金融庁、動く!!保険商品の販売・勧誘時の新ルールについて④

前回*は、金融庁の「保険商品の販売勧誘のあり方に関する検討チーム」(以下、検討チーム)が平成17年の発表資料「中間論点~保険商品の販売・勧誘時における情報提供のあり方~」(以下、発表資料)の中で述べた、本題の「販売・勧誘時における情報提供のあり方」の中の“特に注意すべき重要事項(「契約概要」・「注意喚起情報」)”についてご案内しました。

*記事はこちらです。
  • 金融庁、動く!!保険商品の販売・勧誘時の新ルールについて③

    今回は、その続きとして、“情報提供時期”“記載方法”についてご案内します。

    4)本題の「販売・勧誘時における情報提供のあり方」について②
    “情報提供時期”“記載方法”について、発表資料には以下のように記述されています。

     2.情報提供時期
     適時に情報を提供するということも、顧客の保険商品への理解を高めることや注意喚起のために重要であることから、以下に顧客に提供すべき情報ごとにその提供時期についての考え方を整理する。

     (1)「契約概要」
     「契約概要」を記載した書面は、顧客の保険商品の理解を高めるため、販売・勧誘のできるだけ早い段階で顧客に対して提供することが望ましいことから、契約締結前の「十分な時間の余裕をもって」交付することを求めることが適当と考えられる。

     「十分な時間の余裕をもって」と交付したとみなせるか否かは、保険商品の仕組み(複雑なものか否か)、顧客の属性(個人か法人か、高齢者か否か等)、顧客の事情(自発的な加入か否か等)、販売方法、新規契約か更改契約か等の要素を考慮して判断する必要があると考えられる。

     なお、顧客の利便性を損なわないという観点から、即時の契約締結のニーズを有し、保険商品の内容又は「契約概要」の重要性について理解している顧客が、「十分な時間の余裕をもって」は不要であると明確な意思表示を行った場合には、当該要件との同等性があるものと考えられる。

     (2)「注意喚起情報」
     「注意喚起情報」についても、そもそも保険に加入するか否かの判断に関わる事項もあることから、「契約概要」と同一の書面に記載し、「十分な時間の余裕をもって」交付することが望ましい。

     但し、消費者が保険加入の意志を固めた後のほうが注意喚起そのものの効果が高まるとの指摘もあることから、「契約概要」と「注意喚起情報」をそれぞれ別の書面に記載した場合、「注意喚起情報」を記載した書面については、申し込み時に交付することでも足りると考えられる。

     (3)申込内容、募集人の地位
     申込内容については、契約申込時に、申込書の写しや申込内容を記載した書面等により確認することが望ましい。なお、非対面販売の場合など申込時に書面による確認が困難な場合においては、申込後、速やかに申込内容を記載氏や書面を交付することが考えられる。

     また、募集人の地位については、募集開始時に説明することが望ましい。

     (4)契約のしおり・約款
     契約のしおり・約款については、原則として契約締結前に交付すべきである。

     もっとも、例えば、商品内容が単純なもの、保険期間が短期間なものなどについて、「契約概要」・「注意喚起情報」を記載した書面等により顧客に十分説明している場合には、契約締結後遅滞なく、契約のしおり・約款を交付することでも足りると考えられる。なお、契約締結時までに契約のしおり・約款を交付しない場合には、顧客の求めがあれば交付する、ホームページにおいて掲載する等の環境整備が必要と考えられる。

     3.記載方法
     情報をいかに消費者にわかりやすく書面に記載するかということも、顧客の保険商品への理解を高めることや注意喚起するために重要であることから、以下に記載方法の考え方について整理する。

    (1)「契約概要」・「注意喚起情報
     例えば、以下のような対応が有効であると考えられる。
     ①読みやすさ、メリハリ(文字の大きさ・記載事項の配列等)
     読みやすさという点では、適切な文字の大きさ、例えば、すべて8ポイント以上の大きさにする等が考えられる。

     メリハリをつけるという点では、文字の大きさ・太さ・色をかえる等の方法や、重要度の高い事項から配列するなど記載事項の配列等を工夫することなどが考えられる。具体的には、告知義務など特に注意すべき事項については、書面のはじめの部分に、ある程度詳細な内容を文字の大きさ・色を変えて記載し、セーフティーネットなどの項目を消費者に知らせることで足りる事項については、書面のおわりの部分に簡単に記載する等、書面上でのメリハリをつけることが考えられる。

     ②専門用語の見直し、用語の統一
     現行の募集文書については、専門用語が多くて分かりにくい、保険会社ごとに用語がばらばらである(近年の保険商品の多様化・複雑化でより顕著になってきている)との指摘があった。

     専門用語については、一層の平明化に努める必要があると考えられる。また、用語の統一については、例えば、担保内容(不担保内容)について、同じ用語であっても保険会社ごとに定義が異なる場合があり(例えば、介護保険において担保内容(支払い事由)となっている「介護状態」の定義が異なる)、保険商品を比較考量している消費者、複数の保険会社において同様の保険に加入している保険契約者が、商品内容を誤解する恐れがあるため、業界において用語の統一もしくは説明ルールの策定等を検討する必要があると考えられる。

     ③消費者の関心を引く表現・表記
     Q&A方式など消費者が関心のある部分を読みやすく提示する等の工夫が考えられる。

     ④グラフや図表の利用
     例えば、いつどれくらいの保険金を受け取れるか、いつ保険料は上がるのかといった事項について図表形式で表す、当該保険商品の担保・不担保範囲を○×方式で表すなどの工夫が考えられる。

     なお、グラフや図表形式についても共通のルールを定めることが、消費者の理解を高めること、複数の保険会社の商品の比較を助けることになるとの意見があった。

     ⑤書面の分離等
     「契約概要」・「注意喚起情報」については、他の書面から独立・分離した書面に記載することが理解を高める、注意喚起するという点から望ましい。

     仮に他の情報と同一の書面に記載する場合には、例えば、「契約概要」・「注意喚起情報」については、一箇所にまとめ、枠囲みするなど、他の情報と明確に区別した上、文書中の目立つ箇所に掲げ、かつ重要な情報であることが明瞭に分かるようにすることが必要と考えられる。

     (2)契約のしおり・約款
     契約のしおりについては上記(1)も参考にしながら、契約者にとってより一層わかりやすくなるような工夫(目的別に目次を作成し消費者が知りたい情報にアクセスしやすくなるなど)に努めることが望ましい。

     また、「契約概要」・「注意喚起情報」を記載した書面において、その項目や内容を基本的な部分に限定して記載する一方、消費者がその詳細な説明にアクセスしやすいように契約のしおり、・約款の該当部分へ導くよう工夫し、書面間の役割分担を明確にして活用することも重要である。

     なお、現状の約款については、消費者にとってわかりにくいとの意見も多いことから、専門用語や法律用語の安易な使用が約款に対する理解を困難なものにすることに留意しつつ、引き続き、形式、内容両面による改善を図ることにより、一層の平明化に努めることが必要と考えられる。

     (3)消費者からのフィードバック
     消費者にとってわかりやすい記載への改善・工夫を行っていくにあたっては、苦情相談窓口に寄せられた苦情相談や消費者アンケートの結果等を定期的に分析し、逐次書面の記載に反映させる等の努力を行っていくことが必要と考えられる。


    以上です…ふうε=(-.-;)。

    次回は「説明方法(書面交付と口頭説明)」などについてご案内します。

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