「標準利率0%」の時代が到来?

11月16日の日本経済新聞・朝刊に、生命保険の標準利率に関する記事がありました。

記事によりますと、

< 「標準利率ゼロ」の時代が到来した。標準利率は生命保険会社が契約者に約束する運用利回りの参考となるもので、貯蓄型の円建一時払終身保険の標準利率が初めて0%になる。契約者に一定の利回りを約束して運用すれば保険会社の利益が圧迫されるので、各社で販売休止の動きが広がっている。外貨建保険が円建に代わる受け皿となるが、為替リスクに注意が必要だ。>

とのことです。

【管理人の感想】
記事の内容は10月の朝刊記事を加筆した程度ですね。その記事についてはこちらをどうぞ。

上記を含めた過去記事で何度も触れてまいりましたが、今回の記事でも、日経は「予定利率」と「標準利率」の区別がついていません。まず「標準利率」ですが、これは将来の保険金の支払いに備えて積み立てるべきお金(標準責任準備金)の計算基礎率のひとつです。

次に「予定利率」ですが、これは生命保険契約者が支払う保険料の計算基礎率のひとつです。

2020年1月から0%になるのは、一時払終身保険の「標準利率」です。現行の0.25%からさらに引き下げられるわけです。これにともない、生命保険会社は標準責任準備金を積み増す必要があります。

予定利率を据え置くとその分、保険会社に負担が重くのしかかります。そのため、生命保険会社は一時払終身保険の予定利率を引き下げて販売を継続…とは限りません。

マイナス金利政策が導入され、現行の0.25%に引き下げられた時に、収益性が保険会社の想定を超えて悪化し、各保険会社は円建ての一時払終身保険の新規契約を停止しました(その後、長期金利の改善が見込まれるなどの理由で販売を再開した保険会社もあります)。

標準利率が0%となれば、一時払終身保険の収益性は一段と悪化することが考えられます。マイナス金利政策導入以後、こうした逆風が続いており、迷惑しております。さっさとマイナス金利政策など止めてほしいものです。

【記事の内容】
以下、記事の内容です。

―日本経済新聞 2019年11月16日朝刊―

【生保、利率ゼロ%時代に―外貨建は為替変動に注意】

 「標準利率ゼロ」の時代が到来した。標準利率は生命保険会社が契約者に約束する運用利回りの参考となるもので、貯蓄型の円建一時払終身保険の標準利率が初めて0%になる。契約者に一定の利回りを約束して運用すれば保険会社の利益が圧迫されるので、各社で販売休止の動きが広がっている。外貨建保険が円建に代わる受け皿となるが、為替リスクに注意が必要だ。

 標準利率は生保商品の運用利回りの土台となるもので、金融庁が計算式を決めている。具体的には10年物国債と20年物国債の市場金利に連動する。

 2020年1月からは一時払終身保険の標準利率が現行の0.25%から0%になる。すでに一時払養老保険の標準利率は0%だ。

 一時払終身保険は運用商品としての人気が高いので影響が大きい。契約時に約束した利回り(予定利率)で運用し、契約から一定期間を過ぎて解約すれば、払い込んだ保険料を上回る解約返戻金を受け取ることができる。保険料は契約時に一括して払い込む。90歳で加入できる商品もある。

 死亡時に受け取る保険金は、法定相続人1人当たり500万円の相続税の非課税枠がある。節税を目的とした利用も一般的だ。

◇円建販売休止も
 標準利率が0%になったときに一定の利回りで運用することを契約者に約束すると、保険会社の利益は圧迫される。保険会社は一時払終身保険の販売休止や運用利回りを下げて保険料を上げるといった対応を検討している。

 例えば、明治安田生命保険は10月、営業職員が扱っていた「エブリバディ」の販売を休止した。主に信用金庫で販売するフコクしんらい生命保険も「5年ごと利差配当付き終身保険」について「販売休止も視野に検討している」と明かす。

 一方、住友生命保険は銀行ん窓口で扱う「ふるはーとJロードプラス」の利率を11月に0.25%から0.15%に引き下げ、販売を当面続ける方針だ。日本生命保険とT&Dフィナンシャル生命保険は商品の取り扱いについて、1月以降の対応を検討中だ。

 T&Dフィナンシャル生命は18年10月、「みんなにやさしい終身保険」に業界で初となる円建と外貨を組み合わせたコースを追加した。同社の遠藤誠一企画部長は「円だけで魅力ある利率を提供することは難しくなっている」と話す。

 11月時点の運用利回りは円建100%の場合は0.27%、米ドルを25%入れると0.52%、米ドル50%だと0.85%になる。外貨建保険には為替変動によるリスクがあるが、円を一定程度組合わせてリスクを抑える商品内容にした。

 販売の見直しは一時払終身以外の貯蓄性の高い保険商品にも広がる。ソニー生命保険は11月から代理店で円建の学資保険の販売を休止し、営業職員による販売だけにした。

 円建はリスクが少なく、業界推計によると、銀行窓口で年間6000億円、営業職員経由で1000億円の市場規模がある。代わりに各社は外貨建の商品に力を入れている。為替リスクや複雑な商品内容を理解したうえで購入を考えよう。

 外貨建保険を巡るトラブルは増えている。生命保険協会によると、銀行窓口での18年度の苦情件数は2543件と前年度から3割増えた。為替リスクの説明が不十分といった内容や、高齢の契約者の親族からの苦情申し出が多い。

 ファイナンシャルプランナーの竹下さくら氏は「円建保険の仕組みはシンプルだが、外貨建はリスクが伴い設計も複雑だ。契約時には親族と一緒に説明を受けるなど、十分に気を付ける必要がある」と話す。

◇契約時の利率確認
 既に一時払終身保険を契約している人は、契約時の運用利回りを確認したい。利回りが3%以上だった場合は一般的に「お宝保険」と呼ばれる、バブル期には5%以上の商品もあった。新しい商品に乗り換えるのではなく、契約の維持を考えた方がよい。

 利率0%時代の商品選びは難しい。為替リスクを背負ってでも高い利率を得たいのか、シンプルな保障を得たいのか、吟味したい※。

※管理人追記:そもそも保険は資産運用の手段ではなく、保障を確保するための契約です。流動性に劣る保険商品を「資産運用の手段」とすること自体に無理があります。

資産運用は株式投資や投資信託、国内外の債券といった金融商品を活用すればいいのです。


以上です。

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↑、羽化直後のアオサナエ(5月撮影)。

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この記事へのコメント

がくがくダック
2019年11月20日 16:25
0%時代到来・・・節税対策商品も・・問題有りと言われ
生保関連は何やってもダメなぁ時代到来ですか
2003年失業率5%?リーマンショックも失業率5%?景気が悪い話でも
利率と言える数字は有った・・アベノミクスで景気は上向き株価も好調
利率は0%到来?会社も大変だがぁ・・
代理店は行末はぁ・・・
現役保険営業マン
2019年11月22日 22:35
>がくがくダックさん
法人向け商品の件ですが、今までも国税庁や金融庁からルール変更という形で、指導を受けてきましたよね。

やっとまともに保険の本質に立ち返った提案ができる、個人的はそう考えています。

いままで「節税話法」で荒稼ぎしてきた、不誠実な代理店には退場していただきましょう。