介護の問題①

日本経済新聞10月27日夕刊に介護の問題を取り上げた記事を見つけました。
この記事を読む限りでは、「日本はまだまだ、介護のことが不十分な国だな」と思わずにはいられませんでした。
以下、記事の抜粋です。

[高齢者・同居でも独居]
 一人暮らしに比べ、家族と同居している高齢者は安心、と周囲から思われがち、しかし家族仲の悪さや互いの無関心から、食事や生活が全く別だったり、ずっと一人ぼっちの状態の「家庭内独居老人」は少なく無い。深刻な場合だと、介護放棄といった高齢者虐待につながるケースも出ており、専門家の間では懸念が広がっている。

 ・・・「介護の現場では、『家庭内独居老人』とも言うべき現象が問題になっている」と話すのは、安田女子大学(広島市)教授の春日キスヨさん。家庭内独居老人は、子世帯など家族と同居なのに、事実上の独居生活を送る高齢者を指す造語だ。

 春日さんは、要介護高齢者の生活を保健師やケアマネージャーを通じて調査している。その家庭で浮かんだのが、家庭内独居老人の存在だった。「モノ、サービスが満ち足りた現在は惣菜を買えばいいし、家電製品も充実しているから不自由は無い。同居でも独居、という奇妙な生活が可能になった」

 確執に至るまでには、家族の長い歴史があるだけに、単純に「高齢者がかわいそう」「子供が悪い」とはいえない。しかし元気なうちはともかく、要介護状態になると話は別。介護放棄や放置といった深刻な事態につながる危険をはらむ。

 ・・・厚生労働省の高齢者虐待に関する全国調査(2004年)では、介護や世話の放棄は52・4%、脅しや屈辱などの心理的虐待に次ぎ、身体的虐待より多かった。介護放棄の場合、他の虐待に比べ、介護サービスの利用が適切でなかったとも報告されている。

 ・・・しかし朗報もある。通報を受けた自治体担当者が、家庭内に立ち入れると定めた高齢者虐待防止法案は、議員立法で今国会に提出、今期末ぎりぎりの今月末に成立の見込みとなった。現在、虐待防止専門組織の設置や条例制定など、一部の自治体レベルで始まった取り組みが、法制定という後ろ盾を獲て、活発になるのは確実だ。

 その上で、安田女子大教授の春日さんは助言する。「高齢者自身も、いざというときに情報をかぎつけてくれる友人を、元気なうちから多く作っておくべきだ。家族がリスクにもなりうる時代。友人を作る努力は、自分を守ることにつながる」

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