金融庁、「法人等向け保険商品の設計上の留意点」などを新設した、保険会社向けの総合的な監督指針の一部改正(案)に対するパブリックコメントを公表。

10月21日、金融庁はHPにて、「法人等向け保険商品の設計上の留意点」と「商品および顧客の特性を踏まえた保険商品の実施等」を新設した、保険会社向けの総合的な監督指針の一部改正(案)に対するパブリックコメントを公表*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。
  • 「保険会社向けの総合的な監督指針」の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等について

  • 別紙1 コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方(PDF)

  • 別紙2 保険会社向けの総合的な監督指針 本編(新旧対照表)(PDF)

  • 別紙3 保険会社向けの総合的な監督指針 様式・参考資料編(新旧対照表)(PDF)

    【管理人の感想】
    パブリックコメント数は38あり、大半(38のうち31)が規定の理解や規定が設けられた理由についてでした。残りの7は「その他」という区分になっていますが、管理人にとっては興味深いものばかりでした。

    特にNo.33、34のコメントは募集活動においてとても勉強になるコメントだと思います。

    【興味深かったコメント】
    以下、管理人にとって興味深かったパブリックコメントです(「別紙1」より抜粋・転載)。

    No.32
     法人向け保険商品の設計上の留意点として、保険本来の趣旨を逸脱するような募集活動につながる商品内容になっていないかという観点を明示するのは、非常に時宜にかなった改正と理解する。一方で拙速な改正は、保険会社のガバナンスに悪影響を及ぼすことを懸念する。例えば、一時期、ERMの推進が叫ばれた時代があった。これも時宜にかなった改正ではあったが、一方で、これが社内政治の原因となり、例えばリスク管理統括担当役員が経営数理担当役員を裏で貶めようとした等、よく巷で言われるようなことが頻発し、保険会社の経営を歪めてしまったことは記憶に新しい。我が国の保険会社の文化も踏まえ、慎重な監督をお願いしたい。

    金融庁の考え方
     貴重なご意見として承り、今後の参考とさせていただきます。

    No.33
     「保険会社向けの総合的な監督指針」だが、このような指針を出すなら税金の事に対して正確な回答を得られる相談ダイヤルを設けるべきではないか。具体的な事案に対して国税庁も所轄も保険の知識が無い相談員が多くて当てにならない。

     現状、非常に困っているのは、「法人で支払っていた医療保険を勇退時に被保険者に譲渡し契約者を変更した場合、その後に生じた保険金の支払い時に非課税となるか。」という案件。普通に考えると契約者を変更しても負担者が法人だったのだから受け取る保険金は課税と思われるのだが、ほとんどの保険会社は、医療保険は非課税なので自信を持って販売してほしいと言われる。2017.4.13の札幌高裁の事案でも、保険会社が自信を持って販売しろと言った商品が後に税法上の取り扱いの見解の相違でお客様に大変な迷惑をかけている。この事案で保険会社が責任を取ったのかというと、何もなかったかの如く営業をしている。こんなのは保険会社へのペナルティとして責任を取らせるべきではないかと考える。保険会社のデタラメな見解で損害を被るのは、いつも募集人とお客様である。保険会社の言う非課税はコンプライアンス違反ではないか。

    金融庁の考え方
     税務上の取扱い等に関して、金融庁は考えを述べる立場にはありませんが、貴重なご意見として承り、今後の参考とさせていただきます。

    No.34
     保険代理店に勤めている者です。
    法人保険の商品や販売方法についての事ですが、保険本来の趣旨を逸脱した募集行為が横行しているのは募集人の責任ではありません。保険会社には募集人向けの営業担当者がいますが、この担当者から販売方法を教わっている訳で、元はと言えば「こういう売り方をしなさい」と言っているのは保険会社です。

     また、わざわざ改正された税制などに合わせた商品を開発するのですから、募集人は踊らされているに過ぎません。法人保険は所謂、法人の資金を経営者に移転する行為を取り締まるための改正をしてきた歴史があります。保険会社の中には「支払調書が変更になったのは個人契約の相続贈与の申告のため」などと説明している営業担当がいます。

     法人個人間の資金移転行為は、定期保険でも医療保険でもシッカリと取り締まるべきです。医療保険の支払調書が発行されないのをいい事に、法人の医療保険を積極的に販売させるのは如何なものか。

     こうした税制の勝手な解釈で被害に遭うのはいつも現場です。損金算入の可否は入り口の話ですが、トラブルになるのは保険金支払い時の出口です。入り口を取り締まるだけでなく出口での課税を保険会社に指導すべきです。

    金融庁の考え方
     貴重なご意見として承り、今後の参考とさせていただきます。

    No.35
     このパプリックコメントは、フィデューシャリー・デューティーに関するものだと理解しております。金融行政の目下の課題には、フィデューシャリー・デューティーとともに、InsurTechの育成があると理解しております。

     InsurTechの揺籃期においては、レジャー保険といった、実質的には被保険利益がなく、ノリで入る保険も認める必要があると考えられ、両者には政策的矛盾・対立が一時的には生じざるを得ないものと考えております。従って、目下、InsurTechの推進母体である少額短期保険業者向けの監督指針には、本監督指針のような改正が行われることはなく、かつそのような行政指導も行われることがないことを確認させて頂きたいと考えております。ご当局の InsurTech推進のためにも、ぜひ明確なご回答を頂くことをお願いいたします。

    金融庁の考え方
     デジタル技術を活用した商品を取り扱う場合等においても、顧客本位の業務運営を実現されることを期待しております。デジタライゼーションの進展への対応と顧客本位の業務運営は矛盾するものではないと考えております。

     また、少額短期保険業者向けの監督指針においても、商品概要書の記載事項に販売時の留意点等に係る項目を追加する等、本監督指針と同様の趣旨での改正を検討しております。

    No.36
     商品審査においては、商品の加入目的や販売方法等の他、今日的には、特に情報端末から保険加入を想定した場合において、取得した情報の利用に関する着眼点も必要ではないか。InsurTech関係者が、Auth認証でここまで取っていいのといえるほどの個人情報が山ほど取れると誇っていたとの話も聞く。是非、今回の改正にこのような点も織り込んで頂きたい。

    金融庁の考え方
     保険業法施行規則第11条第2号の2で情報端末等を利用する場合の審査基準が定められております。また、監督指針Ⅳ-1-12(今回の改正でⅣ-1-13)において、インターネットによる商品販売の取扱いとして、審査上の留意点を定めております。

     貴重なご意見として承り、今後の参考とさせていただきます。

    No.37
     保険商品に対する加入目的、それに応える商品設計というのは、最近、かなり曖昧になっていないか。例えば有名 SNSで加入できる超小口の損害保険がある。これは、形式的には保険利益は存在するかもしれないが、本質的に、保険でカバーする必要性を持った人はいるのだろうか。最近ではさらに、P2P保険等、いわゆるカッコいい言葉で、このような必要のない保険を糊塗するような動きも激しい。InsurTechという流行り言葉に乗る形で、荒稼ぎしてやろうと、保険数理士、SE、弁護士、会計士と、あらゆる分野からの参入が見られる。そして、このような保険ではない保険であるにも関わらず、有名な経済新聞紙でさえも、まるで時代の寵児のように持て囃している。さらに当局も、このような保険もどきに規制サンドボックスの安易な適用等、後から振り返って、本当に大丈夫なのだろうかと思われるような動きをしているようでならない。ただ勘違いしないで欲しい。InsurTech自体を否定しているのではないのだ。こういう InsurTechが必要とされる時代だからこそ、まさに今回のパブコメが求めているような、保険本来の必要性が厳しく問われるべきなのだ。強欲な資本家から、保険契約者を守るためには、今回のパブコメは、その第一歩ではあるとしても、いかにも力不足である。今回のパブコメに反対するものではないが、さらなる取組みに期待したい。

    金融庁の考え方
     貴重なご意見として承り、今後の参考とさせていただきます。

    No.38
     今回の改正案の背景には、法人向け生保商品や外貨建保険など、保険としての適合性に関する問題が顕在化したことがあると承知している。このような問題への対処は、フォワードルッキングでなければならない。これから大きな問題となりそうなのは、いわゆるスマホ保険やレジャー保険といった、携帯端末で気軽に加入する小口保険であろう。このような商品は、従来は、保険会社側では小口の割に手間が大きくビジネスに乗らないとされ、消費者側では損害額が大きくなく被保険利益がないとされてきた。しかしながら、情報技術の発展によりこの前提が変わってきている。このような状況において、当局は、フォワードルッキングな対応が求められよう。妙に物分かりの良い人は、今後は、このような手軽に入れる小口の保険が重要になるというであろう。確かにそのようなものもあるかもしれないが、大半はやはり被保険利益のない、ノリで入り、消費者にとっては気付かないうちに損をしてしまう保険であり、近い将来、商品審査・募集取締が必要となることは想像に難くない。従って、今回の改正の趣旨を踏まえつつも、さらにフォワードルッキングの視点を持ち、このような保険に対する商品審査上の留意点も追加頂くようお願いしたい。

    金融庁の考え方
     貴重なご意見として承り、今後の参考とさせていただきます。


    以上です。

    DSC03698.JPG↑、カラスアゲハ・春型♂の吸水行動(5月撮影)。

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