外貨建保険の相談が増加中。国民生活センター発表。

2月20日、国民生活センターはHPにて、全国の消費生活センターなどに寄せられる、外貨建て生命保険の相談について発表*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。
  • 2/20・報道発表資料 外貨建て生命保険の相談が増加しています!(PDF)

    【管理人の感想】
    公表資料に記載されている相談事例を読む限り、金融商品取引法に基づく適切な募集行為(事前の情報収集も含む)が守られていないですね。

    報道発表の翌日、生命保険協会は外貨建保険の取り扱いに関する新たな業界資格創設を正式に発表しましたが、不適切な募集と苦情発生を抑止できるか疑わしいと現時点では考えています。

    75歳以上の高齢者に対する積極的な推奨を禁止する(顧客自らが説明を求めた場合を除く)、顧客に対して理解力テストを実施して不合格の場合は募集行為禁止とする、家族や親族同席が望めない場合は募集しない―と、これくらいの措置は必要でしょうね。

    【公式コメントの内容】
    以下、国民生活センターの公式コメントの内容です(上記報道発表資料より抜粋・転載)。

    ―外貨建て生命保険の相談が増加しています!―

     全国の消費生活センター等に寄せられる外貨建て生命保険の相談が増加しています。2018年度の相談件数は538件と、2014年度に比べて3倍以上になっており、2019年度も増加ペースが続いています。また、70歳以上の割合が相談全体の約半数を占めており、平均契約購入金額は1000万円前後を推移しています。

     外貨建て生命保険は、米国ドル等の外貨で保険料の支払や保険金の受取を行う保険であり、運用実績や為替相場の変動等により損益が発生するほか、手数料等の負担があります。

     しかし、相談事例をみると、為替変動リスクや手数料の負担があることを理解していなかったり、生命保険であることを認識せずに契約しているケースや、「老後資金」「元本保証希望」などの消費者の意向と異なる勧誘・契約をされたといったケースが高齢者を中心にみられます。そこで、外貨建て生命保険のトラブルに遭わないよう、注意を呼び掛けます。

    ◇外貨建て生命保険の特徴
    ・外貨建て生命保険は、米国ドル等の外国通貨で保険料の支払や保険金の受取を行う保険です。

    ・保障内容により様々なタイプの外貨建て生命保険があります。(例:終身保険タイプ、養老保険タイプ、個人年金保険タイプ)

    ・運用実績や市場金利、為替相場の変動等により損益が発生するため、【元本割れリスク】のある金融商品です。死亡保険金を外国通貨ベースで最低保証している商品もありますが、円貨ベースの元本保証とは異なるため、受取った保険金を円貨に換算する際に払込保険料を下回る可能性があります。また、契約から一定期間の死亡保険金を円貨ベースで最低保証している商品や特約もありますが、保証期間中の積立利率が低くなり、基本保険金額や解約返戻金額等が小さくなる場合があります。

    ・すぐにお金を引き出せる預貯金と異なり、中長期での運用を念頭においた金融商品です。契約を途中でやめるには保険の解約手続きが必要になります。また、解約返戻金が支払われる場合でも、経過年数に応じて解約控除率を乗じた控除額が差し引かれる場合があるため、受取額が払込保険料を下回ることがあります(一般的に利率保証期間満了前は解約控除等があるため、解約返戻金額等は小さくなります。)。

    ・保険の運用時や、個人年金保険タイプの年金受取時に、所定の費用が発生する場合があります。

    ・外貨建て生命保険を含む保険商品は銀行等の窓口でも販売されています。銀行等が募集代理店になっている場合、保険会社から募集代理店へ手数料等が支払われており、その分がコストとして間接的に契約者へ転嫁されています。

    ・保険契約の申込時に円貨を外国通貨に換えるときや、保険金や解約返戻金の受取時に外国通貨を円貨に換えるときに為替手数料が発生します。保険契約とは別に、銀行等で両替契約をしている場合も、両替契約に伴う為替手数料が発生します。

    ・外貨で保険金等を受け取る場合には、外貨口座が必要になります。

    ◇相談事例(( )内は受付年月、契約当事者の属性)

    【事例1】元本保証を約束され豪ドル建ての保険を契約したが、元本保証ではなかった

     金融機関の職員が自宅に訪問し、預けているだけでは増えないと金融商品を勧められた。投資は絶対しないと夫婦で決めていたので、必死に断った。しかし職員は何回も自宅に訪れ熱心に勧めてきて、最後は上司まで電話をかけてくるので、仕方なく話を聞いた。預けていた定期預金500万円は満期前だったが、それを豪ドル建ての商品に変更したほうがよいと勧められた。何回も元本保証だと繰り返され、職員があまりにも熱心だったこともあり、押しに負けて仕方なく契約をした。電話で上司からも元本保証であるという説明を受けた。契約後に証書が送付されたが、保険会社との豪ドル建て個人年金保険契約になっており、不安になって確認すると、金融機関が代理店になっていると分かった。最近になり、契約内容を確認するため保険会社に問合せると、元本保証はないと言われ、80万円ほどの損失が出ていた。元本保証と信じて契約したので何とかしてほしい。(2019年8月受付 契約当事者:70歳代女性)

    【事例2】定期預金をしたつもりが、外貨建て変額個人年金保険に加入していた
     数年前、1000万円の定期預金をしようと、金融機関に出向いた。その時に妻も600万円の定期預金をすることにし、手続をした。その後、書類が違っていたと連絡があり、書面を書き直した。自分は定期預金だと思い込んでいたため、証券等もよく見ずにしばらく保管しておいた。しかし、最近になって書類をよく見たところ、外貨建ての変額個人年金保険に加入したことになっていた。金融機関へ申し出たところ、夫婦で200万円の損失が出ていることが分かった。(2019年9月受付 契約当事者:80歳代男性)

    【事例3】将来必要な施設入居資金と伝えていたのに、外貨建て生命保険の契約だった
     金融機関に新規口座を開設して預金全額を移したところ、後日職員の来訪があり、「遊んでいる預金があれば運用してみませんか」と勧誘された。預金は、将来施設へ入居するための費用であることと、運用には興味がないと伝えて断っていたが、「心配ない、大丈夫」と繰り返し勧誘され、根負けした形で一時払いの生命保険を契約した。計3社との契約で一時払い額は1500万円になる。しかし、届いた保険証書をみると、全て外貨建ての生命保険で、短期間で解約する場合は高額な解約手数料が掛かる事が分かった。数年後には必ず必要になるお金だと伝えていたにも関わらず、保険期間も20年と長期であることや元本割れのリスクや解約手数料等の説明がなかったことを職員に伝え、解約を申し出たが、その都度解約を思いとどまるように説得されるばかりで今に至っている。また、金融機関の支店長からは契約当時の担当者がいないことや全て口
    頭での説明のため記録がないことを理由に通常の解約手続きを取る方法しかないと言われている。最初に説明されていれば契約することはなかったので、全額返金して欲しい。(2019年4月受付 契約当事者:80歳代女性)

    【事例4】高齢の父宛てに外貨建て生命保険証券が届いたが、父は加入した覚えがないと言う
     高齢の父が契約者となっている1000万円一括払いの外貨建て生命保険証券が届いた。父に確認すると、「長年利用している金融機関の職員が来訪した際、『預金を娘2人に残したい』と話をしたが、生命保険に加入する話はしていない」と言い、説明時の書面などもないと言う。父は脳梗塞になったことがあり、物忘れや判断能力に不安がある。勧誘した金融機関に連絡し、父の健康状態と保険に加入した覚えがないことを伝えたが、「保険内容の説明はしているし、契約は成立している。クーリング・オフ期間も過ぎているので解約はできない」と言われた。生命保険会社にも苦情を伝えたが、代理店である金融機関と話をするよう言われた。リスクを伴う保険を高齢の父だけに説明し、加入させたことに不満を感じるので、解約して1000万円を返金してほしい。 (2019年7月受付 契約当事者:80歳代男性)

    【事例5】高齢独居の叔母が約20 件の外貨建て個人年金保険などを次々に契約をしていた
     一人暮らしで高齢な叔母あてに、以前職場で契約していた生命保険会社の募集人が来訪し、外貨建て個人年金保険などの保険を次々契約していたことが分かった。約20件の保険を契約し3000万円を費やしている。叔母は数年前から判断能力に衰えの症状が出ていたので、叔母が生命保険の内容を理解して契約をしたとは思えない。足も悪かったので、現金の引き出しには募集人が同行していた。現在、叔母は要介護となり介護施設に入居したため、私が後見人となり財産を確認し、この状況が判明した。叔母は生命保険会社の募集人と仲良くなり、言われるままに契約をしたようだ。保険会社に苦情を伝えても、「本人が自分で契約をした」と言われ対応をしない。契約の度に高額の手数料も払っているので、解約ではなく、契約の取消を求めたい。(2019年7月受付 契約当事者:80歳代女性)

    【事例6】両親が外貨建て生命保険を勧誘されクーリング・オフしたが円高で損が出た
     高齢の両親が金融機関から「キャンペーンをやっている。少しでも利子がついたほうがいい。普通預金を外貨に預けてほしい」と自宅で言われた。金融機関から為替レートが下がった場合の説明はなかった。その後さらに、両親は金融機関から外貨建て生命保険に入らないかと勧められて自宅で契約した。私からクーリング・オフするよう伝え、両親は8日後に解約した。一週間たった今も外貨のまま預けてあるが、1ドル110 円が106円になったことから、円換算で70万円のマイナスが出た。金融機関に対して、高齢者にこのような商品を売るのはいかがなものかと苦情を伝えたが、支店長代理から「入らなければよかった」と言われた。(2019年8月受付 契約当事者:80歳代男女)

    ◇相談事例からみる特徴と問題点
    (1)外貨建て生命保険の契約であることやリスクについて消費者の理解が得られていない

     外貨建て生命保険は保険会社の営業員による販売だけでなく、銀行等の金融機関でも販売されており、消費者が生命保険の契約であることを認識していなかったり、預貯金だと思い契約し、保険証券等が届いてはじめて生命保険の契約だと気づいたというケースがみられます(事例1、2)。

     また、生命保険の契約であることは理解していても、外貨建て生命保険は元本割れのリスクがある金融商品であることについて十分に理解しないまま契約しているケースがみられます。相談事例をみると、「元本保証」「元本割れしない」などと説明されたのに「保険会社に問い合わせたところ、損失が出ていた」「保険金を受け取ったところ、元本を下回っていた」などの苦情が寄せられています(事例1、3)。

     このように、生命保険の契約であることや、為替変動リスク等について、消費者の理解が得られるような説明がされていないケースが多くみられ、消費者の中には「良い商品だから大丈夫」などと勧められるがままに、曖昧な理解で契約してしまっているケースもあります。

    (2)消費者の意向と異なる勧誘や契約が行われている
     外貨建て生命保険は中長期での運用を念頭においた金融商品であり、満期まで10年以上の商品もあります。そのため、申込時や運用時、受取時にそれぞれ手数料等が発生するほか、途中でやめるには解約手続きや解約手数料が必要です。解約返戻金や保険金の受取時には、為替変動リスクに加え、これらの手数料を差し引かれることによって元本割れするリスクがあります。

     しかし、相談事例をみると、必要なときにすぐに使える資金を確保しておきたい、老後の資金を確保しておきたい、長期の契約やリスクのある契約はしたくないと考えている消費者が、「今後使う予定がある」「老後の資金だから」と契約したくないという意向を伝えているにも関わらず、外貨建て生命保険を勧誘されている事例のほか、「元本保証希望なので不要」と契約を断っている消費者に対して、繰り返し勧誘を行い契約させている事例もみられます(事例1、3)。

     また、「定期預金の手続きと思っていた」のように定期預金などの契約中の商品を解約させて、外貨建て生命保険を契約させている事例もあり、消費者の意向と異なる勧誘が行われているケースがみられます(事例2)。その他、「外貨建て生命保険だと分かり、やめたいと伝えたが、このまま続けるようにと説得された」という事例もみられます(事例3)。

    (3)認知能力の低下した高齢者への勧誘がみられる
     外貨建て生命保険に関する相談の約半数が契約当事者が70歳以上の相談であり、なかには認知能力の低下した高齢者の相談もみられます。相談事例をみると、「契約書はもらったが、読んでも分からない」「何を契約したか分からない」など高齢者が生命保険会社や金融機関等の説明や契約内容について理解できていないケースが多くみられます。なかには理解できないまま「求められるままたくさんの書類に署名捺印」していたり、契約の経緯等について記憶があいまいな場合もあります(事例4、5)。

     生命保険会社や金融機関等によってはトラブル防止のために、高齢者に対しては家族等の同席の上で説明をする等の取り組みを行っていますが、「家族の同席を求められなかった」「もし家族が同席していたら契約させなかった」など家族の同席なく高齢者が契約しているケースがみられ、しばらくしてから契約に気付いた家族からの相談も多くみられます(事例4、5)。

    (4)多数契約や高額契約に関する相談がみられる
     外貨建て生命保険の平均契約購入金額は毎年1000万円前後を推移しています。はじめての外貨建て生命保険の契約にも関わらず、勧誘されたその日のうちに多額の預貯金を解約して契約していたり、一度に高額契約をしている事例や、高齢者が多数の保険を契約している事例もみられます。なかには保険料の支払いが困難になるほどの契約をしてしまったケースもみられます(事例3、4、5)。

    (5)クーリング・オフをしても損失が発生する場合がある
     保険契約にはクーリング・オフ制度があり、一定期間内は原則として申込の撤回または契約の解除ができますが、円入金特約を付加しない外貨建て生命保険に加入する場合はクーリング・オフしても、返金されるのは消費者が保険料として保険会社に支払った外国通貨※です。

     そのため、為替相場の値動きによっては円換算で為替差損が生じる場合があるほか、外国通貨を日本円に換えようとすると為替手数料が生じるため、消費者がクーリング・オフをしたとしても、結果として消費者が損失を被るおそれがあります。

     相談事例では、クーリング・オフ期間内に解約をしたものの、為替相場で円高が進行したために円換算では多額の損失が発生したケースもみられています(事例6)。

    ※保険料を円貨で入金する特約(円入金特約)が締結される場合が多く、この場合には円貨で返金される。


    以上です。

    DSC05463.JPG
    ↑、昨年6月に撮影したオオシオカラトンボ・♂

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