金融庁が標準利率の算定を見直し!?2日の日経・朝刊が報じる。

11月2日の日本経済新聞・朝刊に、生命保険の標準責任準備金の計算基礎率の1つ、「標準利率」についての記事がありました。

記事によりますと、

< 金融庁は生命保険会社が保険料を変更しやすくする。保険料を決める基準となる標準利率の算定方法を見直し、2015年度から適用する。年金など貯蓄性保険の利回りを金利変動に合わせて変えやすくする狙い。生保は今後金利が上がる際に保険料を引き下げやすくなる。新規の契約者は負担が減る利点があるが、生保の間で競争が加熱する可能性もある。

 金融庁と生命保険業界が標準利率の算定方法の詳細を詰める最終調整に入った。年内にも金融庁が算定方法を定めた告示の改正案を公表する。>


とのことです。

【管理人の感想など】
1.標準利率って何?

標準利率とは、生命保険会社が積み立てる「標準責任準備金」の計算に用いる、2つの基礎率(「予定死亡率」と「予定利率」)のうちの「予定利率」のことをいいます。

標準責任準備金の計算に用いる予定利率と予定死亡率は金融庁に定められています。こちら

行政監督上の標準責任準備金の計算利率であるため、幾重もの配慮で構成されており保守的だそうです。

2.標準責任準備金と予定利率の変動について
保険料の計算にも「予定死亡率」と「予定利率」が用いられています。ただし、こちらは金融庁に定められてはおらず、保守的であることが求められるものの「これくらいでも大丈夫かな?」という水準があるそうです。

そのため、標準利率と保険料の予定利率は必ずしも一致するわけではないそうです。

では、なぜ標準利率が変動すると保険料の予定利率が変動するのか?と申しますと、標準責任準備金の財源が保険料や運用収益などだからです。

例えば、標準利率が引き下げられれば、標準責任準備金をより多く積み立てなければなりません。そのため、予定利率を引き下げて保険料を上げるのです。

※参考資料:予定利率(標準利率)の改定とその影響について(PDF)

3.平準払いの保険商品はこれまで通りのようです。
日経の記事を読みますと、

< 改正案では貯蓄性商品が大半を占める1回払いの保険について、過去3ヵ月と1年の国債の平均利回りを基に標準利率を計算する。算定回数も今の年1回から4回に増やす。従来に比べ短期間の平均利回りを基に決めるので、結果的に市場の動向を反映して保険料を変えやすくなる。

 生保の運用の主流である20年国債を算定対象に加えるなど、運用実態に近づける配慮もした。一方、慎重な運用が求められる毎月払いの保障性保険については、従来の算定方法を維持する。>


―とありました。

正式に決定していないのでなんともいえませんが、この記事を読む限り、最終調整に入ったという改正される標準利率の算定方法の対象となるのは、一時払終身や一時払個人年金、一時払養老といった保険商品で、平準払い(保険料を月払い等の方法で支払う)の保険商品は対象外のようですね。

ま、個人的には「保険契約の適切な引受と保険金・給付金等の適切な支払い」が求められる保険会社が、一時払保険商品の標準利率設定が弾力的になっても、保険料の引き下げ競争を過熱させることはないと思っています。

【記事の内容】
以下、記事の内容です。

―日本経済新聞 2013年11月2日朝刊―

【生命保険料下げやすく―金利上昇に対応。金融庁、標準利率の算定見直し。15年度から】

 金融庁は生命保険会社が保険料を変更しやすくする。保険料を決める基準となる標準利率の算定方法を見直し、2015年度から適用する。年金など貯蓄性保険の利回りを金利変動に合わせて変えやすくする狙い。生保は今後金利が上がる際に保険料を引き下げやすくなる。新規の契約者は負担が減る利点があるが、生保の間で競争が加熱する可能性もある。

 金融庁と生命保険業界が標準利率の算定方法の詳細を詰める最終調整に入った。年内にも金融庁が算定方法を定めた告示の改正案を公表する。

 標準利率(基準保険料率)とは生保が契約者に約束する運用利回り(予定利率)の基準となる利率のこと。期間10年の国債の利回りを基にして決まる。標準利率が下がれば生保は原則予定利率を下げる。予定利率が下がれば、同じ保険金を得るために必要な保険料が増えるため、保険料は上がる。逆に標準利率が上がれば保険料は下がる。

 1996年の導入以降、長期金利の低下で標準利率は下がり続けており、今年4月には1.5%から過去最低の1%に引き下げられた。

 日銀は2年程度で2%の物価目標を実現する政策を掲げており、狙い通りになれば今後長期金利は上昇に転じていく。ただ、現在の標準利率の算定方法は10年国債の3年間と10年間の平均利回りを考慮する仕組みで、標準利率が上がるのは長期金利の上昇からかなり遅れる見通しだ。生保業界からは金利上昇をすぐに保険料に反映できるよう制度を改めてほしいとの要望が出ていた。

 改正案では貯蓄性商品が大半を占める1回払いの保険について、過去3ヵ月と1年の国債の平均利回りを基に標準利率を計算する。算定回数も今の年1回から4回に増やす。従来に比べ短期間の平均利回りを基に決めるので、結果的に市場の動向を反映して保険料を変えやすくなる。

 生保の運用の主流である20年国債を算定対象に加えるなど、運用実態に近づける配慮もした。一方、慎重な運用が求められる毎月払いの保障性保険については、従来の算定方法を維持する。

 貯蓄性商品の多くを占める個人年金は60兆円程度の残高がある生保の主力商品の1つだ。低金利の時は一定の利回りを保障する個人年金に人気が集まっていたが、金利が上がっていけば預金や投資信託といった他の金融商品に資金が流出する恐れがあった。保険料を迅速に値下げできるようになれば、預金金利などの上昇ペースに引けをとらない料金設定ができ、保険離れを防ぐ効果が期待できる。


以上です。

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↑、テリトリーを見張るキタテハ(夏型)のオス(6月撮影)。

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この記事へのコメント

カズ
2013年11月10日 10:04
とても分かりやすい解説で、勉強になります。今後も参考にさせていただきます。有難うございます。
元保険営業マン
2013年11月10日 18:59
カズさん、コメントありがとうございます
そのようにおっしゃっていただくと、色々検索して調べた甲斐があります。ありがとうございます。

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