「社会的入院」について

2月20日の日本経済新聞・夕刊に「社会的入院」についての記事がありました。
中身に目を通していくと、気になる部分がありました。何でも、2012年度までに介護療養病床を廃止して、治療よりも介護サービスが必要な人は有料老人ホームなどに転換させ、医療療養病床は本当に治療が必要な人だけが入院できるように誘導する、というのです。

確かに、それが病院として本来の姿なのでしょうが、最も肝心な出口(低所得の高齢者が利用できる介護施設の整備と十分な数の介護スタッフの育成)の整備が全く追いついていない状況だということを軽んじていないでしょうか?それにお金がなく、家族との同居もできない高齢者はどうすればよいのでしょうか?
財政不安が深刻化してから慌てて入り口の「改革・改悪」だけを最優先にするという愚かな行為を改められない政府と自治体、高齢者患者を「人」ではなく「儲け」としか見てこなかった医療関係者、そして警鐘を鳴らすことができなかったマスメディアの責任は重いと考えています。


以下、記事の内容です。

【社会保障ミステリー・病気じゃないのに入院できる!?:介護基盤の整備に問題】

 病院は病気を治すための場所。ところが治療の必要がない人が数多く入院している。入院費用の大部分は国民が負担する健康保険料や税金で賄われているから無関心ではいられない。なぜこんなことになるのだろうか。
 必要がないのに入院している人は主に高齢者。加齢や病気の後遺症で体が不自由で一人暮らしは難しい。面倒を見る家族もいない。治療よりも介護サービスが必要な人が多い。在宅介護体制や介護施設が十分に整っていないことが原因だ。社会の問題でもあるので「社会的入院」とも言う。

 このような高齢者が入る病院は一般的に「老人病院」と呼ばれるが、制度上の名称は「療養病床」。本来は慢性の病気があるため、長期に入院して治療を受ける必要がある人のための施設だ。ひとつの病院で通常の入院ベッドと療養ベッドを併せ持つところもある。
 厚生労働省の審議会が昨年、療養病床に入院している患者の状態を調べたところ驚くべき結果が出た。医師による治療などの処置が「ほとんど必要ない」という患者が半数を占めたのだ。「週1回程度」を併せると全体の8割にも達する。

 かつて病院は手がかからず実入りの良い高齢者を進んで受け入れ、行政もそれを放置してきた。その結果が今のゆがんだ状態につながっている。
 2000年度の介護保険創設の時、政府は老人病院を介護保険から費用を支払う介護施設に転換させようと試みた。介護施設なら医療が原則不要なので費用も安い。
 しかし改革は中途半端に終わり、介護保険を使って入院する療養病床と、従来の医療保険で入院する療養病床のふたつができてしまった。ふたつの施設の違いはない。現在、介護療養病床は全国に13万床、医療療養病床は25万床ある。

 政府は財政対策としてひずみの解消に本格的に乗り出す。12年度までに介護療養病床は廃止し、有料老人ホームなどに転換させる。医療療養病床は本当に治療が必要な人だけが入院できるように誘導する。これらの施策を盛り込んだ法案を今国会に提出した。
 本来あるべき姿に戻ると言えるが、今入院している高齢者や家では暮らせない高齢者の行き先が確保できているわけではない。過去の政策のツケは大きい。



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