がん給付金の支払いを巡る裁定事案。

生命保険協会が取りまとめた、令和2年10~12月の裁定概要集(PDF)に、がん給付金の支払いを巡る裁定事案がありました。

裁定概要集によりますと、事案の概要と申立人の主張は以下の通りです。

<事案の概要>
 がんではないことを理由に給付金が支払われなかったことを不服として、給付金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 平成31年3月にA病院で子宮頸部上皮内がんと診断され、令和元年5月にB病院に入院し子宮頚部切除術を受けたところ、平成25年8月に契約したがん保険にもとづき給付金を請求したところ、がんではないことを理由にがん入院・手術・退院後療養給付金が支払われなかった。しかし、以下の理由により、これらの給付金を支払ってほしい。

(1)A病院で「子宮頚部上皮内がん」と診断され、B病院を紹介されて入院・手術・退院となったが、B病院では「子宮頚部高度異形成」と診断された。しかし、A病院で「子宮頚部上皮内がん」と診断され、その後の一連の流れで入院したので、本入院は「診断確定された所定のがんの治療を直接の目的」とする入院に該当する。

(2)A病院の診断に対するがん診断給付金は支払われており、保険会社もがんであることを認めている。

…この事案は既に和解が成立しています。

<裁定の概要>を読むと、術前病理診断結果は「子宮頚部上皮内癌」(上皮内新生物)であったため、診断給付金が支払われた一方で、術後病理診断結果は「子宮頚部高度異形成」(前がん病変)であったため、手術給付金・入院給付金・退院後療養給付金は支払事由非該当となり、支払われなかったようです。

術前と術後の病理診断結果が異なることは臨床上あり得るとのことだそうです。

保険会社はその診断結果に沿って支払うべき給付金(診断給付金)を支払い、支払うことができない給付金(手術・入院・退院後療養給付金)は支払わなかったことは支払査定の原則に則ったものであると思います。

ただ、そうした特殊なケースの場合は特に丁寧に説明すべきだったかと思います。

【事案の内容】

以下、裁定事案の内容です(令和2年10~12月裁定概要集・P47~48より転載)。

[事案2019-321]がん給付金支払請求
・令和2年12月11日 和解成立

<事案の概要>
 がんではないことを理由に給付金が支払われなかったことを不服として、給付金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 平成31年3月にA病院で子宮頸部上皮内がんと診断され、令和元年5月にB病院に入院し子宮頚部切除術を受けたところ、平成25年8月に契約したがん保険にもとづき給付金を請求したところ、がんではないことを理由にがん入院・手術・退院後療養給付金が支払われなかった。しかし、以下の理由により、これらの給付金を支払ってほしい。

(1)A病院で「子宮頚部上皮内がん」と診断され、B病院を紹介されて入院・手術・退院となったが、B病院では「子宮頚部高度異形成」と診断された。しかし、A病院で「子宮頚部上皮内がん」と診断され、その後の一連の流れで入院したので、本入院は「診断確定された所定のがんの治療を直接の目的」とする入院に該当する。

(2)A病院の診断に対するがん診断給付金は支払われており、保険会社もがんであることを認めている。

<保険会社の主張>
 以下の理由により、申立人の請求に応じることはできない。

(1)約款上、がん入院・手術・退院後療養給付金の支払事由に該当するには、申立人が入院する直接の原因となった疾病が、診断確定されたがん(悪性新生物または上皮内新生物)である必要がある。

(2)B病院の診断によれば、申立人が入院する直接の原因となった疾病は、「子宮頚部高度異形成(ICD-10 コード:N87.2)」であり、「術後病理診断結果」は「明らかな異形成なし」となっている。

<裁定の概要>
1.裁定手続
 裁定審査会では、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、入院時の状況等を把握するため、申立人に対して事情聴取を行った。また、医学的判断の参考とするため、独自に第三者の専門医の意見を求めた。

2.裁定結果
 上記手続の結果、がん入院・手術・退院後療養給付金の支払いは認められないものの、以下の理由により、本件は和解により解決を図るのが相当であると判断し、和解案を当事者双方に提示し、その受諾を勧告したところ、同意が得られたので、手続を終了した。

(1)申立人は、A病院の病理組織検査では「子宮頚部上皮内がん」と診断され、B病院の病理組織検査では「子宮頚部高度異形成」と診断されているが、当審査会が意見を求めた第三者の専門医によれば、このように診断結果が異なることは臨床上有り得るとのことで、どちらかの診断結果が間違っていた可能性については、わからないとの意見であった。

(2)このように、本手術前の病理組織検査ではがんと診断され、本手術における病理組織診断では高度異形成と判断されるというのは特殊なケースであると思われ、その結果、がん診断給付金だけが支払われるという特殊な状況となっているが、診断は診断、入院・手術・退院は別、と分けて判断され、給付金は不支払いとされた点が理解できないという申立人の主張も理解できる。


以上です。

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↑、福寿草にやってきたホソヒラタアブ(先月撮影)。

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