生保の銀行窓販全面解禁―金融庁の金融審議会で、賛成多数。

9月19日の日本経済新聞・朝刊に、生命保険の銀行窓販に関する記事がありました。

記事によりますと、

〈 金融庁は18日、銀行窓口での保険商品販売について、予定通り12月下旬に全面解禁すると表明した。「銀行による押しつけ販売」など弊害が発生していないか調べた結果、問題が少なかったため。同日開いた金融審議会でも予定通り実施すべきだとの意見が賛成多数を占めた。今後、与党や保険業界と本格的に調整に入るが、結論までに曲折をたどる可能性はある。〉

とのことです。

…なぜ銀行や証券会社は、生命保険商品の窓口販売を全面解禁したいのでしょうか?

こんなことを言うと、

「選択肢の多様化による、利用客の利便性向上のため」に決まっているじゃないか。

―なんて声が聞こえてきそうですが…本当にそうなのでしょうかね?

管理人は、

バブル崩壊後、貸し渋りや貸し剥しで本来は融資すべき企業を潰しことで、本業が先細りとなった銀行が、何とか手数料収入を増やしたいがために、「利便性の向上」という建前のキャッチフレーズを掲げて、保険窓販の全面解禁を要望しているに過ぎない。

と考えております。

…それに、保険契約の申込経路(チャネル)を増やすことが、本当に「顧客のためになる」のでしょうか?

そうは思えません。管理人は、

①保険会社が、「誤解させるおそれ」という文言を強引に解釈適用し、事実上比較表示を禁じている現状を大改革し、各社保険商品の相違点を把握しやすくする。

②「募集文書登録」という正体不明のルールによる情報統制を大改革し、分かりやすい文章やイラストを用いたパンフレットを作成し、保険の内容を把握しやすくすることや、保険金や給付金の支払条件等のいわゆる“重要事項”を契約の有無にかかわらず知ることが出来るようにする。

③契約者が自己責任で、保険商品のデメリットや、保険金・給付金等の受け取り方法などを知る仕組みを整備する。

④事後規制、強引な法令解釈による行政処分、といったことで業界を萎縮させることが「顧客(利用者)保護」につながる、と考えている金融庁を(解体・再編を含めた)大改革する。


―などといったことを実行することが、「顧客のためになる」と考えております。

【記事の内容】

以下、記事の内容です。

【保険の銀行窓販―金融庁「予定通り12月に」。全面解禁・金融審で賛成多数】
 金融庁は18日、銀行窓口での保険商品販売について、予定通り12月下旬に全面解禁すると表明した。「銀行による押しつけ販売」など弊害が発生していないか調べた結果、問題が少なかったため。同日開いた金融審議会でも予定通り実施すべきだとの意見が賛成多数を占めた。今後、与党や保険業界と本格的に調整に入るが、結論までに曲折をたどる可能性はある。

 保険商品の窓反解禁について議論するのは3年半ぶり。保険窓販を全面解禁する際には銀行による押しつけ販売などの弊害を防止する措置を講じたうえで、有効に機能していることが前提条件になる。金融庁は同日、調査結果*を金融審に報告した。

*管理人注・詳細はこちらをどうぞ。銀行等の保険募集に関するモニタリング結果について

 それによると、2005年12月以降、金融庁に寄せられた銀行窓販の苦情は少なく、保険全体の0.5%(127件)にとどまっていた。押しつけ販売に関する苦情は17件だった。

 また銀行による保険販売関連の違法行為に対して発動した行政処分はなかった。違法行為ではないが、不適切な販売などの「不祥事件」の届け出も91件と保険業界全体の2.2%にとどまった。同調の検査でも指摘された問題事例も改善されたという。

 金融庁は記者会見で、「(今回の調査結果は)基本的に全面解禁時期の見直し規定に該当しない」と述べ、予定通り全面解禁すると表明。10月までに自民党など与野党、保険業界との調整を終える方針を示した。

 金融審の出席者からは「10月に民営化する郵便局は生命保険を販売しており、条件を統一するためにも銀行にも全面解禁すべきだ」「利用者の利便性を高めるためにも必要不可欠だ」などとして、予定通り全面解禁すべきとの意見が相次いだ。

 一方、保険業界や労働組合の出身委員が慎重な姿勢を表明。「金融庁が提出した調査以外に問題事例が確認された」として、銀行窓販の実態を慎重に見極めるべきだとの意見が出た。

 保険窓販は01年4月に火災保険や海外旅行傷害保険などを先行解禁。05年12月に一時払い養老保険・終身保険など貯蓄型の商品を追加解禁した。これに対し、自民党が「弊害防止措置が十分機能していなければ、07年12月の全面解禁を認めない」と特別決議した経緯がある。

 自民党は19日、金融調査会・財務金融部会の幹部を集め対応を協議する。金融審に参加した山本明彦・金融担当副大臣は「9月末に生命保険の保険金不払い調査結果が出るのを受けて議論した方がよい」と慎重意見を述べている。

 金融庁は05年12月に融資先の企業や経営者に保険を売ることを原則禁止。従業員に対しても条件付きで禁止するなど、新たに弊害防止措置を設けた。保険窓販の全面解禁は保険業法の改正でなく、関係政省令で済む。ただ、与野党議員の賛成を得られなければ、予定通り全面解禁するのは難しいとの声もある。


以上です。

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この記事へのコメント

2007年09月23日 18:08
こんばんは!

既に解禁は決まってることですから、もう受けてたつしかないですね!
当初、多少の影響はあるでしょうが、そんなの気にしてられないし、あまり気にしていません!
現役保険営業マン
2007年09月23日 18:31
ともさか保険事務所さん、こんばんは。
一番コメントありがとうございます。
…ん~、そうですね。まだ保険業界との調整が残っておりますが…まず全面解禁となるでしょうね。
おっしゃるとおり受けてたつしかないでしょう。こうなったら…。
お互い頑張っていきましょう。
2007年09月23日 23:09
こんばんは。
『おしつけ販売』、火災保険に関してだけ言うと、ありますよ~、それらしきこと(-_-)
弊害が発生していないか、どうやって調べたのでしょうね。「調べ方」がなんだか疑問です。
現役保険営業マン
2007年09月24日 01:00
とことこママさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
…管理人も火災の保険の「押し付け販売」や「抱合せ販売」といった、いわゆる不適切な販売事例を耳にしたことがあります。
…まぁ確かに、調査対象の基準はどうにでもできますからねぇ…疑い出したらキリがないのですが、どうしても、んん~?となってしまいますよね。
2007年09月24日 16:37
こんにちは。確かに調査方法については、疑問が多いに残りますね。「押し付け販売」の定義そのものが曖昧ですから、検証は難しいでしょう。ただ明らかに優先的地位をちらつかせていることは言うまでもありませんね。以前よりコンプラに留意して、あくまでお客様の自己責任ですよ~という話法を確立しているのでしょう。元銀行員の人が言ってましたよ。無言の圧力ってやつですね。お客様側にも、明らかな不利益が生じなければ、銀行で保険に入ろうとどこで入ろうと関係ないといった意識も大きく働いている事でしょう。チャンルを増やすということでは無いでしょうね。銀行を頂点とする金融商品販売網の再構築です。再構築を行うことによって、金融庁の監督責任の及ぶ範囲を絞り込んでいます。つまりそれだけ従前の販売チャネルが信用されていないこととも関連しています。彼らにとっては、従前の募集人や代理店は全く視野に入っていません。グローバル化が進む中、国際競争力、とくに銀行の競争力を維持し続けるためのマクロは視点の施策ですから。。我々は一つ一つの仕事を大事にして、市場の信頼を勝ち取るよう努力し続けるのみですね。
現役保険営業マン
2007年09月24日 18:14
gooddayさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
…やはり「優先的地位に基づくけしからん営業」や「無言の圧力」があるという疑惑を抱いてしまいますよね。
…ここまで窓販に固執する銀行を見る限り、「お客様側にも明らかな不利益が生じなければ…」という意識は確かに働いているでしょうね。
…「銀行を頂点とした金融商品販売網の再構築…」、突き詰めて考えるとそういうことになるでしょうか。
>我々は一つ一つの仕事を大事にして、市場の信頼を勝ち取るよう努力し続けるのみですね。
>>そうですね。我々にしかできないことで差別化を図るなど、努力してまいりましょう。

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