小児腫瘍に対する陽子線治療などに保険適用決定!!。

1月20日の中央社会医療保険協議会(中医協)において、小児腫瘍に対する陽子線治療などへの保険導入が決定されました。

このことについて、21日付の日本経済新聞・朝刊は以下のように報じています。

< 厚生労働省の諮問機関、中央社会医療保険協議会は20日、がん粒子線治療のうち小児がんの陽子線治療と、手術が難しく骨や筋肉などにできる骨軟部腫瘍に重粒子線治療に公的医療保険を適用すると決めた。交通事故などで髄液が漏れて頭痛が起きる症状の治療法「ブラッドパッチ」も適用を認めた。いずれも4月から実施。患者団体から歓迎の声が相次いだ。>

【管理人の感想】

20日の中医協において保険導入が決定したのは、小児腫瘍に対する陽子線治療を含めた14種類の先進医療です。

この中で驚いたのは「硬膜外自家血注入療法(ブラッドパッチ療法)」が含まれたことです。と申しますのも、同療法は14日の先進医療会議のウェブページにUPされた、資料「先-5-1(参考資料2)」―平成26年度診療報酬改定における先進医療技術の保険導入の検討の対応についてのまとめ(参考)―(PDF)において、

<平成24年6月に適用開始となったばかりであり、エビデンスが十分ではないことから、データを蓄積し、エビデンスを示していくべきではないか。>

という指摘とそれに対する対応として

<引き続き先進医療を継続する。保険適用に向けた判断のため、エビデンスとなるデータの解析を提案する。>

となっていたためです。

データを蓄積する起源などについて明記されていなかったため、もうしばらくは先進医療として実施していくかと思っていましたが、今回の保険導入の決定がなされたため驚いてしまいました。

ブラッドパッチは先進医療が適用されるまで、30万円前後の費用が生じ、脳脊髄液漏出症の患者にとっては大変な負担となっていました。

2012年にようやく先進医療が適用され、全額自己負担となる先進技術料は1万8000円と患者の負担は劇的に軽減されました。

そして、今回の中医協において、今年の4月から公的医療保険制度の適用が決定されたわけです。公的医療保険制度が適用されれば、より多くの医療機関でブラッドパッチ治療を受けられることになりますね。

【保険導入される先進医療等の内容】
以下、保険導入される先進医療等の内容です(資料「総2-2-4(PDF)」より、抜粋・転載)。

【既存の先進医療に対する保険導入等について】

 先進医療会議において、平成27年6月30日時点で先進医療告示に掲げられている先進医療Aの61技術及び総括報告書の報告を終えている先進医療Bの2技術(未承認の医薬品等の使用及び医薬品等の適応外使用を伴わないものに限る)について、保険導入等を検討した。

1.保険導入が適切であると評価された先進医療
 以下の14技術については、その有効性、効率性等に鑑み、保険導入することが適切であると考える。ただし、適応症や実施する施設等について適切な条件を付すこと等が必要であると考える。

(1) 告示番号2:凍結保存同種組織を用いた外科治療

(2) 告示番号6:陽子線治療(※1)

(3) 告示番号11:重粒子線治療(※1)

(4) 告示番号23:非生体ドナーから採取された同種骨・靱帯組織の凍結保存

(5) 告示番号34:RET 遺伝子診断

(6) 告示番号36:実物大臓器立体モデルによる手術支援

(7) 告示番号37:単純疱疹ウイルス感染症又は水痘帯状疱疹ウイルス感染迅速診断(リアルタイムPCR法)

(8) 告示番号38:網膜芽細胞腫の遺伝子診断

(9) 告示番号41:有床義歯補綴治療における総合的咬合・咀嚼機能検査

(10) 告示番号48:腹腔鏡下仙骨膣固定術

(11) 告示番号49:硬膜外自家血注入療法

(12) 告示番号50:食道アカラシア等に対する経口内視鏡的筋層切開術

(13) 告示番号56:内視鏡下頸部良性腫瘍摘出術

(14) 先進医療B(告示番号50):内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下腎部分切除術


※1:陽子線治療については小児腫瘍のみで、重粒子線については切除非適応の骨軟部腫瘍のみが保険導入とされた。それ以外の適応症の主なものは、先進医療として継続する。

2.削除が適切であると評価された先進医療
 以下の11技術については、その有効性、効率性等が十分に示されていないことから、先進医療から削除する方向で検討することが適当と考える。

(1) 告示番号3:悪性高熱症診断法(スキンドファイバー法)

(2) 告示番号4:先天性血液凝固異常症の遺伝子診断

(3) 告示番号7:成長障害の遺伝子診断

(4) 告示番号8:経頸静脈肝内門脈大循環短絡術

(5) 告示番号12:硬膜外腔内視鏡による難治性腰下肢痛の治療

(6) 告示番号13:重症BCG副反応症例における遺伝子診断

(7) 告示番号15:マントル細胞リンパ腫の遺伝子検査

(8) 告示番号22:CYP2C19遺伝子多型検査に基づくテーラーメイドのヘリコバクター・ピロリ除菌療法

(9) 告示番号27:自己腫瘍・組織を用いた活性化自己リンパ球移入療法(※1)

(10) 告示番号39:IL28Bの遺伝子診断によるインターフェロン治療効果の予測評価

(11) 告示番号45:多血小板血漿を用いた難治性皮膚潰瘍の治療(※2)


※1:暫定Aの技術である告示番号27 については、先進医療Bへの移行の対応が実施されてこなかったため、従前定めた取扱いどおり削除とする。

※2:暫定Aの技術である告示番号45については、先進医療会議において適とされ、先進医療Bとして実施が承認されたため(平成28年1月1日)、先進医療Aの告示から削除とする。


3.継続が適切であると評価された先進医療
 以下の39技術については、保険導入の適否を評価するために必要な有効性、効率性等が十分に示されていないことから、引き続き先進医療で実施されることが適当と考える。

(1) 告示番号1:高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術

(2) 告示番号5:三次元形状解析による体表の形態的診断

(3) 告示番号6:陽子線治療(※1)

(4) 告示番号9:骨髄細胞移植による血管新生療法(※2)

(5) 告示番号10:神経変性疾患の遺伝子診断

(6) 告示番号11:重粒子線治療(※1)

(7) 告示番号14:自家液体窒素処理骨移植(※2)

(8) 告示番号16:抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査

(9) 告示番号17:家族性アルツハイマー病の遺伝子診断

(10) 告示番号18:腹腔鏡下膀胱尿管逆流防止術

(11) 告示番号19:泌尿生殖器腫瘍後腹膜リンパ節転移に対する腹腔鏡下リンパ節郭清術

(12) 告示番号20:末梢血幹細胞による血管再生治療(※2)

(13) 告示番号21:末梢血単核球移植による血管再生治療(※2)

(14) 告示番号24:定量的CT を用いた有限要素法による骨強度予測評価

(15) 告示番号25:歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法

(16) 告示番号26: 樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法(※2)

(17) 告示番号28:自己腫瘍・組織及び樹状細胞を用いた活性化自己リンパ球移入療法(※2)

(18) 告示番号29:EBウイルス感染症迅速診断(リアルタイムPCR法)

(19) 告示番号30:多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術

(20) 告示番号31:フェニルケトン尿症の遺伝子診断

(21) 告示番号32:培養細胞によるライソゾーム病の診断

(22) 告示番号35:角膜ジストロフィーの遺伝子解析

(23) 告示番号33:培養細胞による脂肪酸代謝異常症又は有機酸代謝異常症の診断

(24) 告示番号40:前眼部三次元画像解析

(25) 告示番号42:急性リンパ性白血病細胞の免疫遺伝子再構成を利用した定量的PCR法による骨髄微小残存病変(MRD)量の測定

(26) 告示番号43:最小侵襲椎体椎間板掻爬洗浄術

(27) 告示番号44:短腸症候群又は不可逆的な機能性小腸不全に対する脳死ドナーからの小腸移植(※2)

(28) 告示番号46:短腸症候群又は不可逆的な機能性小腸不全に対する生体ドナー(※2)

(29) 告示番号47:自家嗅粘膜移植による脊髄再生治療(※2)

(30) 告示番号51:MEN1遺伝子診断

(31) 告示番号52:金属代替材料としてグラスファイバーで補強された高強度のコンポジットレジンを用いた三ユニットブリッジ治療

(32) 告示番号53:ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)

(33) 告示番号54:細菌又は真菌に起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)

(34) 告示番号55:内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術

(35) 告示番号57:FOLFOX6 単独療法における血中5-FU濃度モニタリング情報を用いた5-FU投与量の決定

(36) 告示番号58:Verigeneシステムを用いた敗血症の早期診断

(37) 告示番号59:腹腔鏡下広汎子宮全摘術

(38) 告示番号60:LDLアフェレシス療法

(39) 告示番号61:多項目迅速ウイルスPCR法によるウイルス感染症の早期診断


※1:陽子線治療については小児腫瘍のみ、重粒子線については切除非適応の骨軟部腫瘍のみが保険導入とされた。それ以外の適応症の主なものは、先進医療として継続する。

※2:暫定Aの技術であり、先進Bへの移行に係る対応が進んでいることを考慮して、猶予期間は平成29年3月31日までと延長するとともに、新規組み入れは中止する。なお、先進医療Bとして実施が承認された場合には、先進医療Aの告示から削除とする。


4.その他
 以下の技術については、総括報告書の提出を終えている先進医療Bの技術であって、保険導することが適切であると判断できなかった。なお、今後、実施条件を変更して先進医療Aとして改めて実施するなどにより、有効性を示す可能性等が示唆された。

 ◇先進医療B(告示番号27):慢性心不全に対する和温療法

 また、著しく高額な医療機器を用いる医療技術について、費用対効果の観点を導入することの検討を進める必要性に関して、議論が行われた。


以上です。

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↑、庭先のモッコウバラで休息するナミアゲハ・夏型(2104年6月撮影)。

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