がんの最新治療③:「初期の前立腺がんに対する小線源療法」。

前回*の続きです。11月28日の日本経済新聞・夕刊に、がんの最新治療についての記事がありました。

*前回の記事はこちらです。
  • ガンの最新治療②:多発性骨髄種に「サリドマイド治療」

    今回取り上げられていたのは、初期の前立腺がんを放射線物質が入った小さなカプセルを埋め込んでたたく、「小線源療法」です。

    記事によりますと、〈長期的な経過を調べた米国の研究では、単独の小線源療法だと10年非再発率は85~90%だった。〉とのことです。

    …初期の前立腺がんが対象で、がんが浸潤・転移していないことが条件ですが、治療が1回で済み、放射線と同等の効果が得られるようです。

    下半身麻酔で治療時間は入室から退室まで2時間程度とか…。手術と比べると肉体的負担が少ないようです。

    放射線は徐々に弱まり、1年でほぼゼロになるそうです。ただし、一定期間は周囲の人への配慮からしっかりと生活指導を受ける必要があるとか…。

    【記事の内容】

    以下、記事の内容です。

    【がん最新治療を知る③:前立腺がんに小線源療法。負担軽く初期には有効】
     小線源療法は放射線物質が入った小さなカプセルを体内に埋め込み前立腺がんをたたく。手術に比べて患者への負担が軽いとされる。ここ1、2年で急速に普及、全国58の医療機関*で治療が受けられるようになった(9月現在)。

     「もう手術は受けたくなかった。治療への信頼性が高いことから小線源療法に決めた」

     大手重工メーカーを退職した奥田祥一さん(72)は3年前、左腎臓と尿管にがんが見つかり摘出手術をした。その後の定期検査で前立腺がんの指標となる血中のPSA値が徐々に増え、2005年8月には4.87まで上昇。前立腺の組織の一部をとる検査を受けると、がんが見つかった。

     小線源療法を選択した奥田さんはがんの悪性度を示すスコアが高く、通常の放射線療法との併用治療になった。06年1月、入院して治療を受け、放射線物質の入ったカプセル65個を前立腺に埋め込んだ。

     治療経過は良好で、目立った副作用もない。PSA値も低下し、10月には1.39まで下がった。担当の国立病院機構東京医療センター泌尿器科の斉藤史郎医長も「これなら大丈夫だ」と太鼓判を押す。

     小線源療法の正式名は「ヨウ素125シード線源永久挿入密封小線源療法」。国内では03年9月、東京医療センターで初めてスタートさせた。

    ここ1、2年で急速に普及し、北海道がんセンター、東北大学病院、長野市民病院、広島大学病院、九州大学病院などが手がける。関東や中部、関西に実施施設が集中しており、山梨県や山形県、三重県など実施施設のない県もある。

     初期の前立腺がんが対象になる。がんが浸潤や転移していないことが条件だ。「前立腺がんは進行が遅いため(経過観察だけで何もしない)待機療法を選ぶ人もいるが、一足早く小線源療法が普及した米国では、心配が減ると小線源療法を選ぶ人が増えている」(斉藤医長)という。

     東京医療センターの場合、三泊四日の入院で済む。超音波検査で前立腺の大きさと形を把握し、直腸や尿道に影響しにくい場所にカプセルを挿入する。 

     カプセルの大きさは直径0.8ミリ、長さ4.5ミリのチタン製で、その中に放射線源が入っている。前立腺の大きさによって50~100個を専用器具で入れる。下半身麻酔で治療時間は入室から退室まで2時間程度だ。

     治療直後に、尿が出にくくなったり我慢できなくなったりすることが多少ある。100人の4人の割合で尿が詰まる人がいる。1年前後たつと直腸の炎症で血便が出ることもある。

     長期的な経過を調べた米国の研究では、単独の小線源療法だと10年非再発率は85~90%だった。


     前立腺がんは毎年約3万人が発症し、1万人が死亡する。欧米型の食生活の影響で、20年には2倍の年6万人に増えると予測されている。60~80歳に多い。

     初期段階で見つかると、手術や放射線治療、ホルモン療法や待機療法など治療の多様な選択肢がある。小線源療法を含めて一長一短で主治医とよく話し合って自分にあった治療法を選ぶことがとても大事になる。

    *注・関連情報があります。こちら


    以上です。

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    この記事へのコメント

    2006年12月03日 10:40
    おはようございます!

    この治療法は以前から知っていましたが、それにしても資料技術の進歩は素晴らしい!
    やっぱり技術=テクノロジーの進歩速度は速いですね~そのうち“ミクロの決死圏”のように人間が体内に入って治療するのも夢ではないかも!
    現役保険営業マンさんはこの映画知らないかな…?
    現役保険営業マン
    2006年12月03日 12:53
    ともさか保険事務所さん、一番コメントありがとうございます。
    …ホントおっしゃるとおりです。以前は一笑に付されていた乳房温存療法など患者の肉体的負担、精神的負担を大幅に軽減できる治療法や、肺癌を早期発見できるマルチヘリカルCTの登場といった診断技術の進歩は素晴らしいものです。

    …ミクロの決死圏…名前は聞いたことがありますが、ストーリーは…ですね。
    2006年12月03日 17:41
    呼ばれたわけでもありませんが、二度目の登場です!

    “ミクロの決死圏”は確か、脳の病気で治療困難な箇所にある病巣を、医師をミクロの大きさに縮小して、血管を通して体内に入り、白血球の攻撃などをかわしながら病巣に辿り着き治療するといったものです!

    年代が違うので解からなくて当然です…
    現役保険営業マン
    2006年12月03日 18:21
    ともさか保険事務所さん、解説コメントありがとうございます。
    ふと思ったのですが…脳梗塞や心筋梗塞のカテーテル治療やカプセル型内視鏡などは、ミクロの決死圏に近いものかもしれませんね。

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