入院給付金の支払いを巡る裁定事案。

生命保険協会が取りまとめた、令和元年7~9月の裁定概要集(PDF)に、入院給付金の支払いを巡る裁定事案がありました。

裁定概要集によりますと、事案の概要と申立人の主張は以下のとおりです。

<事案の概要>
 集中加入等を理由に契約解除されたことを不服として、契約解除の取消しおよび入院給付金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 高血圧により約3ヵ月間入院したため、平成29年2月に契約した医療保険にもとづき入院給付金を請求したところ、同時期に集中的に医療保険等に加入していること等を理由に、契約を解除され、給付金も支払われなかった。しかし、以下の理由により、契約解除を取り消して給付金を支払うか、契約を無効とし、既払込保険料を返してほしい。

(1)以前に医療保険を契約した代理店から契約したが、契約時、給付金の日額が多い場合には契約を解除される胸の説明がなかった。

【管理人の感想】
この事案は既に裁定打ち切りとなっています。

さて、契約解除の理由ですが、<保険会社の主張>を読むと「重大事由による解除」※であることが分かります。契約解除した保険会社は、

1)申立人は入院時に計9件の医療保険に加入しており、うち5件は約1年間に集中的に加入している。

2)9件の医療保険の入院給付金日額合計は約8万円である。

3)請求事由となった入院は最後の医療保険の加入日から2週間もしないうちに開始しており、全社から給付金支払を受ければ約650万円の利得を得ることになる。


―という旨の主張をしています。

おそらく「支払査定時照会制度」で、申立人の他社契約状況を把握し、契約解除の判断を下したものと思われます。管理人個人としては、妥当な判断であると思います。

ただ、一つ疑問なのが契約を取り扱った代理店の対応です。<申立人の主張>を読む限りでは、すべて同一代理店で契約を締結したように思われます。

もしそうなら、いったい募集人と代理店は何をしていたのでしょうか?取扱者報告書には、他社の契約状況を記入することになっています。正しく記入していれば、このような事態を防げたはずです。

※ご契約のしおりには、事例として

<他の保険契約との重複により、被保険者にかかる給付金額などの合計額が著しく過大であって、保険制度の目的に反する状態がもたらされるおそれがあるとき>

―と記載されています。

【事案の内容】
以下、裁定事案の内容です(令和元年7~9月裁定概要集・P46~47より転載)。

【事案30-274】入院給付金支払等請求
・令和元年7月19日 裁定打ち切り

<事案の概要>
 集中加入等を理由に契約解除されたことを不服として、契約解除の取消しおよび入院給付金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 高血圧により約3ヵ月間入院したため、平成29年2月に契約した医療保険にもとづき入院給付金を請求したところ、同時期に集中的に医療保険等に加入していること等を理由に、契約を解除され、給付金も支払われなかった。しかし、以下の理由により、契約解除を取り消して給付金を支払うか、契約を無効とし、既払込保険料を返してほしい。

(1)以前に医療保険を契約した代理店から契約したが、契約時、給付金の日額が多い場合には契約を解除される胸の説明がなかった。

<保険会社の主張>
 以下の理由により、申立人の請求に応じることはできない。

(1)約款では、他の保険契約との重複により、被保険者にかかる給付金額等合計額が著しく過大であり、保険制度の目的に反する状態がもたらされるおそれがある場合に、契約を解除できることとしているが、申立人は、本事案の入院時、少なくとも9件の医療保険等に加入しており、その入院給付金日額の合計は約8万円と過大である。

(2)医療保険9件中、5件の契約は、約1年の間に集中的に加入されたものである。

(3)本入院は、9契約中最後の医療保険に加入した日から2週間も経たない間に開始したものであり、加入態様や請求時期に鑑みて極めて不自然である。申立人は、本入院に関して全社から給付金支払いを受ければ、約650万円の利得を得ることとなり、保険制度の目的に反する状態がもたらされるおそれがある。

<裁定の概要>
1.裁定手続
 裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、入院時の状況等を把握するため、申立人に対して事情聴取を行った。

2.裁定結果
 上記手続の結果、本事案において、保険会社による契約解除の妥当性について判断するためには、申立人の収入および生活状況、他契約の給付金の支払履歴および給付の妥当性、各契約の加入の経緯等の事情を総合的に勘案して判断する必要がある。これらの事情を明らかにするためには、第三者に対する資料提出要請や、各契約の募集人あるいは医師等の第三者に対する尋問等の手続きが必要となるところ、当審査会はこのような手続きを持たず、この点について明らかにすることは困難であるため、裁定手続を打ち切ることとした。


以上です。

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↑、ナミアゲハ・夏型♂の集団吸水(昨年5月撮影)。

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