取扱停止と、解約返戻率が50%を超える法人契約の定期保険等の新契約取扱を一時停止する―と、代理店などに通知しました。

まず、災害保障型定期保険に影響(販売スケジュールの変更など)を与えたのは、金融庁が昨年、生保各社に実施した「付加保険料の実態調査」です。

この調査は、平成18年(2006年)4月以降の新契約や新商品を対象に施行された、「保険業法施行規則の一部を改正する内閣府令」及び「保険会社向けの総合的な監督指針」の改正に基づくもので、定期的に行われています。

この調査によって<合理的な理由もなく契約後半の予定維持費を大幅に引き上げているものなど、保険数理に基づく合理性や妥当性を欠いていると思われる事例が認められた。>(平成30年11月16日 生命保険協会との意見交換会)という指摘がなされました。

このことにより、ある保険会社は11月に予定していた販売開始を先月2日にまで延期し、保険料の全額損金算入を断念して販売にふみきりました。

また、別の保険会社では調査を踏まえて、別の法人向け定期保険の付加保険料の設定方法を見直すこととし、米ドル建ての介護保障定期保険は4月に販売停止、長期平準定期保険を4月に訂料という決断をしました。

ところが、2月に国税庁が生保各社に対して、法人向け定期保険の税務通達変更を検討していると通知を出しました。

通知を受けた生保各社は、税務通達が見直される可能性が高いと判断し、14日をもって、法人向け定期保険等の即日販売停止(一時販売停止を含む)および販売停止の対象商品の追加情報更新に追われることになりました。

2.保険業法施行規則の一部改正等の趣旨
日経は、平成18年に施行された「保険業法施行規則の一部を改正する内閣府令」及び「保険会社向けの総合的な監督指針」の改正について、

< 今回、金融庁を怒らせたのはそのやり方だった。「保険会社の経営として、美しくないと感じざるを得ない」。金融庁の遠藤俊英長官は2月15日、生保各社首脳との意見交換会で、各社の姿勢を批判した。生保の商品開発を促す規制緩和を本来の意図とは異なる使い方をしたことへのいら立ちがにじむ。

 付加保険料と呼ぶ生保会社の運営コスト※を金融庁の認可外にし、ここを生保会社が努力で安くして保険料下げるのが目的だった。だが経営者保険では付加保険料を膨らませて契約者が損金扱いできる保険料を高くして人気をあおった。>


※:付加保険料は生保の運営コスト(人件費等)ではありません。詳しくはこちらをどうぞ。

と書いていますが、これは上記改正の趣旨を理解できていないとしか思えない内容です。金融庁のHPには、その趣旨が以下のように記載されています。

< 保険会社の経営効率化への取組み等の経営努力を保険料に適時適切に反映させる観点から、保険料のうち保険数理に直接よらない部分を中心に商品審査を簡素化するとともに、事業費に関する充実したモニタリングを行うことにより、監督の実効性の向上を図り、保険料の合理性・妥当性・公平性を確保した上で、保険商品の価格の弾力化を促進する。このため、保険業法施行規則、保険会社向けの総合的な監督指針の一部の改正を行う。>

最後に…法人向け定期保険等に関して監督当局から生保業界に

「法人向け定期保険等の募集時に保険本来の機能である死亡保障等について説明がなされず、節税メリットやピーク時払戻率の説明ばかりが過度に強調されているのではないか」

―という指摘がありました。今回の件は生保各社、および保険本来の趣旨から逸脱した契約を獲得してきた代理店が深く反省すべきです。

【記事の内容】
以下、記事の内容です。

―日本経済新聞 2019年3月1日朝刊―

【節税保険 販売過熱にメス】

 途中解約を前提に、企業が保険料の全額を損金として税務処理できる節税保険にメスが入った。2017年春の登場以来、節税をあおる売り方が過熱していた中小企業向けの経営者保険は金融庁や国税庁から売り止めを迫られた。背景には契約者の需要の高さに加え、業界の販売優先の姿勢もあった。

 「まだ販売できる商品があります。駆け込み需要にお応えできます」。交流サイト(SNS)上には経営者保険を扱う代理店によるこんな書き込みが残る。

 2月13日に国税庁が節税保険の税務上の取り扱いを見直すと業界に伝えると、日本生命保険など大手は即座に販売自粛に動いた。だが外資系や中堅生保の一部で2月下旬まで売る動きももあり、未練たっぷりな現場の様子がうかがえる※。

※管理人補足:2月下旬まで…というのは、国税庁から「税務通達の変更を検討している」との通達が出た時点で、既に提案済みの案件に限ったいわば特例措置です。新規提案は即日停止となっています。

 大手生保が販売店に設定した経営者保険の販売手数料は「初年度に支払う保険料の8割※に上るものもあり代理店が一斉になびいた」(中堅生保の営業担当者)。昨年は2〜3月に30件以上の契約を得て数億円もの手数料を稼いだ代理店もあったという。

※管理人補足:代理店の手数料が初年度の保険料の8割を占めるという印象を受ける誤った報道です。代理店手数料は契約者が支払う保険料から直接徴収するものではありません。

保険会社が領収した保険料に、所定の手数料率を乗じて支払われます。

 この節税保険ブームの発端は日本生命が17年4月に発売した「プラチナフェニックス」だ。マイナス金利政策によって円建の終身保険は予定利率を下げざるを得ず、多くの円建保険は販売停止に追い込まれた。「業界秩序を守る立場。だがマイナス金利で商品が出せずリスクをとってしまった」。当時を知る日生幹部は語る。

 後発とはいえ業界最大手の日生が節税保険を手掛けたことがお墨付きになり、第一生命ホールディングス傘下のネオファースト生命保険など各社が類似商品に雪崩を打って参入。18年3月に取り扱いを始めたネオファーストは4〜12月の新契約年換算保険料は前年同期比で40倍の888億円に膨らんだ。

 「経営者保険がどれだけ売れているのか、業界は把握しているのか」。国税庁は昨夏、生保業界への聞き取り調査で繰り返した。業界推計では17年度の経営者保険の市場規模は約8000億円。5年前から6割も増えた。

 節税商品を巡っては生保業界と国税当局は度々衝突してきた。法人税の基本通達では原則、保険料の損金計上を認めている。だが08年は「逓増的保険」で、12年は「がん保険」で国税庁は法人保険料を全額の損金とすることを制限してきた。

 「契約者が法人で、契約期間が3年以上の定期保険と第三分野保険のうち解約返戻率が最大で50%を超えるもの」。今回、国税庁は幅広い保険商品を対象とした通達見直し方針を示した。

 今回、金融庁を怒らせたのはそのやり方だった。「保険会社の経営として、美しくないと感じざるを得ない」。金融庁の遠藤俊英長官は2月15日、生保各社首脳との意見交換会で、各社の姿勢を批判した。生保の商品開発を促す規制緩和を本来の意図とは異なる使い方をしたことへのいら立ちがにじむ。

 付加保険料と呼ぶ生保会社の運営コストを金融庁の認可外にし、ここを生保会社が努力で安くして保険料下げるのが目的だった。だが経営者保険では付加保険料を膨らませて契約者が損金扱いできる保険料を高くして人気をあおった。

 経営者向けの保険には、万一の死亡時の保障も確保しつつ、退職地の慰労金を積み立てていくというニーズも根強い。今回は節税を過度に強調した商品や売り方が問題になり、本来的なニースに応える商品にまで売り止めが広がった。代償は重い。

【節税効果には疑問―実際は「納税の先延ばし」】
 大手生保各社が相次いて販売を止めた「節税保険」。納税額を減らしたい中小企業経営者のニーズをつかみ爆発的に売れたが実際は節税効果がないとの指摘も多い。“商品価値”が根本から揺らぐが、どういうことか。

 経営者向け保険が節税保険とされるのは支払った保険料を全て損金扱いでき、税金がかかる利益を減らせるためだ。

 1億円の利益が出ても2000万円の保険料を支払えば、法人税は8000万円に対してかかる。また、途中解約すると支払った保険料の大部分が戻るため通称「節税保険」と呼ばれてきた。

 ただ節税には重要な前提がある。保険料を払う段階では課税所得を減らせる。だが途中解約で多額の返戻金を受け取れば利益となって税金がかかる。このとき利益を打ち消せるだけの退職金や設備投資などの費用があって、初めて節税になる。

 費用がないのに返戻金を受け取ると納税時期を先延ばししただけで節税効果がないとの苦情も多いという。そもそも利益を打ち消すだけの正当な費用があれば、保険の有無に関わらず課税対象は圧縮できる。

 金融庁幹部は「節税保険というのは幻想だ」と話す。中小の経営者が節税保険に魅力を感じるのは、納税額を減らすために経費で高級車を買うケースに通じる。ただ途中解約で利益が出る点が決定的に違う。営業現場では仕組みを丁寧に説明しないまま「全損」の言葉が躍っていたようだ。

 「もうすぐ売れなくなります。今のうちですよ」。国税庁や金融庁は「売り止め話法」と呼ばれる営業に警戒を強めている。


以上です。

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