がん保険の給付金支払いを巡る裁定事案。
生命保険協会が取りまとめた、平成27年10~12月の裁定概要集(PDF)に、がん保険の給付金支払いを巡る裁定事案がありました。
裁定概要集によりますと、事案の概要と申立人の主張は以下のとおりです。
<事案の概要>
がんの診断を受けたのは責任開始日以降であることを理由に、給付金の支払いを求めて申立てのあったもの。
<申立人の主張>
平成26年5月に契約したがん保険について、以下の理由により、給付金を支払って欲しい。
(1)病院でがんと診断を受けたのは同年8月26日であり、責任開始日以降である。
(2)病院の医師も、診断確定日は同年8月26日といっている。
(3)保険会社のサービスセンターへ「診断確定日とは具体的にどういうことを指すのか」を問い合わせた際に、担当者から「医師から直接がんと告げられた日」との回答を受けている。
(4)保険会社では、病理医が検査結果を出した日を診断確定日としているが、サービスセンターの説明と異なる。
…この事案は既に和解が成立しています。
<保険会社の主張>にもありますように、「がんと診断確定」の定義は「病理組織学的所見により日本の医師の資格を持つものによってなされることを要します」です。
そのため、主治医からがんと告知されることが診断確定となるわけではありません。
診断確定がなされた日が、90日間の待機期間中である以上、申立人の契約は「がん無効」となるため保険会社は各種給付金を支払うことはできません。
【事案の内容】
以下、裁定事案の内容です(平成27年度10~12月受付分裁定概要集・P14~15より転載)。
[事案27-6] がん給付金支払請求
・平成27年10月9日 和解成立
<事案の概要>
がんの診断を受けたのは責任開始日以降であることを理由に、給付金の支払いを求めて申立てのあったもの。
<申立人の主張>
平成26年5月に契約したがん保険について、以下の理由により、給付金を支払って欲しい。
(1)病院でがんと診断を受けたのは同年8月26日であり、責任開始日以降である。
(2)病院の医師も、診断確定日は同年8月26日といっている。
(3)保険会社のサービスセンターへ「診断確定日とは具体的にどういうことを指すのか」を問い合わせた際に、担当者から「医師から直接がんと告げられた日」との回答を受けている。
(4)保険会社では、病理医が検査結果を出した日を診断確定日としているが、サービスセンターの説明と異なる。
保険会社の主張>
以下の理由により、申立人の請求に応じることはできない。
(1)がん保険の約款上、「被保険者が告知前または告知の時から保険契約の責任開始期の前日までにがんと診断確定されていた場合は、保険契約者、被保険者または給付金の受取人の、その事実の知、不知にかかわらず保険契約は無効とします。」と定めており、また、「診断確定」は、「病理組織学的所見により日本の医師の資格を持つものによってなされることを要します。」と定めている。
(2)申立人は、責任開始日(平成26年8月26日)以前の同年8月5日に病理組織学的検査を受け、同月8日に病理検査機関の診断医によって、申立人の主治医に、がんであるとの検査結果報告が書面でなされており、これが本件約款に定める「診断確定」である。
<裁定の概要>
1.裁定手続
裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、本件は診断確定日が争点となっており、医師の立場からの見解も把握するため、独自に第三者の医師の意見書を入手して審理の参考にした。
2.裁定結果
上記手続の結果、給付金の支払いは認られないが、保険会社のサービスセンターの担当者による誤回答がなされており、この事実は給付金の支払いの判断に影響を与えるものではないが、保険会社は、契約者や被保険者からの照会には正しく回答することが期待されてしかるべきであり、この誤回答が紛争の契機となったことは否めないことから、本件は和解により解決を図るのが相当であると判断し、業務規程第34条1項にもとづき、和解案を当事者双方に提示し、その受諾を勧告したところ、同意が得られたので、和解契約書の締結をもって解決した。
以上です。
↑、成熟したモノサシトンボ・オスの顔をマクロレンズで等倍撮影(昨年7月撮影)。
↓2月26日23:00現在で1位…ありがとうございます。
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裁定概要集によりますと、事案の概要と申立人の主張は以下のとおりです。
<事案の概要>
がんの診断を受けたのは責任開始日以降であることを理由に、給付金の支払いを求めて申立てのあったもの。
<申立人の主張>
平成26年5月に契約したがん保険について、以下の理由により、給付金を支払って欲しい。
(1)病院でがんと診断を受けたのは同年8月26日であり、責任開始日以降である。
(2)病院の医師も、診断確定日は同年8月26日といっている。
(3)保険会社のサービスセンターへ「診断確定日とは具体的にどういうことを指すのか」を問い合わせた際に、担当者から「医師から直接がんと告げられた日」との回答を受けている。
(4)保険会社では、病理医が検査結果を出した日を診断確定日としているが、サービスセンターの説明と異なる。
…この事案は既に和解が成立しています。
<保険会社の主張>にもありますように、「がんと診断確定」の定義は「病理組織学的所見により日本の医師の資格を持つものによってなされることを要します」です。
そのため、主治医からがんと告知されることが診断確定となるわけではありません。
診断確定がなされた日が、90日間の待機期間中である以上、申立人の契約は「がん無効」となるため保険会社は各種給付金を支払うことはできません。
【事案の内容】
以下、裁定事案の内容です(平成27年度10~12月受付分裁定概要集・P14~15より転載)。
[事案27-6] がん給付金支払請求
・平成27年10月9日 和解成立
<事案の概要>
がんの診断を受けたのは責任開始日以降であることを理由に、給付金の支払いを求めて申立てのあったもの。
<申立人の主張>
平成26年5月に契約したがん保険について、以下の理由により、給付金を支払って欲しい。
(1)病院でがんと診断を受けたのは同年8月26日であり、責任開始日以降である。
(2)病院の医師も、診断確定日は同年8月26日といっている。
(3)保険会社のサービスセンターへ「診断確定日とは具体的にどういうことを指すのか」を問い合わせた際に、担当者から「医師から直接がんと告げられた日」との回答を受けている。
(4)保険会社では、病理医が検査結果を出した日を診断確定日としているが、サービスセンターの説明と異なる。
保険会社の主張>
以下の理由により、申立人の請求に応じることはできない。
(1)がん保険の約款上、「被保険者が告知前または告知の時から保険契約の責任開始期の前日までにがんと診断確定されていた場合は、保険契約者、被保険者または給付金の受取人の、その事実の知、不知にかかわらず保険契約は無効とします。」と定めており、また、「診断確定」は、「病理組織学的所見により日本の医師の資格を持つものによってなされることを要します。」と定めている。
(2)申立人は、責任開始日(平成26年8月26日)以前の同年8月5日に病理組織学的検査を受け、同月8日に病理検査機関の診断医によって、申立人の主治医に、がんであるとの検査結果報告が書面でなされており、これが本件約款に定める「診断確定」である。
<裁定の概要>
1.裁定手続
裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、本件は診断確定日が争点となっており、医師の立場からの見解も把握するため、独自に第三者の医師の意見書を入手して審理の参考にした。
2.裁定結果
上記手続の結果、給付金の支払いは認られないが、保険会社のサービスセンターの担当者による誤回答がなされており、この事実は給付金の支払いの判断に影響を与えるものではないが、保険会社は、契約者や被保険者からの照会には正しく回答することが期待されてしかるべきであり、この誤回答が紛争の契機となったことは否めないことから、本件は和解により解決を図るのが相当であると判断し、業務規程第34条1項にもとづき、和解案を当事者双方に提示し、その受諾を勧告したところ、同意が得られたので、和解契約書の締結をもって解決した。
以上です。
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