がんの最新治療④:「子宮を残してがんを切除する手術法・広汎性子宮頸部摘出術」

前回*の続きです。12月5日の日本経済新聞・夕刊にがんの最新治療についての記事がありました。

*前回の記事はこちらです。
  • がんの最新治療③:「初期の前立腺がんに対する小線源療法」。

    今回取り上げられていたのは、やや進行したがんでも子宮を温存できる「広汎性子宮頸部摘出術」という新しい手術法です。

    記事によりますと、広汎性子宮頸部的手術は頸部、膣(ちつ)の一部と、子宮と骨盤をつなぐ子宮傍組織(基じん帯)を切り取り、残した子宮体部(胎児が育つ部分)と膣を縫い合わせる手術法で、倉敷成人病医療センターの安藤正明産婦人科部長が2002年に国内で初めて実施して、これまで24人を手術。現在は慶応大学、九州大学などいくつかの病院も取り組む、とのことです。

    …ただこの手術法は、再発のリスクが従来の子宮摘出とどう変わるのか不明だそうです。

    …ということは、この手術法を選択する際は再発のリスクなどを背負えることが条件となりそうです。難しいですなぁ…。


    【記事の内容】
    以下、記事の内容です。

    【がん最新治療を知る④:子宮残してがんを切除する手術法】
     20代、30代の若い女性に子宮頸(けい)がんが増えている。これまで早期のがん以外は子宮を摘出しなければならなかったが、やや進行したがんでも子宮を温存できる新しい手術法が徐々に広まりつつある。出産を希望する患者にとって朗報だが、再発の危険性などまだはっきりいってわかっていない点も多い。

     「夫婦ふたりの人生も考えた。やっぱり(子供がいる)今の生活はいい」。岡山県に住む30代の岸幸(みゆき)さんは、7ヵ月になる一人娘の世話で忙しく楽しい毎日を送っている。3年ほど前、子宮を摘出するかどうか苦渋の決断を迫られた。近くの病院で受けた検診で子宮頸がんだとわかったからだ。

     子宮ガンには、子宮の入り口にあたる頸部にがんができる「頸がん」と、子宮の奥にできる「体がん」がある。頸がんは早期だと頸部を円錐(すい)状に切り取る「円錐切除」という手術で子宮をとらずに済むが、岸さんは子宮が温存できるかどうかぎりぎりのラインだった。

     倉敷成人病センターの安藤正明産婦人科部長から「まだ実験段階の手術」という断り付きで子宮を残す「広汎性子宮頸部摘出術」の説明を受けた。2、3日悩んだが、「やはり子供を生みたい。子宮を失いたくない」。この手術を受けることにした。

     広汎性子宮頸部摘出術は頸部、膣(ちつ)の一部と、子宮と骨盤をつなぐ子宮傍組織(基じん帯)を切り取り、残した子宮体部(胎児が育つ場所)と膣を縫い合わせる。安藤部長が2002年に国内で初めて実施し、これまで24人を手術した。現在は、慶応大学、九州大学などいくつかの病院も取り組む。

    国内では年間およそ7000~8000人が新たに子宮頸がんと診断される。広汎性子宮頸部摘出術の対象になるのは、がんが少し進行した「Ⅰb1期」。従来は子宮摘出が必要とされてきた。安藤部長は2センチメートル以下のがんに絞って広汎性子宮頸部摘出術を実施している。

     患者にとって画期的な手術法のようだが、安藤部長は「自分から勧めることはない。自己責任でどうしても受けたいという人にだけ適用する」と話す。

     どんな患者に実施すべきか、予後はどうなのか、などを解明するには多くの症例が必要。子宮を摘出する従来法に比べて、がんの再発リスクがどう変わるのかもわからない。

     また、頸部を取るとどうしても流産や早産しやすい。
    岸さんも半年間入院して、帝王切開で出産した。

     3年前に出た海外の文献によると、世界中の319症例で再発した13例のうち6例が子宮傍組織にがんが起きていた。安藤部長は「じん帯も一緒に取り除かなければ危険」と強調する。

     一方、九州大学の小林裕明講師は「じん帯を取ると排尿障害などの後遺症が出る。あまりがんが進行していなければ残すこともある」。これまでに3人がじん帯を残したまま頸部を摘出したという。

     岸さんは「リスクを背負えると思うなら、子宮を残す選択をしてもいいのではないか。これからどんな人生を送りたいのか、家族とよく話し合ってほしい」と治療への心構えをアドバイスする。


    以上です。

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