法人向け保険や一部外貨建保険で解約が増加。日経報道。

8月26日の日本経済新聞朝刊に、生命保険の解約動向についての記事がありました。

記事によりますと、

< 中小企業の利用が多い経営者保険などを中心に生命保険の解約が増えている。主要生保23社の4~6月の保険解約に伴う支払額は計1兆4000億円弱と前年同期比で約1000億円増えた。個人が利用する外貨建保険でも解約が目立つ。新型コロナウイルス禍で企業や家計の収入が減り、保険の解約で手元にお金を確保しようとしている。

 日本、第一、明治安田、住友の大手4社とその傘下生保、中堅、外資系や損保系の生保2社の4~6月の解約返戻金を集計した。このうち12社で解約返戻金が増えた。>


とのことです。

【管理人の感想】
記事を読む限り、解約が増加したのは法人向けの保険商品(主に定期保険)と、一部の外貨建一時払終身保険(窓販が主力チャネル)のようです。

法人向けの保険商品の解約増加の背景には、短期の流動性資金を確保することが必要となったところに、解約返戻率がピークまたはそれに近い状態だったことがあるようです。

保障の確保を目的として加入しているなど、解約を避けたいケースでは、保険料の払い込み猶予期間の延長という特別取扱いや契約者貸付制度の利用により、契約を継続させているようです。

解約が増加した外貨建保険は一部の一時払終身保険で、金融機関窓口で加入する商品のようです。保障の確保ではなく、資産運用の手段として契約した人たちが「目標残高」に達したと保険会社から通知されたことにより、解約に至ったようです。

新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない現状を考えると、課税の繰り延べを目的としている法人向けの保険は、今後も解約が他のケースよりも多くなるかもしれませんね。

【記事の内容】
以下、日経の記事の内容です。

-日本経済新聞 2020年8月26日朝刊-

【生保解約 コロナで急増-中小経営者、手元に資金】

 中小企業の利用が多い経営者保険などを中心に生命保険の解約が増えている。主要生保23社の4~6月の保険解約に伴う支払額は計1兆4000億円弱と前年同期比で約1000億円増えた。個人が利用する外貨建保険でも解約が目立つ。新型コロナウイルス禍で企業や家計の収入が減り、保険の解約で手元にお金を確保しようとしている。

 日本、第一、明治安田、住友の大手4社とその傘下生保、中堅、外資系や損保系の生保2社の4~6月の解約返戻金を集計した。このうち12社で解約返戻金が増えた。

 生保各社はコロナ禍に伴い、保険料の支払い猶予や無利子融資※を実施し、実績はそれぞれ約23万件、同5000億円(いずれも7月末時点)にのぼった。こうした解約防止策にもかかわらず、解約が増えたことになる。

※管理人補足:正しくは「契約者貸付」といいます。契約者は解約返戻金の範囲内でお金を借りることができます。通常は、契約者に所定の金利を負担していただきますが、生保各社は、契約者貸付の金利を0%にするという特別取扱いを実施しました。

 解約が特に増えたのは経営者向けの保険を扱う生保だ。第一生命ホールディングス(HD)傘下のネオファースト生命保険の4~6月の解約返戻金は前年同期比約8倍の23億円となり、エヌエヌ生命保険は3割増の647億円となった。経営者保険を主力とするほかの生保も軒並み解約が増えており、各社は経営者保険の解約増加が理由と説明する。

 経営者保険は死亡するなど経営者に万が一の事態があった際に会社に保険金が支払われる。中小企業の利用が多く、大黒柱の経営者がいないくなった際の業績の悪化に備えるものだ。保険料を会社の損金に計上できる※。

※管理人補足:損金に計上できる保険種類とできない種類があります。損金に計上できる保険種類も保険期間によってその範囲が異なったり、支払保険料の金額に制限が設けられていたりします。

 解約が増えたのは新型コロナウイルス感染症による景気の悪化をにらみ、手元資金を手厚くしたい企業が増えたためだ。大手でも明治安田生命保険の解約返戻金は1割増えた。

 日本生命保険など大手各社は2017年前後に、支払った保険料の大部分を解約時に受け取れる商品を発売。解約による節税を前提にした「節税保険」の販売競争が活発※になった。

※管理人補足:災害保障型定期保険など、一部の法人向け定期保険商品で実質返礼率などを競った結果、金融庁と国税庁から実態調査を受けることとなり、その結果、保障の提供という保険本来の役割から逸脱しているという指摘がありました。

また、国税庁からは保険料の経理処理に係る税務通達の変更がなされ、法人向け保険商品は相次いで販売停止となりました。その後、法人に保険を提案する際は、保険料を損金算入しても節税効果はないことを明記している資料を説明・交付することが義務付けられました。

 こうした経営者保険は返戻金が利益扱いとなり、それに見合う損失を計上できるタイミングでないと節税効果は出ない。コロナ禍の影響が出た4~6月は「解約する絶好のタイミング」(生保関係者)になったようだ。

 ネオファースト生命は経営者保険の発売から一定期間たち、解約時の返戻金が多くなる契約者が増えたことも影響した。

 保険を解約して当座の資金を確保する動きは個人向け保険でも出ている。三井住友海上プライマリー生命保険は外貨建保険の解約返戻金が前年同期比2.7倍の828億円になった。

 新型コロナウイルスの感染拡大で3~4月にドル円などの為替相場が乱高下し、外貨建保険の円換算の価値※が急変動した。同社には目標残高に達すると契約者に通知するサービスがあり、解約して資金を手元に置くことを選ぶ契約者が多かったようだ。

※管理人補足:おそらく、円換算後の保険金や解約返戻金のことを指しているものと思われます。

 こうした解約の動きは現時点では貯蓄性の高い保険商品が中心。掛け捨てで死亡時に病気になった場合に大きな保険金が得られる保障性の商品では、保険料の支払猶予期間延長などの効果もあり、今のところ解約は限定的だ。ただ家計の収入が今後大きく減れば、こうした保険にも解約の動きが広がる可能性がある。そうなれば、家計のリスクへの備えが小さくなることになりかねない。

 生命保険協会の根岸昭雄会長(明治安田生命保険社長)は7月、「新型コロナウイルスが家計を直撃し、保険を継続するのが難しい世帯が出ている」と新型コロナウイルスの影響に危機感を示した。

 生保協によると、近年の生保業界の解約返戻金の額は6兆円強とほぼ横ばいで推移してきた。生保各社は保険料の分割払い※など措置も講じており、こうした制度で解約増を防げるかが焦点になる。

※管理人補足:契約者が支払う猶予されていた保険料のことです。通常、保険料が月払いの場合2ヵ月分を併徴します。しかし、特別措置で猶予期間が延長されたため、一括で支払うことが大きな負担となっており、分割で支払うことも可能としています。


以上です。

DSC02173.JPG
↑、カラスノエンドウでアルファルファタコゾウムシの幼虫を捕食するナミテントウ(5月撮影)。

↓8月30日19:00現在で11位…横ばい状態です。皆様のワンクリックをお待ちしております。

人気ブログランキング


↓8月30日19:00現在で5位…横ばい状態です。皆様のワンクリックをお待ちしております。
にほんブログ村 その他生活ブログ 保険へ
にほんブログ村

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

ナイス

この記事へのコメント